元JRA藤田伸二氏、岩田康誠の「好判断」を大絶賛!? フェブラリーS(G1)インティ武豊が逃げられず「一番のファインプレーは康誠」
20日、東京競馬場で行われた今年最初のJRA・G1、フェブラリーSは、好位を追走した2番人気のカフェファラオ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)が優勝。2014~15年のコパノリッキー以来、2頭目となる同レース連覇を達成した。
初騎乗で同馬を1年ぶりの勝利に導いた福永祐一騎手。レース後には、「堀調教師と打ち合わせをして、作戦通りのポジションでレースをすることができました」とコメント。思い描いた通りの会心騎乗だったことを明かした。
「カフェファラオは内目の枠に入ったため、砂を被る心配がありましたが、福永騎手がうまく外目に持ち出す完璧な騎乗でしたね。また、雨の影響で完全に前残り馬場になったことも追い風になったと思います。
G1としてはペースもかなり緩くなり、差し・追い込み馬にはノーチャンスでした。結果的には、4コーナーで3番手以内だった馬がワン・ツー・スリーを決めましたからね……」(競馬誌ライター)
そんな前残りの馬場でペースを握ったのが8枠15番からスタートしたテイエムサウスダン(牡5歳、栗東・飯田雄三厩舎)だった。もちろん鞍上には岩田康誠騎手がいた。
「距離不安を抱える馬だけに出方には注目していましたが、まさか逃げるとは……。前走・根岸S(G3)は、中団に控えて結果(1着)を残していましたからね。岩田康騎手の好騎乗、好判断だったと思います」(同)
そんな岩田康騎手の騎乗を褒めちぎったのが元JRA騎手の藤田伸二氏だ。
この日は自身のYouTubeチャンネルで今年最初のレース生配信を行った藤田氏。“大人の事情”で予想を披露することはなかったが、上位人気の馬については言及する場面もあった。
注目の白毛馬、ソダシについては、「あっさりもあるかもしれない」と、前走チャンピオンズC(G1)の大敗ではまだ見限れないという見解。一方で、カフェファラオには「ぶっちゃけ、祐一(福永騎手)には合わないと思うんだよね」と、コンビ相性には懐疑的な立場を取っていた。
発走時刻を迎え、各馬のスタートを確認した藤田氏は、「ユタカ(武豊騎手)さん、ちょこっと立ち遅れた」と、逃げる可能性もあったインティが後方からの競馬になったことをいち早く察知。岩田康騎手とテイエムサウスダンが向正面でハナを奪い、前半600mの通過タイム(34秒5)を聞いた上で「ユタカさんが出なかった瞬間にペースが遅くなるなと思って(岩田康騎手がハナに行った)。いい判断だな。外枠だからできる芸当だね」と、岩田康騎手の判断に言及。
4コーナーを先頭のまま迎えたテイエムサウスダンは、直線半ばでカフェファラオに交わされたが、ソダシの追撃をしのいで2着でゴール。その直後に、藤田氏が真っ先に言及したのも、やはり岩田康騎手の騎乗だった。
「2着に残った康誠のハナ行った判断は素晴らしかったね」
そして、カフェファラオを勝利に導いた福永騎手にも賛辞を送った上で、「やっぱり、今日一番のファインプレーは康誠じゃないかな」と、後輩ジョッキーの騎乗に拍手を送った。
その後も「(カフェファラオには)負けたけど、ナイスプレーだったと思うな」「一番うまく乗っていたのは康誠」「負けて強しだった」と、まさに“褒め殺し”状態……。普段は岩田康騎手の派手なガッツポーズなどに苦言を呈することもある藤田氏だが、この日は終始、岩田康騎手を褒めちぎる配信となった。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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