JRA 競馬界随一の「鉄人」が1週間で復帰! フェブラリーS(G1)騎乗断念の借りを阪急杯(G3)で返せるか
フェブラリーS(G1)が終わり中山開催に移行した今週は、今月末で定年となる7名の調教師のラストウィークとなる。藤沢和雄調教師、浅見秀一調教師をはじめ日本競馬を彩ってきた伯楽が競馬界から去るのは、物寂しさを覚える。
その一方で、嬉しいニュースも舞い込んできた。幸英明騎手の復帰である。
幸騎手は先週のフェブラリーSでサンライズホープに騎乗予定だった。本馬は同騎手で昨年のシリウスS(G3)をはじめ3勝と好相性。16日の最終追い切りにも同騎手が騎乗するなど、入念にコンタクトをとってきていた。
しかし、翌17日にフェブラリーSの出走馬と騎手が発表されたが、サンライズホープの鞍上欄に幸騎手の名は無かった。さらにフェブラリーSだけでなく、騎乗予定馬は土日ともに1頭もいなかった。
「実は木曜日(17日)の朝に、幸騎手が突然乗れないとの一報が入りました。
幸騎手は別名『鉄人』と呼ばれているほど、JRAトップクラスの騎乗数を誇る騎手で、各厩舎からの人気も高いです。当然、フェブラリーS以外のレースも騎乗予定がたくさんありましたから、現場は一時混乱しましたよ」(競馬記者)
ただ「鉄人」の名は伊達じゃなかったようだ。名前の通り、幸い何事もなかったかのように今週から早速復帰。土曜日は10R、日曜日も10R、2日合わせて20Rに騎乗予定だ。
中でも注目したいのが、27日の阪急杯(G3)でタッグを組むタイセイビジョン(牡5歳、栗東・西村真幸厩舎)だ。
デビュー以来、重賞2勝含む5戦連続連対と好発進していた素材も、2020年のアーリントンC(G3)の勝利を最後に未勝利続き。ただ2走前の京阪杯(G3)で2着と久々の入着を果たして復調気配が漂っている。
「阪神コースは6戦して2勝、2着2回と舞台適性があります。連を外した2戦のうち1戦は2020年のマイルCS(G1)で、もう1つは前走の阪神C(G2)です。
その阪神Cでは4コーナーで故障した馬の影響などもあって、思うようなレース運びができませんでした。それでも勝ったグレナディアガーズとは0秒4差と僅差ですし、今回はG3ということもあって、前回より相手関係が楽だと思います。
若干使い詰めだった昨秋から一息入れて調子も良さそうです。展開ひとつで突き抜けても驚けませんよ」(別の競馬誌ライター)
直前の追い切り内容からも好調さがうかがえる。24日にウッドチップコースで6ハロン82秒6-11秒6の好タイムをマーク。跨ったのはもちろん「鉄人」の幸騎手で『デイリースポーツ』の取材に対し「動きは良かったですね。気持ち良く促す程度でしたが、いい意味で変わらずでしたし、いい状態でレースに臨めると思います」と、目を細めていた。
幸騎手としては、長らく騎乗を続けていたサンライズホープに乗れなかった悔しさが今も残っているかもしれない。ぜひタイセイビジョンで先週の悔しさを晴らす勝利を手にし、勝利ジョッキーインタビューで満面の「幸スマイル」が拝めることに期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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