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サウジC(G1)11億円ゲット「最短距離」は白毛の女王ソダシ!? 日本のダート王が全滅した過去3年で見えてきた「傾向」と「突破口」

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11億円ゲット「最短距離」は白毛の女王ソダシ!? 日本のダート王が全滅した過去3年で見えてきたサウジC(G1)の「傾向」と「突破口」の画像1

 日本時間26日深夜、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で開催されたサウジカップデーは、日本勢の歴史的快挙に終わった。

 開幕からネオムターフC(G3)のオーソリティ、1351ターフスプリントのソングライン、レッドシーターフH(G3)のステイフーリッシュと日本馬が3連勝を飾ると、リヤドダートスプリント(G3)でもダンシングプリンスが勝利。史上最多の12頭を送り込んだ日本勢が合計4勝と、まさに旋風を起こした。

 その一方で、またも世界の壁に跳ね返されたのが、1着賞金約11億6000万円を誇るサウジC(G1)だ。

 今年は昨年のチャンピオンズC(G1)を圧勝したテーオーケインズに加え、米ブリーダーズCディスタフ(G1)で歴史的勝利を飾ったマルシュロレーヌという現役最高クラスの布陣で挑んだものの後者が6着、前者が8着と掲示板に載ることさえ叶わなかった。

 それだけではない。2020年にサウジCが創設されて以来、日本はクリソベリル、チュウワウィザード、そしてテーオーケインズと3年連続で前年のチャンピオンズCの覇者であり、最優秀ダートホースという最強馬を送り込んできた。

 しかし、結果はいずれも惨敗。それも上位陣には、まったく歯が立っていない状況と言わざるを得ないほどの内容だ。

 日本競馬は芝がメインであることは確かだが、ダートでは世界とここまで大きな実力差があるのだろうか。

「過去2回のサウジダービーは日本馬が連覇していますし、今年もリヤドダートスプリントをダンシングプリンスが勝利しました。日本のダートのレベルがそこまで劣っているということはないはずです。

では、何故サウジCで結果が出ていないのかというと、やはり一番に挙げられるのは米国に近い『レースの流れ』ではないでしょうか」(競馬記者)

 実際に、今年のサウジCを戦ったテーオーケインズの陣営は、松山弘平騎手が「(流れが速く)息が入らずに戸惑っていた」と言えば、高柳大輔調教師も「経験のない厳しい流れで、力を出せなかった感じ」と両者とも、テーオーケインズが経験したことのないレースの流れを敗因に挙げている。

「過去3年、米国の強力な先行馬の出走も目立つサウジCでは、日本のような終いに懸ける流れではなく、米国のような前半から積極的に飛ばす流れになる傾向があります。

今年のサウジCを勝った地元のエンブレムロードですが、実はマイルで5勝を挙げている馬で、1800mは初の距離延長という立場でした。本来なら距離がまず不安視されるところですが、逆に1600m以下で戦ってきたスピードがあったため『楽に追走できたのでは』という声もあります。

日本のダートは帝王賞(G1)や東京大賞典(G1)などが開催される2000mが最高峰ですし、テーオーケインズを始め、クリソベリル、チュウワウィザードもマイルより2000mで実績のある中距離馬。一流マイラーと比較すればスタミナ面で優れている分、スピードで劣ることになります。サウジCでは、そのスピード不足が仇になるのかもしれません」(同)

 単純な勝ち時計の比較だと、今年のサウジCが1:50.52で、テーオーケインズが勝利した昨年のチャンピオンズCが1:49.7と大きな差はない。だが、レースの流れはむしろ真逆と言えるかもしれない。

 では、今の来年以降のサウジCでは、どのような馬が挑戦することが望ましいのだろうか。

「カギを握るのは『スピード』でしょうね。例えば、昨年の優勝馬ミシュリフは仏ダービー馬と芝の実績がありましたし、テーオーケインズに先着したマルシュロレーヌも芝で3勝しているように、芝で戦えるスピードがあった方が望ましい。昨年のサウジダービーを勝ったピンクカメハメハは芝を走っていた馬ですし、今年のリヤドダートスプリントを圧勝したダンシングプリンスも、芝スタートでも物凄いダッシュを見せる快速馬です。

また、第1回のサウジCでゴールドドリームがクリソベリルに先着しているように、例え芝実績がなくとも、ダートのマイルで戦えるスピードは欲しいところ。日本で言えばチャンピオンズCよりも、フェブラリーS(G1)で好走歴のある馬の方がチャンスがあるかもしれません」(同)

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ソダシ 撮影:Ruriko.I

 記者曰く、現役で名を挙げるなら「ソダシが最適では」という。確かにソダシは芝G1・2勝の実績があり、先日のフェブラリーSで3着とダート適性も示している。マイルがベストなものの2000mでも実績があり、前から行けるスピードタイプなら、サウジCの流れにも対応できるかもしれない。

 フェブラリーS後すでに放牧に出され、今後はダート路線を歩むのか、芝路線に戻るのかが注目されているソダシ。果たして来年、日本を代表してサウジCの“11億円”を獲りに行く姿が見られるのか。楽しみに待ちたい。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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