GJ > 競馬ニュース > 金鯱賞(G2)「逃げない」岩田康誠に期待ハズレの声!? ショウナンバルディ得意舞台で奇襲失敗、突然の“着拾い”にガッカリ感否めず
NEW

JRA金鯱賞(G2)「逃げない」岩田康誠に期待ハズレの声!? ショウナンバルディ得意舞台で奇襲失敗、突然の“着拾い”にガッカリ感否めず

【この記事のキーワード】, ,
JRA金鯱賞(G2)「逃げない」岩田康誠に期待ハズレの声!? ショウナンバルディ得意舞台で奇襲失敗、突然の着拾いにガッカリ感否めずの画像1
藤岡佑介騎手

 13日、中京競馬場で行われた古馬の中距離重賞・金鯱賞(G2)は、連戦連勝でこの舞台に挑んだジャックドールが見事な逃げ切り勝ち。2着のレイパパレに2馬身半の差をつける快勝だった。

「ラスト1ハロンも追っていて凄い馬だと……。あまり他の馬では感じたことがないストライドです」

 レースを振り返った藤岡佑介騎手もパートナーの予想以上の強さに舌を巻いた。

 開幕週となる絶好の馬場で好時計が出たのは不思議ではないものの、従来のレコードを1秒1も塗り替える“圧逃”で5連勝。大阪杯(G1)で予想されるエフフォーリアとの対決が非常に楽しみになる結果となった。

 ただ、レースラップ的には前半1000m通過59秒9に対し、後半57秒9だったことには注目したい。

 逃げ切り勝ちという点では、1998年の勝ち馬サイレンススズカに重なるところもあるが、ジャックドールはスピードが武器というよりも、ロングスパートに耐えうるだけの持久力が魅力の馬だ。

 4コーナーでハナに立つ戦法に替えてから、レースラップの上がり3ハロンでも34秒台をコンスタントにマークしている。昨年の浜名湖特別(2勝クラス・芝2000m)では逃げて33秒2の“切れ味”を披露したほどである。

 本格化前とはいえ、2着の続いたデビュー2戦の上がり3ハロンは、いずれも35秒台と平凡。物理的には後ろから行った方が上がり3ハロンは速くなるはずだが、おそらく自分のリズムで走ることでパフォーマンスも上昇したのだろう。

JRA金鯱賞(G2)「逃げない」岩田康誠に期待ハズレの声!? ショウナンバルディ得意舞台で奇襲失敗、突然の着拾いにガッカリ感否めずの画像2
岩田康誠騎手

 そして、そんな勝ち馬の存在が、逃げ馬候補だった岩田康誠騎手とショウナンバルディ(牡6、栗東・松下武士厩舎)のコンビにも心理的プレッシャーを掛けていたのかもしれない。

 昨年の鳴尾記念(G3)2着や中日新聞杯(G3)優勝もある中京は大の得意コース。いずれも前々で競馬をする積極策で結果を残してきた。

 昨年の金鯱賞で10頭中最低人気だったギベオンが単勝227.3倍で、同1.4倍のデアリングタクト相手に大金星を挙げた舞台。ショウナンバルディがたとえ13頭中の11番人気だったとしても、昨年のギベオンが227.3倍ならチャンスはあったはずだ。

 また、ジャックドールの藤岡健一調教師が今後を考えると「控える競馬」も視野に入れているというコメントを出していたことも注目されていた。それだけにショウナンバルディの「逃げ」に期待した穴党から熱視線が集まったのも無理はなかったか。

 しかし、いざレースが始まってみると、特にスタートでアクシデントがあった訳でもないのに岩田康騎手の行く気は全くなし。あまりにもあっさりとジャックドールにハナを譲ると、先行するどころかまさかの後方待機策で後ろから2番手の位置まで下げた。

 結果はご存じの通り、ハナに立ったジャックドールがそのまま先頭でゴール。ショウナンバルディは上がり3ハロン34秒6の末脚で6着に追い上げたものの、馬券に絡むことは出来なかった。

 この突然にも思える作戦変更は何だったのだろうか。

「陣営が『リズムが大事』というコメントを戦前に出していたように、ショウナンバルディにとって逃げが絶対という訳ではなかったように思います。過去、逃げて自らがハイペースを演出したレースでは好結果を残せていませんでした。

今年の金鯱賞はただでさえ、ジャックドールやレイパパレなど、『逃げて』好走した馬が他にも出走していました。近走で好走しているレースもスローペースだから前にいただけで、岩田康騎手にしても結果的に逃げていたということでしょう。今回はレコードも出たくらいですし、後ろからの競馬も悪くなかったように感じます」(競馬記者)

 その一方、ネットの掲示板やSNSなどで、ファンの賛否が分かれることとなった。

「逃げたらもっとダメだったのでは?」「これは想定内」と擁護する声もあれば、ショウナンバルディがハナを主張することによって、ハイペースになるようなら後の馬にも出番があると期待していたファンからは「行かなきゃ意味ないよ」「役割を分かっていない」「着拾いしてもなあ」と、よもやの後方待機にガッカリしている意見もチラホラ……。

 いずれにしてもジャックドールが強過ぎただけに、今回ばかりは勝ち馬に脱帽するしかなさそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

JRA金鯱賞(G2)「逃げない」岩田康誠に期待ハズレの声!? ショウナンバルディ得意舞台で奇襲失敗、突然の“着拾い”にガッカリ感否めずのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
  2. 【NHKマイルC】C.ルメール「一鞍入魂」アスコリピチェーノと必勝態勢!オークス、日本ダービーも騎乗馬決定か…シックスペンスとはコンビ解消
  3. 【NHKマイルC】“アスコリピチェーノVSジャンタルマンタル”仁義なき社台グループの頂上決戦に決着をつける不気味な伏兵!
  4. 【宝塚記念】今年のグランプリは「超ハイレベル」の一戦?リバティアイランド、ドウデュースら「最強メンバー」が激突も
  5. 「うまく力を出せた」2年目女性騎手が2ヶ月ぶり白星! 「負担重量の注意義務」を怠り戒告処分も…翌日1Rで名誉挽回の好騎乗
  6. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  7. 【日本ダービー】「芝未勝利馬」の参戦視野に懐疑的な声? 無傷の4連勝でダービー挑戦も「シンガリ」に敗れたサクセスブロッケンの記憶
  8. 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
  9. 【天皇賞・春】「横山典弘マジック」に翻弄された敗戦の弁?大敗でも爪痕残した名手の存在感…テーオーロイヤル、ディープボンドの好走にヒント
  10. 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆