
JRA「花の35期生」初G1制覇は、岩田望来でも菅原明良でもない!?忘れちゃいけないG1好走ジョッキーが、今年のクラシックで嵐を巻き起こすか
先週13日に行われたフィリーズレビュー(G2)とアネモネS(L)をもって、桜花賞(G1)トライアルが終了。今週末19日に、阪神競馬場で行われる若葉S(L)と20日に中山競馬場で行われるスプリングS(G2)で皐月賞(G1)トライアルも終わり、牡馬牝馬共にクラシックムードがいよいよ高まってくる。
クラシックが近いという事もあって若駒たちの話は尽きないが、それは騎手の世界でも同様で、若手の活躍が顕著なことでこちらも話題となっている。なかでも4年目の岩田望来騎手が、現在全国リーディングで川田将雅騎手に次ぐ2位につけている活躍ぶりは一段と目を引く。先月には、京都牝馬S(G3)をロータスランドで制し、待望の重賞初勝利も挙げて、まさに充実一途だ。
また、同期の斎藤新騎手と菅原明良騎手も、前者は中山金杯(G3)後者は京成杯(G3)を制しており、今年はそれぞれ重賞勝ちを挙げている。上記3名を含む35期生は、近年の競馬界では度々注目を浴びており、今後更なる飛躍が期待できそうな存在だ。
そんな「花の35期生」にとっては、重賞で好走すること自体もはや不思議なことではなくなってきたが、G1に関して言えばまだ別の話となってくる。そもそもまだ騎乗機会の少ないG1レースにおいては、実力馬に乗れる可能性も低く、馬券内に好走すること自体極めて難しいといえる。
しかしながら数少ないG1出走のチャンスを活かし、35期生の中で唯一馬券内に好走している騎手を皆さんはご存じだろうか。それは、昨年の阪神JF(G1)でラブリイユアアイズを2着に導いた団野大成騎手だ。

同騎手は、今年すでに12勝を挙げており、現在全国リーディングで18位につけている。昨年は重賞2勝を含む54勝を挙げ、同期の菅原明騎手とともに「中央競馬年間ホープ賞」を受賞した。この男の存在なくして「花の35期生」とは呼べない重要な人物の一人だ。
デビューから現在まで岩田望騎手がすでにG1で20回騎乗している一方で、団野騎手は僅か7回にとどまる。そしてそのどれもが単勝50倍以上の超人気薄にも関わらず、先ほども触れた昨年の阪神JFで好走したラブリイユアアイズの2着や、同じく昨年のヴィクトリアマイル(G1)では、単勝14番人気のディアンドルをあわや馬券内の4着までもってきた。大一番での勝負強い好騎乗には目を見張るものがある。
今週末の19日に阪神競馬場で行われる若葉Sには、ヴェローナシチー(牡3、栗東・佐々木晶三厩舎)に騎乗予定だ。同馬には未勝利勝ちから団野騎手が跨っており、ここまで京成杯3着、すみれS(L)3着と続けて好走している。今回2着以内に入れば、皐月賞への優先出走権が与えられ、同騎手にとって牡馬クラシック初参戦も叶う可能性が高くなる。
今年は、すでに桜花賞への直行が決まっているラブリイユアアイズをはじめ、牡馬でも楽しみな存在が控えている団野騎手。「花の35期生」最初のG1制覇は、この男が相応しいのかもしれない。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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