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JRA岩田康誠「9馬身差」衝撃から散った69年ぶりの儚い夢! 皐月賞敗戦に陣営は「後悔の感情が心の奥底に」、超新星デシエルトに期待高まるトラウマの払拭

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岩田康誠騎手

 19日、阪神競馬場で行われた皐月賞トライアル・若葉S(L)を制したのは、岩田康誠騎手のデシエルト(牡3、栗東・安田隆行厩舎)だ。

 昨年、12月に7馬身差でデビュー勝ちを決めると、2戦目の1勝クラスでも武豊騎手の大本命ジュタロウを撃破してダートのレースを連勝。これだけでもデシエルトが非凡なダート馬であるのは間違いないが、初芝を問題にしなかった圧勝には大きな評価が必要だろう。

 血統的にも芝をこなせる背景は十分にあった。母系に名牝エアグルーヴ、近親にドゥラメンテとクラシック向きで、皐月賞(G1)でも侮れない存在となりそうだ。

 これでデビューから無敗の3連勝となったデシエルトだが、主戦を任されている岩田康騎手とのコンビということもあり、同じく3戦無敗で皐月賞に挑んだ馬を思い出したファンもいたのではないだろうか。

 5年前、2017年の皐月賞戦線は抜けた馬がおらず、群雄割拠の様相を呈していた。そんな中、彗星の如く現れたのが岩田康騎手とのコンビで快進撃を続けた牝馬のファンディーナだった。

 1月の新馬戦を持ったままの9馬身差で衝撃的なデビューを飾ったディープインパクト産駒は、2戦目は直線で上がり3ハロン33秒0の切れを披露して楽勝。フラワーC(G3)でも持ったままの5馬身差で制し、初重賞制覇をなんなくやってのけた。

 この勝利に手応えを掴んだ陣営は、間隔の詰まる桜花賞(G1)ではなく、牡馬相手の皐月賞出走を決断。クラシック登録がなかったため、追加登録料200万円を払い、69年ぶりとなる牝馬による皐月賞制覇を目論んだ。

 異例の参戦とはいえ、2007年の日本ダービー(G1)を女傑ウオッカが優勝した前例もある。ここまで3戦すべて単勝1倍台で勝ち進んだ怪物候補の参戦で大いに盛り上がったのも無理はない。

 しかし、4戦連続の1番人気で迎えた皐月賞。この日のファンディーナは何かが違った。

 いつも通り好位でレースを進めたものの、これまで馬なりで後続を離してきた最後の直線で伸び切れない。一時は先頭に躍り出るシーンも見せたとはいえ、直線半ばで力尽きて7着と敗れてしまった。

「競馬の進め方は上手だったと思います。大きな不利があったわけでもありません。力負けだと思います。今後はクラブと相談しますが、ダービーの可能性は捨てていません」

 牝馬の大本命として挑んだレース後のコメントで高野友和調教師もトーンダウン。これに呼応するかのようにファンディーナ自身も回復が遅れた結果、ダービー挑戦の夢も幻に終わった。

 だが、一度狂った歯車が戻ることはもうなかった。

 秋のローズS(G2)で巻き返しを期したファンディーナは6着に敗れると、初めて1番人気を譲った秋華賞(G1)を13着に大敗。続くリゲルS(OP・当時)で9着後に骨折が判明したため、復帰を諦めた陣営から現役引退が発表された。

「これからの人生で、後悔の感情が心の奥底にずっと残りそうです。本当に申し訳ない思いです」

 高野調教師がそう振り返ったように、大きな期待を集めながら、期待に応えることが出来なかったファンディーナ。現在は繁殖牝馬として2頭の産駒が生まれている。

 デシエルトの勝利に「ここで負けているようじゃ皐月賞も勝てません」と豪語した岩田康騎手もまた、無念の引退となった怪物牝馬の存在を思い浮かべたかもしれない。

 性別は違えども、同じ無敗の3連勝で皐月賞に挑むデシエルトで“トラウマ”の払拭に期待したいところだ。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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