JRA レシステンシア、メイケイエールに「共倒れ」の火種!? 高松宮記念(G1)で漁夫の利狙える特注馬は今もっとも「旬」なアノ馬!?
18日から始まった選抜高等学校野球大会。今年も各ブロックの代表校が熱い戦いを繰り広げている。春はセンバツからというフレーズでもお馴染みだが、競馬ファンにとっての春は高松宮記念(G1)からといったところだろうか。
今年はレシステンシア、グレナディアガーズ、サリオスといったG1馬3頭が出走を予定しているが、いずれも前走で手綱を取った騎手から乗り替わり。他にもメイケイエール、ダイアトニックなどの伏兵も侮れない存在だ。
今週末の東海地方は雨模様の予報が出ており、舞台となる中京競馬場も馬場に少なからず影響を受けそうなことは残念であるが、高松宮記念に出走を予定している有力各馬の比較とレース展開を予想してみたい。
最も注目したいのは前走で逃げた馬がいないことである。短距離戦では玉砕覚悟の逃げを打つ穴馬が、レースをかき乱すケースも珍しくないものの、今回はモズスーパーフレアやビアンフェのような何が何でも逃げというタイプはいない。
好位抜け出しで前走を制したオーシャンS(G3)のジャンダルム、京都牝馬S(G3)のロータスランドもいるが、前者は出遅れ癖もあり、後者はスローペースで流れた前半を味方につけた勝利でもあった。
となると、実力的にスピードの絶対値が違うレシステンシアとメイケイエールが押し出されて前々の競馬になりそうな感じ。控える競馬を試みているではないかという見方もあるが、2頭ともどちらかというと本来は気分よく行かせたときの方がいいタイプ。あくまで自分のリズムで走れるかどうかが、好走のカギを握っているだろう。
ただ、メンバー的にどちらかがハナに立つ可能性が高い今回は、お互いの出方を見ながらの競馬が濃厚であり、それがマイナスに働くということも十分に考えられる。
そこで危惧するのは、やはりメイケイエールの制御の危うさである。前走のシルクロードS(G3)でチューリップ賞(G2)以来の勝利を挙げた同馬だが、それまでの“やんちゃぶり”を思うとあまりにもうまく行き過ぎたようにも映る。
対するレシステンシアは既にモデルチェンジに成功しているため、現在なら逃げても控えても大きな割引とはならないはず。ライバルのメイケイエールが折り合いに苦しむようなら、あえて控える競馬で揺さぶりを掛けることも可能だ。
ただ、レシステンシアにしてもペースが落ち着き過ぎると、今度は切れる脚がないという弱点がネックとなる。スローに落とし過ぎた3歳春のチューリップ賞で切れ負けして3着に敗れた苦い記憶は、陣営にも残っているはず。
いずれにしても、メイケイエールの池添謙一騎手とレシステンシアの横山武史騎手にとっては、互いに厄介な存在となりそうだ。
これに対し、展開的に好走をイメージしやすいのは、阪神C(G2)を制したグレナディアガーズと阪急杯(G3)を制したダイアトニックの2頭である。
とはいえ、前者は短期免許で来日していたC.デムーロ騎手の好騎乗が大きかった勝利の上、芝1200m戦は今回が初めて。それも、いきなりG1でテン乗りのジョッキーというのは気になる材料。「中京の鬼」といわれる福永祐一騎手の騎乗は心強いものの、未経験の道悪で位置取りがあまり後ろになるようだと末脚が不発に終わる恐れも出てくる。
そういう意味では、最も信頼を置けそうなのはダイアトニックという結論に落ち着きそう。骨折により、調子を崩していた一時のスランプからすっかり立ち直って阪急杯を快勝した。
開催時期の馬場差はあれども、同じ阪神芝1400m条件で阪神Cの勝ち時計1分20秒3(良)を0秒4上回る1分19秒9(良)で勝利しているのも、対グレナディアガーズでアドバンテージとなるだろう。週末に予想される馬場の悪化も、2年前の高松宮記念で経験済みなら問題ない。
そして、最も頼りになるのが、現在絶好調の岩田康誠騎手の手腕だ。先週は、勝利騎手インタビュー中のやり取りで話題を集めたが、土曜の若葉S(L)、日曜のスプリングS(G2)で見事な手綱捌きを披露して快勝した。
2週連続の勝利騎手インタビューで再び「岩田節」を耳にすることがあっても不思議ではないだろう。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 阪神JFで「好走必至」の穴馬が不可解な乗り替わり…「5馬身違う」最強助っ人とC.ルメールの対決も熱い
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 【阪神JF】リバティアイランド、アスコリピチェーノ、ソダシを超える逸材!? 2歳女王決定戦で買うべき“大物馬主”推奨の2頭
- ドゥラメンテ近親の「元クラシック候補」が反撃の狼煙!ダートのレコードホルダーが芝重賞に再挑戦
- 藤田伸二「酷いレース」のマリーンCにブチ切れ?「何を学んできたのか不思議だわ!」田口貫太に不満爆発
- 武豊「来年が楽しみ」ヤマニンウルス不在でも大健闘…フォーエバーヤング擁する世代レベルの高さも証明
- 【菊花賞】武豊「絶縁」から和解した救世主と見学回避!ルメールのお下がりでも戸崎圭太より不気味?
- 「体重超過」大江原比呂が1日でダイエット成功!岩田望来や西村淳也も悩んだ過酷な体重管理
- 今村聖奈も「300鞍」争奪戦に参加!? 岩田望来&田口貫太「フランス武者修行」で絶好機迎える“5人の騎手”とは
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
関連記事
JRA 高松宮記念(G1)。グレナディアガーズ、サリオス、レシステンシアに共倒れの現実的理由。まさかの大波乱を演出する意外な“馬”とは!?
JRA【高松宮記念(G1)展望】横山武史×レシステンシアVS池添謙一×メイケイエール! 牝馬2強の「一騎打ち」に割って入るのは「新・代打の神様」福永祐一!?
JRA「禁断の言葉」叫んだファンにウマ娘オーナーもドキドキ!? 高松宮記念(G1)の有力候補も登場で武豊とG1獲りの期待!
元JRA安藤勝己氏「距離延長問題ない」も……サリオス陣営が真逆の決断、高松宮記念(G1)大逆転の「ヒント」はキングヘイロー?
JRA武豊「2歳女王」への再登板叶わず……高松宮記念(G1)期待された1年越しのリベンジから一転「見学」の可能性も浮上か