JRA武豊「2歳女王」への再登板叶わず……高松宮記念(G1)期待された1年越しのリベンジから一転「見学」の可能性も浮上か
昨年暮れの香港スプリント(G1)で2着に好走した2019年の2歳女王レシステンシア(牝5歳、栗東・松下武士厩舎)。復帰戦となる今月27日の高松宮記念(G1)では、横山武史騎手と新コンビを結成することが分かった。
既に栗東に帰厩済みであり、今後は追い切りでもコンタクトを取る予定だという。昨年G1・5勝を挙げた若武者が、同馬に久々のタイトルをもたらすことができるか注目したい。
一方、同馬への再登板が叶わなかったのが武豊騎手だ。
武豊騎手は、レシステンシアを19年10月の新馬戦で勝利に導いており、翌年の桜花賞(G1)にも1番人気で参戦。最後の直線ではデアリングタクトに差し切られてしまったものの、雨が降りしきる重馬場の中、果敢に先行して2着に善戦した。
昨年の高松宮記念では、当時レシステンシアの主戦だった北村友一騎手がドバイ遠征で不在になるため、代打としてお声がかかったのも武豊騎手である。
残念ながら同騎手が右足を骨折してしまったため、当日は浜中俊騎手に手綱を譲ったが、次戦のヴィクトリアマイル(G1)では、落馬負傷した北村友騎手に代わって、再びレシステンシアのパートナーに抜擢されている。
その後の国内2戦はC.ルメール騎手が手綱を取っているが、同騎手は高松宮記念の週にドバイ遠征を予定している。また、北村友騎手は今もなお療養中である。そのため、レシステンシアは武豊騎手とのコンビ再結成が濃厚であると見られていただけに、予想外の結果となった。
■横山武史騎手が抜擢されたワケ
「レシステンシアを所有するキャロットファームは昨年、横山武騎手とのコンビで重賞5勝。5日に行われたチューリップ賞(G2)も、ナミュールで完勝を収めました。一方、武豊騎手とのコンビでは、ここ4年ほど重賞勝ちがありません。そのあたりが今回、武豊騎手が選ばれなかった理由の1つかもしれませんね」(競馬誌ライター)
騎乗できなかったレシステンシアとの一年越しのリベンジはひとまず霧消したレジェンド。となると現時点で高松宮記念の騎乗馬候補は、前走の阪急杯(G3)でタッグを組んで3着に入ったサンライズオネスト(牡5歳、栗東・河内洋厩舎)か。
同馬については、自身の公式サイトの日記に「能力が高いのは間違いない」「高松宮記念につながれば最高」と綴っており、戦前から本番までの継続騎乗を匂わせていた。レースも敗れはしたものの、「スタートが決まり上手く流れに乗ることができた」と、納得のコメントを残している。
ただ、同馬はオープンクラスの勝利がカーバンクルS(OP)のみであり、収得賞金が3600万円と高松宮記念に出走できるか不透明だ。昨年の同レースでは、僚馬のアイラブテーラーが収得賞金4600万円で除外の憂き目にあっている。そのため、サンライズオネストも場合によっては出走枠に入れないかもしれない。
今年の高松宮記念には、コンビで重賞勝ちのあるメイケイエールやダイアトニックも出走を予定しているものの、昨年のリベンジどころか“見学”の可能性まで浮上してきているレジェンド。果たして参戦に漕ぎ着けることはできるのだろうか。今後の行方をもうしばらく見守りたい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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