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JRA「令和の穴メーカー」誕生の予感!? 岩田望来だけじゃない「花の35期生」影の実力者が、激走連発で評価急上昇!

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江田照男騎手 撮影:Ruriko.I

 数々の名勝負やドラマを生んできた競馬史において、人々の記憶に焼き付いている「波乱決着」。その立役者となってきたのが「穴騎手」の存在だ。

 穴騎手と聞くと、古くからの競馬ファンは江田照男騎手を思いつくのではないだろうか。2000年のスプリンターズS(G1)で、武豊騎手の1番人気アグネスワールドを相手に最低人気だったダイタクヤマトに騎乗し、競馬史に残る大金星をあげた事は誰もが知るところだろう。

 また今週末に行われる日経賞(G2)でも、2012年に単勝167.1倍のネコパンチに騎乗し、アッと驚く逃げ切り勝ちを収め、大波乱を演出したことも記憶に新しい。

 このように江田照騎手だけに限らず、馬券を高配当に導く穴騎手というのは、いつの時代にも存在する。そして今年、密かに穴党の間で注目を集めているのが、4年目の小林凌大騎手だ。

 小林凌騎手といえば、近年活躍が目立つ岩田望来騎手や菅原明良騎手と同じ「花の35期生」の一人だ。ここまで特別目立った活躍は見られなかったため、大きなスポットを浴びることはなかったが、実は今年に入って穴馬での激走を連発している。

 先週20日には中山競馬場で行われた4Rの3歳未勝利戦で、単勝オッズ158.5倍の12番人気ミュステーリオンを3着に導いた。その翌日の21日には、中京競馬場で行われた同じく4Rの3歳未勝利戦で、単勝オッズ97倍の10番人気マサノパドゥシャで豪快な差し切り勝ちを決め、競馬ファンを連日驚かせた。

 とはいえ、すでに通算200勝以上を挙げている岩田望騎手と比べ、いまだ通算30勝未満の小林凌騎手には、「見習騎手」としての減量制度(男性騎手・5年未満・30勝以下に該当する同騎手の場合は3キロ)の恩恵があるのも事実だ。昔から「負担重量1キロあたり1馬身の差」と言われているように、その影響が激走に繋がっている一つの要因でもあろう。

 しかし、その事を踏まえた上でも、今年の活躍には目を見張るものがある。

 今年は先日の3日間開催終了時点で計97鞍に騎乗しているが、単勝回収率190%、複勝回収率132%と、いわゆる「ベタ買い」でも収支が大幅プラスと驚きの成績を残している。さらに騎乗した97頭のうち、単勝50倍以上が62頭おり、約3回に2回は大穴馬に乗っている計算だ。

 小林凌騎手の特徴として、特にダート戦を得意にしている点が挙げられる。先ほどの回収率もダートに限ると、単勝回収率362%、複勝回収率144%まで一気に跳ね上がる。まだ上位クラスのレースに騎乗する機会が少ないため、午前中の未勝利戦などで穴をあけるシーンがほとんどだが、それでも驚愕の数値だ。

 同期の岩田望騎手などの活躍が目立つばかりだが、馬券ファンにとって小林凌騎手の存在を覚えていてもきっと損はないはずだ。いつしか「令和の穴メーカー」と呼ばれる日も、そう遠くないかもしれない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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