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JRAリーディング首位・川田将雅との差は「10」…「鬼の居ぬ間」にプレッシャーをかけたい2位・岩田望来、最大の敵は父・岩田康誠!?

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岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I

 27日に中京競馬場で行われる高松宮記念(G1)。ここからJRAの春のG1戦線が幕を開ける。

 その裏で、この週末は海の向こうでも大きなお祭りが開催される。アラブ首長国連邦・ドバイで行われる競馬の祭典『ドバイワールドカップデー』だ。日本で馬券が発売されないレースも含めると、計8レースに合計22頭の日本馬が参戦するとあって、こちらも大きな注目を集めている。

 それだけの日本馬が海を渡るということは、日本のジョッキーもドバイへ乗り込んでいるということ。騎手リーディングトップの川田将雅騎手と3位のC.ルメール騎手をはじめ、坂井瑠星騎手や吉田豊騎手、そしてM.デムーロ騎手といった計5名がこの週末は日本を離れている。

 リーディングトップ3のうち2人が不在とあって、大きなチャンスを迎えているのが4年目の岩田望来騎手だ。

 今年はすでに37勝を挙げており、3月の時点で早くもルーキーイヤーの年間の勝ち星に並んだ。京都牝馬S(G3)で悲願の重賞初制覇を成し遂げた勢いそのままに、昨年のリーディングジョッキーであるルメール騎手を抑え、川田騎手とは10勝差の2位という好位置につけている。

 もちろん、騎乗数を見ると川田騎手が161回、ルメール騎手は137回に対して岩田望騎手は228回。勝率にすれば2人には敵わないが、その分数多く乗ることで白星を積み上げてきた。この週末も土日ともに9鞍、計18頭に騎乗予定。トップとの差をどれだけ詰めることができるか、注目が集まる。

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岩田康誠騎手

 そんな中、岩田望騎手にとって最も厄介な存在となりそうなのが、父・岩田康誠騎手である。

 先週は19日にデシエルトで若葉S(L)を勝利すると、20日にはビーアストニッシドでスプリングS(G2)も制覇。2日続けて皐月賞トライアルのメインレースを勝ち、レース後インタビューで炸裂した“岩田節”も大きな話題を呼んだ。

 岩田望騎手の37勝に対して、岩田康騎手の今年の勝ち星は17。その差は「20」あるとはいえ、数字に表れない“勝負強さ”に関しては現役屈指のものを誇る。

 例えば上述したスプリングSも、ゴール前は写真を見ても判断に迷うようなハナ差の決着。つかまえに来たアライバルとルメール騎手の追撃を最後までしのぎ切り、ギリギリのところで勝利をもぎ取った。

 また、先週の騎乗の中で最も勝負強さが発揮されたのが21日の中山6Rだ。

 芝1600mで行われた3歳1勝クラスの一戦で、サーマルウインドに騎乗した岩田康騎手は、川田騎手の1番人気・アスクコンナモンダとともに直線に向けて進出。ほぼ同じ位置から大外を回った川田騎手に対し、岩田康騎手はインの馬群へと突っ込むと、前で粘る馬に一瞬詰まりかけるような素振りも見せながら、最後はわずかなスペースから抜け出してクビ差先着。2着に終わった川田騎手に「今日は着差以上に勝った馬が強かったです」と言わしめる好騎乗だった。

 こういった騎乗が飛び出すあたり、岩田康騎手の好調ぶりを疑う余地はない。固め打ちを狙う岩田望騎手にとってはなるべく相手にしたくないところだが、この2人はともに土曜は阪神、日曜は中京で騎乗。“親子対決”は避けられない状況となっている。

 ただ、当の本人はリーディングの順位についてはあまり言及がなく、むしろ現在の位置には「怖い」という正直なコメントも。取材でも常に謙虚な姿勢が目立つ21歳だが、昨年は1着が88回に対して2着が110回、3着も102回と勝ち切れないイメージもあった中、今年は1着37回に対して2着が21回、3着は19回と徐々に勝負師としての才能を開花させつつある。

 5年連続リーディングのルメール騎手を止めるのは川田騎手か、それとも……? そんな夢を膨らませていくためには、両者が不在の今週が大きなチャンス。絶好調の父を超えて、飛躍の道を突き進む。

(文=木場七也)

<著者プロフィール>
29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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