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JRA 大阪杯(G1)“父兄参観”とナメてかかるのは危険!? 「今までで一番」G1初挑戦のキングオブコージ陣営から強気な声が連発

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横山典弘騎手

 4月3日、阪神競馬場の芝2000mで行われる大阪杯(G1)。昨年の年度代表馬・エフフォーリアに対し、破竹の5連勝中と勢いに乗るジャックドールが初G1に挑むという4歳馬2頭の“2強”ムードが漂っている。

 そんな中、6歳にして初のG1挑戦となるのがキングオブコージ(牡6歳、栗東・安田翔伍厩舎)である。

 初勝利を挙げるまでに5戦を消化し、2勝目を挙げるまでにも5戦を要した同馬。それでも、横山典弘騎手との初コンビで1勝クラスを突破すると、そこから3連勝の快進撃で一気にオープン入り。昇級初戦で挑んだ目黒記念(G2)も難なく突破し、4連勝で重賞ホースまで登り詰めた。

 ところが、2020年10月の京都大賞典(G2)で3着に入った後、ジャパンC(G1)を目指す中で右第1趾節種子骨の骨折が発覚。長期の離脱を強いられてしまう。

 復帰が叶ったのは約1年後の2021年9月のこと。オールカマー(G2)で9着、叩き2戦目の中日新聞杯(G3)でも5着と敗れたが、今年1月のアメリカジョッキークラブC(G2)でついに復活の勝利を成し遂げた。

 スタートで大きく出遅れ、最初のコーナーの時点ではとても勝負にならないと思われた位置取りの中、3コーナー過ぎあたりで大外を進出していくと、そのままぐるっと回って直線で先頭へ。着差は0秒2だったが、格の違いを見せつけるような完勝だった。

 あれから約2か月半ぶりとなる実戦は、キャリア18戦目にして初めてのG1挑戦。遅れてきた大器の登場も、各所で戦前の予想オッズを見てみると、前走G2勝ち馬とは思えぬ低評価が並んでいる。

 G1で一線級を相手にした経験がないことや、年齢的な部分によるところもあるのだろう。そしてもうひとつ、敬遠される要素として考えられるのが、「横山武史と一緒の横山典弘」という点ではないだろうか。

 エフフォーリアとコンビを組むのは横山武騎手。言わずと知れた横山典騎手の三男である。昨年の日本ダービー(G1)からまことしやかに囁かれたのが、「息子の晴れ舞台を特等席で見ようとしているのではないか……?」という疑惑だ。

 レッドジェネシスに騎乗した日本ダービーでは、スタートから大きく遅れると最後方を追走。その様子は1頭だけポツンと取り残されたようだった。また、直線では最内を突いてムチを入れながらも、目線は右前方の息子の背中を追っているようにも見えるシーンが確認できた。

 昨年10月の天皇賞・秋(G1)もそうだった。カイザーミノルで今度は逃げの手に出ると、直線の入り口までは先頭をキープ。ゴール板を目指して追い出していく中、後続が殺到した残り300m付近では右側をチラチラと確認するような首振りを確認することができる。視線の先には、グランアレグリアとエフフォーリアの叩き合い。エフフォーリアが完全に抜け出し、コントレイルの追撃も振り切って先頭で入線。ネットの掲示板やSNSなどでは、一部のファンから「また父兄参観か……」などという声も上がっていた。

「エフフォーリアが出走するレースのノリさんは不要」

 そんなイメージは想像以上にファンの間で定着しているのかもしれない。

 しかし、今回に限っては、それは危険な固定観念となる可能性もある。キングオブコージ陣営のトーンが非常に高いからだ。

 陣営から「状態はすごく良い」というお墨付きが飛び出せば、「体つきもしっかりしてきた。体調も良い」と6歳にして馬体の成長を実感する声も。初のG1挑戦にも、「楽しみの方が大きい」と色気のあるコメントが出ている。

 さらに管理する安田翔調教師は「精神状態が安定している。心強い」と、精神面の成長ぶりに舌を巻く。かつては調教の段階でもイライラしたり、ムキになったりする面があったというが、現状の落ち着きぶりは「今までで一番」とも。栗東のCWコースで6ハロン82秒5、ラスト1ハロンは11秒4という好時計も出ており、心身ともに充実ぶりが伺い知れる。

 今回ばかりは「父兄参観」ではなく勝負の一戦に……?キングオブコージと横山典騎手のタッグを軽視するのは禁物だろう。

(文=木場七也)

<著者プロフィール>
29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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