GJ > 競馬ニュース > パンサラッサG1勝利の裏でクラブが「致命的」な大失態!? 牧場から謝罪コメントも、事後対応は返金のみ?
NEW

JRAパンサラッサG1勝利の裏でクラブが「致命的」な大失態!? 牧場から謝罪コメントも、事後対応は返金のみ?

JRAパンサラッサG1勝利の裏でクラブが「致命的」な大失態!? 牧場から謝罪コメントも、事後対応は返金のみ?の画像1

 3月最終週、アラブ首長国連邦ドバイのメイダン競馬場では、ドバイワールドカップデーが開催され、日本からの出走馬は計5勝と大活躍の1日となった。

 5頭のうち、それぞれ逃げ切り勝ちを見事に決めたパンサラッサとバスラットレオンは、どちらも広尾レースの所有馬。一口馬主のクラブの一つとして人気があり、一口当たりの出資額は1万円以内の馬もいるなど、比較的リーズナブルなことでも知られている。

 所有馬の華々しい活躍でクラブの評判もうなぎ登りかと思いきや、その裏で驚きの事件が発生していた。

 レトロクラシックの20(父ドレフォン)として以前募集され、満口御礼でデビューを控えていた現2歳馬が、実は別の馬だったというのである。字面で見ると混乱してしまいそうだが、一体どういうことだろうか。

 3月末、広尾サラブレッド倶楽部は、会員向けページ内に同馬募集取り下げのお知らせを掲載。取り違えについて「発生時期は2020年、当該馬の離乳後の11月から12月にかけてであろうと推測されており、当倶楽部の募集馬としてラインアップされる以前より取り違えが生じていたことから、実際にはレトロクラシック’20と異なる馬の写真や映像を用いて募集を開始し、近況等もご紹介していたことが明らかとなりました」と述べている。
 
 これまで出資希望者が見ていた写真や映像は、最初から全てまったくの別馬だったということだ。何故このような事態になったのか、上記の文章と同時に、生産牧場の代表者である木村秀則氏によるお詫び文も掲載された。

 それによると、牧場側が「体型、骨格が成長・変化するこの時期に、特徴の酷似している2頭の馬にもかかわらず同色の頭絡を装着してしまったこと」「馬の判別を属人的なものだけに依拠し、客観的な判断(マイクロチップ判別、特徴との照合)をしなかったこと」などが取り違えの原因として挙げられている。

 誰にでもミスはあるとは言え、内容が馬の取り違えとなると、馬体や映像を見てその活躍を楽しみに出資した人はやり切れない気持ちだろう。広尾サラブレッド倶楽部の規約にも「馬の取り違えが発生した場合」の対応についてはそもそも想定されているはずもなく、記載はなかった。

 クラブからのお知らせには「一旦ファンドの取りやめ及び出資会員様への出資金等の返金を行うこととし」との記載はあるものの、それ以上の補償の言及は今のところなし。対応次第では、裁判外紛争解決手続の一つである「あっせん」を出資者が申し立てるなどの可能性もゼロではなさそうだ。

 木村秀則牧場生産の広尾レース所属馬は、先述のドバイターフ(G1)を勝ったパンサラッサ他、クレッシェンドラヴ、キングエルメスなどがいる。活躍馬が多いだけに、今後牧場とクラブの関係がどうなるのか含め、その動向は気になるところだ。

 今回の事件を受け、牧場側はマイクロチップによる確認を厳格化することを発表。他牧場やクラブ含め、馬の取り違えなどという事態はこれが最後のケースになることを望むばかりである。

(文=大井ふみ)

<著者プロフィール>
 競馬にハマって3、4年。周りの女性陣に布教活動を試みるもうまくいかず、おじさんの競馬仲間だけが増えていく。大井競馬場でビール片手にナイター観戦にいそしんでいたが、最近はそれすら叶わず自宅観戦の日々。

JRAパンサラッサG1勝利の裏でクラブが「致命的」な大失態!? 牧場から謝罪コメントも、事後対応は返金のみ?のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  2. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  3. JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
  4. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  5. エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
  6. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  7. 日本ダービー「30年ぶり」落馬の坂井瑠星に吉兆サイン!? ドゥラエレーデは宝塚記念(G1)を視野…ダービージョッキー予感させる偉大な先輩の足跡
  8. 東京競馬場に約20万人が殺到!? 朝6時からの大行列、怒号飛び交う陣取り合戦、そして…競馬が最も熱い時代、歴代最多入場者を記録した当時の記憶
  9. 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
  10. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?