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3日、阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)は、8番人気のポタジェ(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)が勝利。2015年の桜花賞(G1)で単勝1.6倍だったルージュバックは結局G1勝利とは縁がなかったが、弟が姉の無念を晴らした。
現役王者エフフォーリアと、5連勝中の新星ジャックドールとの2強対決と見られていた今年の大阪杯。だが終わってみれば、2強が共に馬券圏外に沈むまさかの結果。三連単は53万7590円の大波乱となった。
2017年のG1昇格以降、比較的平穏な決着が続いていた大阪杯。昨年はコントレイル、グランアレグリア、サリオスの3強が揃って敗れる波乱の結果だったが、それでも三連単は10万6210円。今年は、まさに歴史的波乱と言えるだろう。
勝ったポタジェと共に、そんな波乱劇の立役者となったのが、7番人気ながら3着に好走したアリーヴォ(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。
「大阪杯に騎乗馬がなく、今朝は桜花賞の1週前追い切りに騎乗して早々に仕事を仕舞いました」
先月30日、つまり水曜日の時点では、紛れもなく大阪杯の武豊騎手の騎乗馬はいなかった。本人も公式ホームページで「今週は土日とも阪神で騎乗する予定ですが、メーンがないこともあって中休みの感じ」と一抹の寂しさを綴っていることからも、まさか“緊急参戦”できるとは思ってもいなかったはずだ。
しかし、先週のドバイワールドカップデーから帰国したC.ルメール騎手が、コロナ感染症対策の注意義務を怠ったとして戒告処分。大阪杯が行われる3日まで待機命令が下ったため、騎乗予定だったアリーヴォの手綱が武豊騎手に回ってきた。
アリーヴォ陣営としても、思いがけない乗り替わりだったろうが、百戦錬磨の武豊騎手が空いていたことは不幸中の幸いか。三冠牝馬デアリングタクトを手掛ける杉山晴紀調教師も「レジェンドですからね。レースに対して何か言うつもりもない」と全権委任の構えだった。

そんな陣営の期待に一発回答して見せたのが、武豊騎手がレジェンドと称される所以だ。
ジャックドールが前半の1000m通過58.8秒で飛ばす中、中団内目でじっと我慢の競馬。特筆すべきは、勝負どころの3、4コーナーの進路取りだろう。大本命馬のエフフォーリアやアカイイトといった有力馬が、距離ロス承知で外から捲る選択をしたことに対して、内からスルスルとポジションを上げて行ったのがアリーヴォだった。
最後の直線で勝ち馬ポタジェの直後につけると、外から追い上げてきたヒシイグアスと馬体を併せてもう一伸び。最後はポタジェ、レイパパレとの叩き合いに持ち込んだものの、惜しくも3着だった。
「2連勝中と好調のアリーヴォですがレース後、杉山調教師が『びっくりしました。状態がよかったのは確かですが、勝ってたのが小倉のローカル』と語った通り、前走の小倉大賞典(G3)が重賞初制覇と、このメンバーでは7番人気とやや格下の感は否めませんでした。
そういった馬が上位に食い込むには得てして、展開の助けやジョッキーのファインプレーが必要です。その点、アリーヴォの全5勝が小倉という戦績が示す通り、この馬の強みは小回りでも融通が利く器用さ。3、4コーナーで内から上手くポジションを上げたのは、この馬の長所を最大限活かした武豊騎手の好騎乗だったと思います。どう乗るのか楽しみにしていたのですが『さすが』の一言でした」(競馬記者)
これにはレース後、ネット上の競馬ファンもSNSや掲示板などで「さすがレジェンド」「勝つかと思って、びっくりした」「これは神騎乗認定」「やっぱハンパねえ」など、武豊騎手の騎乗を絶賛。中には「ルメールだったら、この結果はなかったかも」「武さんに乗り替わったのがよかった」など、今年まだJRAで重賞を勝てていないルメール騎手以上の騎乗という声もあった。
「やったと思ったけどね……。直線に向いても手応えがあったし、一瞬『勝てる』と思ったけど(最後は)一緒の脚色になった。このメンバーでも十分やれる馬ですよ」
 レース後、そう相棒を称えた武豊騎手。最終追い切りではルメール騎手が騎乗しており、ほぼぶっつけ本番のピンチヒッターとなったが「120点の競馬」と言えるのではないだろうか。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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