JRA横山典弘&福永祐一を超えて武豊に続く「歴代2位」の大ジョッキーに!? 「3100じゃなくて……」仲間の“イジリ”に池添謙一もタジタジ
2日、阪神競馬場で行われたコーラルS(L)は、4番人気のスマートダンディー(牡8歳、栗東・石橋守厩舎)が勝利。先月の千葉S(OP)に続く2連勝となった。
4番人気が勝利したものの、三連単は235万馬券という大波乱に終わったコーラルS。波乱の主役は単勝121.9倍の最低人気メイショウアリソンを2着に導いた池添謙一騎手だ。
16頭立てで行われたダート1400mのレース。最後の直線で掲示板(5着以内)確保のために必死に食い下がっていたメイショウアリソンだが、残り200mを切ったところで後ろから伸びてきた勝ち馬と馬体を併せると、闘志に火が付いた。
2頭の追い比べはゴールまで続き、最後はさすがに勝ち馬の勢いに屈したもののクビ差2着は次につながる内容。一昨年の2月に3勝クラスを卒業してから約2年間勝利から遠ざかっているが、かつての主戦騎手とコンビを復活させ、大波乱の立役者となった。
そんな池添騎手だが、この日は嬉しいことがあった。5Rを勝利したことでJRA通算1300勝の節目を迎えたのだ。
レース後に記録達成のセレモニーが行われ、壇上に上がった池添騎手だが、そこでちょっとしたハプニングが待っていた。通算勝利を掲げるプレートには、本来であれば「1300勝」という数字が表示されているはずだが、何があったのか「3100勝」となっていたのだ。
「どうやらジョッキー仲間たちが、わざと『1』と『3』の位置を入れ替えたようですね(笑)。現場では笑いが起きていました。こういったイジリや、15人くらいでしょうか、セレモニーにはたくさんのジョッキーがズラッと並んでいたことも池添騎手の人望の厚さがうかがえますね。終始楽しそうでしたよ」(競馬記者)
これには池添騎手も「3100じゃなくて、1300なんですけど」とタジタジといった様子。仮にJRA通算3100勝だとすれば、2877勝の横山典弘騎手や2540勝の福永祐一騎手といった大先輩を抜いて歴代2位という大記録になる。その上にいるのは、もちろん前人未到の領域を進み続けるレジェンド武豊騎手(4339勝、いずれも4月1日現在)だけだ。
「自分でも凄い数字だと思いますし、関係者に感謝しています」
その後、数字を正しく入れ替えてもらったプレートを見て、改めて感謝を示した池添騎手。区切りの勝利を達成し、メインレースでは大波乱の主役にもなった勝負師が、翌日の大阪杯(G1)ではヒシイグアスとの初コンビで挑む。
「G1は去年獲れなかった。今年は必ず獲るので応援してください」
多くのファンに「代打の神様」と慕われている池添騎手だが、昨年は残念ながらG1未勝利に終わった。逆襲の2022年へ、まずは得意の代打で挑むヒシイグアスの激走に期待したい。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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