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JRA川田将雅「制裁連発」に焦りの影!? フェアプレーに定評もまるで別人、トップジョッキーに異例の事態

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川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 昨年の全国騎手リーディング上位4人の内、福永祐一騎手、松山弘平騎手が落馬負傷、C.ルメール騎手は海外遠征帰りの2度とも新型コロナウイルス関係で、復帰初週に国内で騎乗出来なくなるなど、相次ぐアクシデントに見舞われている。

 そんな中、今年のリーディング争いで独走状態となっているのが昨年2位の川田将雅騎手だ。

 2日土曜は阪神競馬場で6レースに騎乗。その内5レースが1番人気、もう1レースが僅差の2番人気の馬に騎乗と相変わらずの人気ぶり。強力なラインナップで固め打ちすると思われた。

 ところが、終わってみればまさかの6戦1勝止まり。最終レースのアジャストザルートで何とか勝利を収めるも、この日は川田騎手にとって冴えない一日となってしまった。

 悪夢の始まりは阪神2Rの未勝利戦。単勝1.2倍と圧倒的な支持を得たロードマゼランに騎乗するも、レースでは前を行く勝ち馬に直線で突き放されまさかの2着に敗れてしまう。続く阪神5Rでも単勝1番人気のビートエモーションに騎乗。しかし、出走馬13頭中最下位と屈辱の大敗を喫してしまった。

 そしてこの日3レース目となった阪神9Rアザレア賞(1勝クラス)では、金子真人オーナー所有の3歳馬アーティットに騎乗。同馬は2億4千万円で購入された世界的良血馬で、ダービー出走には絶対に落とせない一戦だった。

 ところが、レースは8頭立てと小頭数ながら直線で馬群に包まれて抜け出すスペースがなく、最後は強引に他馬を押しのけて外に出すも時すでに遅く、単勝1.6倍の圧倒的人気ながら結果はまさかの4着。この敗戦でダービー出走も絶望的となってしまった。

 このレースで川田騎手は、「十分な間隔がないのに先行馬を追い抜いた」として過怠金5万円の制裁を科されている。同騎手は、年間を通して制裁点数の少ない騎手に贈られるフェアプレー賞を5度受賞している。また、フェアプレー賞のさらに上位の位置付けとなる、特別模範騎手賞も2016年に獲得しており、毎年多くの勝ち星を挙げながらも、その騎乗スタイルは非常にクリーンである事が知られている。

 ところが同レースでは、午前中から1.2倍をはじめ2レース連続で1番人気馬で敗れた焦りがあったか。或いはアーティットがダービーを目指す上で負けられない一戦というプレッシャーか、珍しくダーティーな騎乗に走ってしまった。

 しかし、その後も10Rでは1番人気、11Rでは2番人気馬に騎乗するも共に馬券圏外に沈む。最終Rでやっと勝利を挙げるが、そのレースでも最後の直線で内側に斜行したとして過怠金1万円の制裁を受けてしまった。川田騎手が一日に複数の制裁を受けるのは極めて異例の事。これだけ人気馬に騎乗しながら未勝利では終われないという焦りが、普段は冷静な川田騎手らしからぬラフプレーに繋がってしまったのかも知れない。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

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