JRA「遅れて来た大物」が無念の戦線離脱! 近年注目のローテがまさかの裏目、陣営が下した「苦渋の決断」に乗り替わり待望論が再燃
3月の毎日杯(G3)を1番人気で3着に敗れたドゥラドーレス(牡3、美浦・宮田敬介厩舎)は、春のクラシック戦線には向かわず、秋の大舞台を目指すことが分かった。
新馬、セントポーリア賞(1勝クラス)を続けて圧勝し、一躍クラシック候補に名を連ねることになった「遅れて来た超大物」の戦線離脱は実に残念である。
能力の高さを再確認した陣営はクラシックを意識。皐月賞(G1)への参戦にも注目が集まったが、陣営が選択したのは毎日杯(G3)から日本ダービー(G1)を視野に入れたローテーション。昨年はこのステップからシャフリヤールがダービー馬となり、ドゥラドーレスを管理する宮田厩舎もグレートマジシャン(2着→4着)を送り出していた。
陣営としては、最低でも2着に入って賞金加算が望まれていたものの、ロスの大きい競馬でよもやの3着に敗退。ダービー出走にはトライアルで権利を取って参戦する必要があった。
その一方で、京都新聞杯(G2)に出走する場合は再度の輸送、青葉賞(G2)やプリンシパルS(L)からダービー馬が誕生していないジンクスなど、いずれの選択肢も茨の道ともいわれていた。
東京の2戦で演じた圧勝劇には、類まれな潜在能力の高さを感じただけに、ダービーでその姿を見られないのは非常に惜しい。陣営も苦渋の決断だったに違いない。立て直しの理由として「放牧で体重が減っていた」というからには、体質的な弱さも無関係ではないのだろう。
「セントポーリア賞が1月末ですから、皐月賞トライアルへの出走もまだ間に合うタイミング。それでもあえて2か月後の毎日杯に使ったことは、間隔を詰めて使えない理由もあったのでしょう。
ただでさえ、そういう事情があったなら本番までにもう一戦挟めるだけの余裕がなかったということにもなります。能力の高さは間違いない素質馬ですから、将来のことを考えると無理はしたくないという結論だと思います」(競馬記者)
しかし、春のクラシックはサラブレッドにとって一生に一度きりの大舞台。毎日杯で結果を残せなかったことは痛恨だった。
そこで再燃したのが戸崎圭太騎手の騎乗内容に対するファンのやりきれない想いだ。1枠1番からのスタートだったこともあり、戸崎騎手は控える競馬を選択したものの、馬群がばらけなかった影響で追い出しが遅れた。
最後の直線でもスムーズな進路を取れないまま、脚を余すような格好で3着になり、本人からも「申し訳ありませんでした」と謝罪のコメントが出されたほどだった。
秋まで休養の報せを知ったファンからは、ネットの掲示板やSNSなどで「戸崎じゃなかったらなあ」「将来を左右する騎乗ミス」「復帰するときは違う騎手で」といった厳しい声も見られた。
ただ、まだ3歳春の段階でもあり、ここで無理をして故障のリスクを負うよりも成長を促す選択も無意味ではないはず。秋にまたドゥラドーレスが元気な姿を見せてくれることに期待したい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも「鞍上未定」の怪…レース当週C.ルメール復帰予定、何かしらのサプライズも?
- 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
- 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
- 大躍進の「若手騎手」が日本ダービー初騎乗へ!「因縁」川田将雅ジャンタルマンタルはNHKマイルCへ…武豊シュガークンに迫る末脚で優先権獲得
- 「シャンパンカラーが勝つよ」昨年のNHKマイルCで9番人気の激走を見抜いた“凄腕”が指定したのは、ジャンタルマンタルでもアスコリピチェーノでもないまさかの激走穴馬
- 福永祐一調教師「ジョッキーもうまく乗ってくれた」今村聖奈との初白星含む4戦3勝固め打ち!「号泣」から四半世紀…苦楽を共にした牝馬の孫で勝利
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 天皇賞・春(G1)テーオーロイヤルだけじゃない! 皐月賞「大逃げ」メイショウタバル、高松宮記念1番人気ルガルなど「個性派の宝庫」三嶋牧場がスゴイ
- 【NHKマイルC】武豊「幸四郎がレース前に水をまいた」弟のG1制覇に手荒い祝福!? 引退後も伝統神事で史上初の平地G1馬として登場したウインクリューガーの記憶
関連記事
JRA「申し訳ございませんでした」2年目新人ジョッキー、約1年ぶりの特別戦1番人気も不可解敗戦で44戦0勝…大物ドゥラドーレスと「同配合」の期待馬がまさかのブービー負け
JRA戸崎圭太「申し訳ありません」大器ドゥラドーレス「ドン詰まり」で日本ダービー(G1)プラン崩壊……残された「3つの選択肢」は、すべていばらの道
JRA戸崎圭太「どうにかならなかったのか」「悔しい情けない」引きずらないタイプの名手でさえ悔やんだ大一番、毎日杯(G3)ドゥラドーレスに懸けるダービーの夢
JRA 今年のダービー馬も皐月賞(G1)ではなく裏街道から!? ノーザンファームお気に入り「ダービー予行演習」のG3が超豪華メンバー
JRA武豊ドウデュースに期待したい「トライアル不要論」への反証!ライバルは続々皐月賞(G1)直行を表明、遅れて来た大物もダービー以外興味なし?