JRA【中山GJ(G1)展望】オジュウチョウサン有力馬続々「回避」でV6に急浮上!? 三度目の正直ケンホファヴァルト、世代交代狙う“若駒”にも注目
皐月賞(G1)の前日、16日には中山競馬場で中山グランドジャンプ(G1)が行われる。やはりファンの注目は障害G1・8勝のあの馬だろう。
2016年から20年まで当レースで前人未踏の5連覇を達成したオジュウチョウサン(牡11歳、美浦・和田正一郎厩舎)が、2年ぶりのVをもくろむ。
一時は向かうところ敵なし状態だったオジュウチョウサンだが、年齢による衰えには勝てず。障害重賞連勝が「13」で止まった20年秋の京都ジャンプS(G3)以降は5戦1勝とかつての姿はもうない。
それでも2走前の中山大障害(G1)では、早めに先頭に立つ積極的な競馬で快勝。レース史上最高齢となる10歳で王者に返り咲いた。
11歳を迎えた今年も現役を続行し、前哨戦の阪神スプリングJ(G2)は、エイシンクリックから0秒3差の3着に敗れた。それでも1頭だけ2kg重い62kgを背負ってのものなら、度外視していいだろう。
ここの1、2着馬エイシンクリックとレオビヨンドが出走しないことは、オジュウチョウサンには追い風となりそうだ。叩き2戦目で1番人気は確実。想定メンバーの中で先着を許したのは1頭だけなら、ここは優勝に最も近い存在といえる。昨年はメイショウダッサイから2秒5差の5着に敗れたが、今年は再び王者の走りを見せてくれるだろう。
オジュウチョウサンに先着した経験を持つのがケンホファヴァルト(牡9歳、栗東・森秀行厩舎)だ。
長らく平地3勝クラスを走っていたが、2年前の夏、7歳の時に障害に転向。初戦こそ8着に敗れたが、その後は8戦連続で3着以内をキープしている。
G1初挑戦となった20年12月の中山大障害では、いきなりメイショウダッサイの2着に好走。21年春の中山GJでもメイショウダッサイの後塵を拝したが、ここでも2着。G1制覇にあと一歩というところまで来ている。
昨秋は京都ジャンプS(G3)でタガノエスプレッソを完封し、中山大障害制覇も見えたが、左後管部裂創を発症し、無念の休養に入っていた。
前哨戦は使わず、ぶっつけ本番となるが、その前走も7か月ぶりの実戦で勝利している。昨年の当レースではオジュウチョウサンに1秒8差をつけており、80~90%以上の出来なら勝機は十分あるだろう。主戦の熊沢重文騎手が落馬負傷で休養中のため、今回は森一馬騎手が代打を務める。メイショウダッサイで制した昨年に続く連覇はなるか。
オジュウチョウサンとケンホファヴァルトの間に割って入るとすれば、ディープインパクト産駒のブラゾンダムール(牡7歳、栗東・松永幹夫厩舎)だろう。
障害転向後は9戦1勝という成績だが、2走前の中山大障害では10番人気ながら2着に好走。オジュウチョウサンには3馬身離されたが、3着レオビヨンドには5馬身差をつけた。
前走のペガサスジャンプS(OP)は1番人気に推されたが、逃げたビレッジイーグルを捉えきれずクビ差負け。「+14kg」の過去最高馬体重で太目残りもあったかもしれない。ひと叩きされた効果で、大きく変わり身を見せれば、一気に頂に立つ可能性もあるだろう。障害界では“若駒”の部類に入る7歳馬が世代交代を狙う。
ペガサスジャンプSでブラゾンダムールを競り落としたビレッジイーグル(牡5歳、美浦・竹内正洋厩舎)は、さらに2歳も若い障害界の新星候補だ。
飛越能力の評価は高く、昨年暮れの中山大障害では5着に健闘。年齢的な伸びしろは一番期待できそう。前走勝利の勢いでいきなりの戴冠はあるか。
近4走は、オープンクラスで1、2、1、4着と安定しているマイネルレオーネ(牡10歳、栗東・清水久詞厩舎)は、障害G1に初挑戦。前走時の馬体重は412kgという小柄な馬体の持ち主だが、自慢の勝負根性を発揮したい。
20年12月に障害転向後は、9戦すべて4着以内と堅実なマイサンシャイン(牡6歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)は、初重賞が初G1の大舞台。僚馬タガノエスプレッソに代わって大駆けを狙う。
オジュウチョウサンが6度目Vを飾るのか。ケンホファヴァルトが三度目の正直でG1制覇を果たすのか。それとも“若駒”が世代交代を遂げるのか。注目される春の障害王決定戦は、16日15時40分発走予定だ。
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