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JRA「遅れて来た超大物」が二度目のオジュウチョウサン撃破! 騎手は「化け物」調教師も「正直まだ6割」の衝撃……初対決はあのレース

JRA「遅れて来た超大物」の同期はアルアイン、レイデオロ、キセキ…… 絶対王者撃破に騎手は「化け物」調教師も「正直まだ6割」の衝撃の画像1

 もしかするととてつもない超大物が誕生する可能性がある。

 12日、阪神競馬場で行われた8Rの阪神スプリングJ(J・G2)を勝ったのは、西谷誠騎手のエイシンクリック(牡8、栗東・坂口智康厩舎)だ。

 このレースは障害競走でG1・8冠を誇る絶対王者オジュウヨウサンの始動戦。屈腱炎による1年の休養を挟んで復帰したエイシンクリックが5番人気だったのも無理はない。

 単勝1.7倍の断然人気に推された王者は敗れたとはいえ、3連敗で2番人気に評価を落とした昨年暮れの中山大障害(J・G1)で貫録を見せつける勝利を飾った。他馬より2キロ重い斤量で3着なら、そう悲観するほどでもないようにも感じられる。エイシンクリックが勝ったというよりも、オジュウチョウサンが負けたレースという見方も多いはずだ。

 ただ、今回の敗戦に関してはそう楽観できるものではないことも確か。

 なぜならエイシンクリックの関係者から、ファンの度肝を抜くようなコメントが出ていたからに他ならない。

 オジュウチョウサンの石神深一騎手から「今日は勝った馬を褒めるべき」「この馬も大きな失敗はありませんでした」と完敗を認めるかのような発言も出れば、鞍上の西谷騎手は「相変わらず化け物」、管理する坂口調教師も「正直、6~7割ぐらいの仕上がり」と、驚きの言葉が続出しているのだ。

 昨年1月小倉で障害への転向5戦目にして初勝利を大差で飾ったときから、エイシンクリックの覚醒は始まっていたのだろう。

 2着馬に2秒7もの差をつけ、次走の障害オープンでも10馬身差の大楽勝を経て、今回のオジュウチョウサン撃破。すでに11歳の老兵相手にまだまだ “フレッシュ” な8歳馬の伸びしろは、十分なアドバンテージとなるに違いない。

 また、平地の競走でもエイシンクリック優勢だったことにも注目したい。

 当時、障害で無敵の快進撃を続けていたオジュウチョウサンが2019年のステイヤーズS(G2)を6着に敗れた際、同レースで3着に入っていたのがエイシンクリックである。

 JRAの平地競走で最長距離となる伝統のマラソンレースでスタミナを証明していることは、4000m超の距離も珍しくない障害競走において絶対的な武器であり、一流ジャンパーとして活躍可能なだけのポテンシャルを持っている裏付けとなるのではないか。

「母父キャロルハウスに母エイシンサンなんてオールドファンには懐かしい名前ですよね。97年のエリザベス女王杯(G1)で3着(8番人気)でした。娘のエイシンリターンズも桜花賞(G1)で3着(11番人気)と穴を出す血統です。

もしこのまま障害で連勝するようなら、オジュウチョウサンみたいに出戻りで平地競走に使ってみても面白そうな気もします。陣営がとにかく無事でいってくれることを願っていたように、懸念されるのは脚元の状態だけでしょう」(競馬記者)

 2014年生まれの同期にアルアイン、レイデオロ、キセキやスワーヴリチャードらがいるエイシンクリック。17年のクラシックを賑わせた彼らはターフを去ったものの、遅咲きの新障害王者候補がピークを迎えるのはこれからかもしれない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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