JRA春G1で3連勝中の「トレンド」に該当! 皐月賞馬輩出の中山巧者一族、エフフォーリアと同じ父を持つ絶好の「穴候補」はこれ
先週の桜花賞(G1)は、川田将雅騎手の7番人気スターズオンアースが優勝。武豊騎手が騎乗したウォーターナビレラとの接戦をハナ差制して、見事に桜の女王に輝いた。
生産牧場の社台ファーム代表・吉田照哉氏は「リプレーを見て、勝っていると思いました。今年の3歳は調子が上がっていますね」とコメント。G1制覇は2018年のフェブラリーS(G1)以来だけに、喜びもひとしおのようだった。
その社台ファームの生産馬は、17日に中山競馬場で行われる皐月賞(G1)に、弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝ったアスクビクターモアを始め、オニャンコポン、サトノヘリオス、ボーンディスウェイの4頭出しを予定している。
2週連続のG1勝ちも十分に狙えるラインナップで注目したいのが、トライアルのスプリングS(G2)3着から本番へと臨むサトノヘリオス(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
同馬は、サトノダイヤモンドやサトノクラウンなど多くの活躍馬を所有する里見治オーナーが、関西の名門・友道厩舎と初めてタッグを結成したということで、デビュー前から注目を集めた。
昨年8月の新馬戦は1番人気に支持されたが、スタートで4馬身近く出遅れると、道中も折り合いを欠くなど随所に幼いところを見せ、勝ち馬のイクイノックスから9馬身離れた4着に敗退した。
だが、その後は芝2000mの未勝利戦とエリカ賞(1勝クラス)を共にレコード勝ちするなど本領を発揮。暮れのホープフルS(G1)では見せ場なく13着に敗れたが、レコード勝ちから中1週の強行軍は、2歳の若駒にはさすがに厳しかったか。
約3ヶ月の休養を経て出走したスプリングSでは、前に行ったビーアストニッシドとアライバルのワンツー決着となった中、中団追走から上がり最速タイの末脚を繰り出して3着に入り、本番への優先出走権をもぎ取っている。
「皐月賞でも手綱を執る予定の岩田望来騎手はレース後、『この内容なら本番も楽しみです』と、好感触を口にしていました。2000mで実績を挙げている馬なので、距離が1ハロン延長されるのもプラスだと思います」(競馬誌ライター)
そんなサトノヘリオスだが、『netkeiba.com』の予想オッズでは単勝予想オッズで約60倍の10番人気とかなりの低評価だ。一方、初戦で対戦したイクイノックスは3番人気である。1秒5の大差をつけられた相手だけに、差が出るのも仕方ないところか。
だが、逆転の目が無いわけでもない。
サトノヘリオスの祖母エアデジャヴーは、中山芝1800mで開催されたクイーンS(G3)の優勝馬。そしてその弟は、2000年の皐月賞を制覇したエアシャカールだ。また、近親にもAJCC(G2)の勝ち馬で、有馬記念(G1)でも3着2回のエアシェイディなどがいる。
つまり、サトノヘリオスは典型的な中山巧者の一族である。さらに、父は昨年の皐月賞を勝ったエフフォーリアと同じエピファネイアだ。右回り自体が初となるイクイノックスを逆転するどころか、皐月賞でも好走できる下地は十分に揃っている。
さらに、今春のG1シリーズで密かに流行っている「あるトレンド」も、サトノヘリオスを後押ししそうだ。
高松宮記念(G1)から始まった春G1は、ここまでナランフレグ、ポタジェ、スターズオンアースが優勝。これらの馬は、初の重賞制覇がG1になったことでも話題を集めた。さらに、騎乗していたのはそれぞれ丸田恭介騎手、吉田隼人騎手、川田将雅騎手である。
つまり、今春のG1は名字に「田」のつく騎手が乗る重賞未勝利馬が3連勝中なのである。
「上記の馬たちは勝利こそなかったものの、重賞で3着以内に入った経験がありました。
皐月賞に出走を予定している馬の中で、このトレンドに当てはまるのは、ラーグルフ、ダンテスヴュー、サトノヘリオスの3頭です。前の2頭に騎乗を予定している丸田騎手と吉田隼騎手は既にG1を勝ちましたので、次は岩田望騎手の番だ、という考え方もできるかもしれません」(同)
昨秋のG1戦線では、タイトルホルダーやアカイトリノムスメなど、馬名に「イト」を持つ馬がサイン的な要素として密かな注目を集めた。だが、エリザベス女王杯(G1)でアカイイトが勝ち、大勢に知れ渡ったところで打ち止めとなっている。
今春のトレンドも、狙うなら今のうちかもしれない。サトノヘリオスの激走に期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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