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JRA皐月賞(G1)2戦2勝ダノンベルーガは「危険」な人気馬!? ワグネリアンとワンアンドオンリー、後のダービー馬2頭も屈した2つの「最悪データ」とは…?

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 17日、中山競馬場では牡馬クラシック1冠目、皐月賞(G1)が行われる。今年の皐月賞は近年では類を見ない混戦模様。それに加えて、出走メンバー間のこれまでの直接対決が少なく、実力差を計ることが難しい。どの馬が上位に食い込んでもおかしくない、このような状況であれば「人気馬の取捨選択」が予想においては重要なポイントになる。

 そこで今回、「危険な人気馬」候補として注意したいのがダノンベルーガ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 

皐月賞「4強」ダノンベルーガに足りないものとは

 

 前走の共同通信杯(G3)では、札幌2歳S(G3)を制したジオグリフ、後にスプリングS(G2)を制したビーアストニッシドといった重賞級の馬を相手に余裕の差し切り勝ち。2戦2勝で一躍クラシックの有力候補に浮上したニュースターだが、実は皐月賞に関する2つの「最悪データ」に該当してしまっている。

 皐月賞までに11頭立て以下の「少頭数」のレースの経験しかない馬の成績は、過去10年で(0-0-0-7)と全滅。この中にはワグネリアン(18年・1番人気7着)、スワーヴリチャード(17年・2番人気6着)、トーセンスターダム(14年・3番人気11着)といった人気馬も含まれている。

 少頭数のレース、特に2・3歳の場合は極端なスローペースになりやすいが、一方で皐月賞はG1らしい厳しい流れになることが多い。この「ペースへの戸惑い」が多頭数の経験が無い人気馬が苦戦する主な要因だろう。

 ダノンベルーガは新馬戦が8頭立て、共同通信杯が11頭立てでこのデータに該当。さらにこの2レース共にかなりのスローペースであった。それに加えてダノンベルーガは馬群に揉まれた経験がなく、18頭立ての1枠1番に入ったことで思わぬ脆さを見せる可能性もある。多頭数レースでの経験不足が露呈し、力を発揮できないケースは十分に考えられる。

 これに加えて、ハーツクライ産駒は過去10年で(0-1-0-13)と不振。好走したのは2年前のサリオスのみである。こちらも人気馬が多く含まれており、1つ目のデータにも該当したスワーヴリチャードの他に、ワンアンドオンリー(14年・4番人気4着)やヴィクティファルス(21年・4番人気9着)が該当していた。ダノンベルーガにとっては、こちらも厳しいデータと言える。

 ワグネリアンとワンアンドオンリー、後にダービーを制した2頭も屈した2つの「最悪データ」。奇しくもその両者に該当してしまったダノンベルーガは「危険な人気馬」と言わざるを得ないだろう。

 果たしてダノンベルーガは、かつての名馬たちを苦しめたデータに屈するのか、それを撥ね退けてクラシックホースの称号を掴むのか。その走りに注目したい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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