JRA「エア軍団」が米クラシック挑戦!? エアグルーヴ、エアシャカール、エアジハードらを誇る名門がケンタッキーオークス(G1)有力候補に

24日のマイラーズC(G2)で有力視されているエアファンディタ(牡5歳、栗東・池添学厩舎)は、その名が示す通りの“エア軍団”の所属だ。ラッキーフィールドが所有するマル外馬である。
かつて年度代表馬にも輝いたエアグルーヴ、二冠馬のエアシャカール、統一マイラーのエアジハードなど90年代の競馬界で一世を風靡したエア軍団。だが、近年はエアファンディタの兄エアアルマス(東海S)の活躍もあって、外国産馬での健闘が目立っている。
例えば21日、米国で行われたOBSスプリングセールで、中内田充正調教師が高額馬を次々落札したことが現地でも話題になっているように「マル外」といえば、基本的には海外のセールで取引され、日本で走る馬のことを言う。
しかし、このエアファンディタ、エアアルマスの兄弟の生産者は「Sekie Yoshihara & Tsunebumi Yoshihara」。つまり、この2頭はラッキーフィールドの吉原毎文・世紀恵夫妻が海外で自家生産した馬になる。
何故こういった話をするのかというと、実は今年の米国クラシックで夫妻が生産した馬が有力馬の1頭に挙げられているからだ。
米国クラシックに挑戦する異色の”エア馬”
その馬の名はユウギリ。今年の米国クラシックというと、日本のクラウンプライドが挑戦するケンタッキーダービー(G1)がJRAの馬券発売も決まった影響で大きく注目されているが、ユウギリが挑むのは牝馬クラシックの開幕戦ケンタッキーオークス(G1)だ。
「今年4月の米ファンタジーS(G3、ダート1700m)で重賞初制覇を飾ったことで、ケンタッキーオークスでも有力視されているユウギリですが、他にも重賞で2着、3着があるなど安定感が光る存在です。
こちらも吉原夫妻が生産された馬ですが、兄エアアサンテは、エアファンディタ、エアアルマスの兄弟のように日本に送られて堀宣行厩舎でデビューしました。ただ、妹ユウギリの方は米国で走ってるようですね。
日本馬ではありませんが、日本にゆかりのある馬が米国のクラシックに挑戦することは珍しいだけに、注目したい馬ですね」(競馬記者)
だが、ユウギリが挑戦する今年のケンタッキーオークスは、近年稀に見るハイレベルな1戦になりそうだ。
中心は昨年、エクリプス賞2歳牝馬チャンピオンを受賞したエコーズールーだ。
ここまで5戦5勝の無敗でありながら、昨秋の米ブリーダーズCジュベナイルフィリーズ(G1)を含むG1・3勝と、その“中身”も超一流。それもデビュー4連勝の合計着差は約22馬身と、まさに絶対的な存在だ。
しかし、年明け初戦となった前走のフェアグラウンズオークス(G2)では、勝つには勝ったが2着馬にハナ差まで追い詰められた。米国には3歳春でピークアウトしてしまう“超”早熟馬も珍しくなく、ケンタッキーオークスの主役の座も危うくなっている印象だ。
その一方、3連勝で2歳女王に肉薄してきたのがネストだ。
ドゥモアゼルS(G2)を勝ったもののクビ差の辛勝と、2歳時はそこまで目立った存在ではなかった。しかし、年明け初戦のリステッド競走を6馬身差で圧勝すると、前走のアシュランドS(G1)では8馬身1/4差という圧巻の内容でG1初制覇を飾っている。
ケンタッキーオークスの下馬評でも、エコーズールーと並ぶ「2強」と評されており、一騎打ちムードも漂っているようだ。
ユウギリの評価はこの2頭の1つ下のグループになるが、クラシック初戦だけに初対戦の馬も多い。勝負が下駄を履くまで分からないことは、今年の桜花賞(G1)や皐月賞(G1)の結果を見れば明らかだ。
なおレースは、『グリーンチャンネル』の方で、ケンタッキーダービー中継時に録画放映されるそうだ。1競馬ファンとして日本のクラウンプライドと合わせて「エア・ユウギリ」を応援したい。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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