JRA武豊×蛯名正義で逆襲必至!? レジェンド藤沢和雄厩舎引継ぎも「1番人気全敗」で未だ0勝……
2月に「競馬界の生ける伝説」であった藤沢和雄調教師が引退し、厩舎は解散となった。旧藤沢厩舎の人と馬の多くは、そのまま元騎手で新規開業する蛯名正義調教師へ引き継がれることになった。
新規開業した蛯名正厩舎にはレイデオロの津曲大祐助手、グランアレグリアの大江原勝助手など錚々たるメンバーが揃い、「銀河系厩舎」とも言える豪華な陣容でスタートすることとなった。
蛯名正師は、開業する際に「今のところは余計なことをするつもりはない。せいぜい塩を振るとか、しょうゆをかけるとか、最後の味付けくらいで十分でしょう」と『東スポ競馬』のコラムで語り、無理な路線変更はしないことを明言していた。なので、「最強厩舎」であった藤沢厩舎の力は、そのまま引き継がれるかに思われた。
しかし、蛯名正厩舎は勝てていない。
蛯名正厩舎は開業以来11戦して現在未勝利と苦戦中だ。厩舎の馬は有力揃いなので人気にもなるが、3度の1番人気も全敗している。1番人気で4着、13着、9着では好内容ともいえない結果だ。有力馬の多くは藤沢厩舎の主戦だったC.ルメール騎手にそのまま依頼してきたが、それでも勝てていない。
『競馬の天才』(メディアボーイ)によると「元来の頑固者で、誰とでも喧嘩してきたエビショーが、藤沢和雄に仕えてきた癖のある腕っこきたちを、どう使いこなすのかな」(美浦のベテラン助手)という意見も掲載されており、蛯名正師の調教師としての適性は未知数だ。
最近の『東スポ競馬』のコラムでは「まだ勝ち星を挙げられていないから焦ってるんじゃないかって?」と蛯名正師も気にしている様子。しかし、「今月末の東京開催から続々と復帰させる予定です」「なかなか勝てなくても心配しないでくださいね」と今週から始まる東京開催で巻き返しを誓っている。
そこで蛯名正師は頼りになる切り札に頼ることにしたようだ。騎手同期のレジェンド武豊騎手に騎乗依頼をしたのだ。
蛯名正師と武騎手は、「エビちゃん」「ユタちゃん」と呼び合い、競馬学校時代は寝泊まりも同じ部屋で、夜中に一緒に脱走してラーメンを食べて走って帰った仲だそうだ。若い頃からの付き合いで、騎手時代は東西を代表するジョッキーとして何度も大レースでしのぎを削った。お互いを信頼していて、プライベートで話すことも多いという。
ウイニング競馬の対談動画でも武騎手は「夢のような話だが海外のレースに一緒に挑めたらいい、そのために頑張らなきゃ駄目ですよ」と言ってお互いを鼓舞。蛯名正師も「(武騎手が)ずっと俺を乗せろと、ずっと言ってますから」と笑顔で話していたが、今週ついに「レジェンドコンビ」が実現することとなる。
今後「レジェンドコンビ」で巻き返しなるかは見物であるが、現在窮地に陥っている蛯名正厩舎の盛り返しに向けて、競馬界を代表するレジェンド武騎手も全力でサポートするのは間違いない。
ちなみに蛯名正師の騎手時代の初勝利は「ダイナ」パッションでのもの。武騎手の初勝利は「ダイナ」ビショップ。馬主は違えど同じ「ダイナ」の名前を持つダイナストーンで蛯名正厩舎初の騎乗依頼をしたのは何かの縁か。厩舎初勝利に向けて、蛯名正師も気合が入っているはずだ。
「銀河系厩舎」に信頼できる「レジェンド騎手」の後押しが加われば、蛯名正厩舎の巻き返しに明るい兆しが見えてきそうだ。
(文=パッパラー山中)
<著者プロフィール>
皇帝シンボリルドルフの代表産駒トウカイテイオーの舞うようなフットワークに魅せられて競馬を始める。人生で1番泣いたのは前年の大敗から1年ぶりの復活勝利を決めた1993年の有馬記念(G1)。感動のあまり競馬場で泣いて電車で泣いて家で泣いた。馬券はパドック派。今までで1番「こりゃすんげえ馬体」と思ったのはサクラケイザンオー。
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