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JRA「ポスト藤沢和雄厩舎」は蛯名正義以外にも存在!? 密かに注目を集めている「次世代トップステーブル」候補はブエナビスタを破った世紀の大波乱の立役者

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JRA「ポスト藤沢和雄厩舎」は蛯名正義以外にも存在!? 密かに注目を集めている「次世代トップステーブル」候補はブエナビスタを破った世紀の大波乱の立役者の画像1

 先週から3月開催がスタート。チューリップ賞(G2)、弥生賞ディープインパクト記念(G2)など伝統のクラシックトライアル競走が行われ、今後も春へ繋がるレースが続々と組まれている。

 また、今月から新たに10名の新人騎手と5つの新規調教師がデビュー。先月末で定年により解散となった藤沢和雄厩舎をほぼ引き継いだ蛯名正義厩舎は、初出走がまだ済んでいないが、今後どのような活躍をしていくか注目だ。

 蛯名正義「大きく変わった実感はないんだよね」中身は藤沢和雄厩舎!?

 惜しまれつつ解散した藤沢和厩舎だが、最後まで関東を背負う名門だった。現時点で全国リーディングでは5位で、関東リーディングでは堂々のトップだ。

 では、藤沢和厩舎に次ぐ関東2位はどの厩舎だろうか。昨年のオークス馬を輩出した手塚貴久厩舎や先月のフェブラリーS(G1)を制した堀宣行厩舎などが候補に挙がると思うが、実は田中博康厩舎なのだ。

田中博康厩舎とは

 田中博厩舎は2018年に開業した比較的新しい厩舎。騎手出身の田中博師は、現役時代に2009年のエリザベス女王杯(G1)を優勝した実績がある。

 このレースでクィーンスプマンテに騎乗した同師は、単勝1.6倍の女王ブエナビスタ相手にハナを切る積極的なレース運びで、まんまと逃げ切り勝ち。単勝77.1倍での勝利は今でも波乱のG1レース特集の度に取り上げられるほどだ。

 その田中博厩舎が開業5年目で覚醒の兆しを見せている。デビュー年は13勝で最多は2020年の28勝だが、今年は現時点で早くも9勝をマークし、全国リーディングでも昨年の77位から大幅にランクアップして、7位につけている。これは年間54勝ペースと自己ベストを大幅に上回る勢いだ。

 9勝のコース内訳は6勝が東京、2勝が中山、1勝が小倉となっており、開催が終わったばかりの東京が厩舎の得意コースのようだ。一方で、芝は4勝、ダートは5勝と半々に近い割合となっており、芝、ダートに関係なく好成績を収めていると見ていいだろう。

 ここまでは東京コースが得意という点以外で、特に目立った特色がない。一見すると、2月がたまたま好調だったと思われがちだが、田中博厩舎の凄さは別にあるという。

田中博厩舎の特色

「田中博厩舎の素晴らしい点は勝率になるでしょう。現時点での勝率は22.0%と非常に高い数字を誇っています。15%を超えるのが難しいとされている中、20%をオーバーするのは慎重にレース選択等をしている証拠でしょう。

その証といってはなんですが、田中博厩舎の1番人気は着外になることが珍しいですよ。今年1番人気になった馬は6頭いましたが5勝しています。最後に1番人気で着外に敗れたのは昨年の10月になりますが、それでも4着と大敗ではありません。

現時点のリーディングトップ10で最少の出走回数であることから、馬の状態を慎重に見極めてから管理馬をレースに出しているのが分かりますね。案外、藤沢和厩舎に取って代わるのは田中博厩舎ということもありそうです」(競馬誌ライター)

 田中博師は現役時代から海外研修を頻繁に行っており、2017年にはフランスの超名門アンドレ・ファーブル厩舎で勉学に勤しんだ。開業前に海外研修といえば、藤沢和・元調教師と通ずる部分がある。

 さらに騎手時代に栗東滞在を行っていた際は、栗東の名門の中内田充正厩舎で研修、手伝いをしていた。その中内田厩舎は現在リーディングで、勝率も30%超えと堂々の1位だ。もしかしたら田中博厩舎の勝率の高さは、中内田厩舎由来かもしれない。

 研修成果を着実に出している田中博厩舎に今後も注目していきたい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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