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JRA天皇賞・春(G1)松岡正海が故・岡田繁幸総帥に進言した「有言実行」の大金星から13年、再び現れた「未知なるステイヤー」との遭遇

JRA天皇賞・春(G1)松岡正海が故・岡田繁幸総帥に進言した「有言実行」の大金星から13年、再び現れた「未知なるステイヤー」との遭遇の画像1

 今週末の1日、阪神競馬場では日本一のステイヤーを決める天皇賞・春(G1)が行われる。

 数あるG1レースのなかでも、比較的波乱が起きやすい印象がある同レース。その理由の一つとしては、菊花賞馬などのステイヤーが主役を張る一方で、長距離実績のない「未知なるステイヤー」たちが初めて挑戦する3200mという距離でその素質を開花させ、予想外の激走を見せることがあるからだ。

 過去に波乱を演じた馬のなかでも、筆者が一番印象に残っているのが、2009年の覇者マイネルキッツである。

 何を隠そう、この馬の勝利は決して“まぐれ”ではなく、ステイヤーとしての才能を読み切った主戦の相馬眼が光ったレースでもあったのだ。

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松岡正海騎手

 デビュー時から主に中距離を中心に使われていた同馬。2走前のアメリカジョッキークラブC(G2)で4着に敗れた後、陣営は当時まだ距離2000mだった中京記念(G3)への出走を予定していたが、主戦を務めていた松岡正海騎手自らが「マイネル」軍団の総帥であった故・岡田繁幸氏に、日経賞(G2)経由で天皇賞・春への出走を進言したという。

 その日経賞では7番人気ながら2着と好走したものの、競馬ファンの間ではまだまだステイヤーという印象はなく、本番では単勝12番人気と低評価だった。

 ところが、1枠2番という好枠を生かし道中は中団内目で脚を溜めると、最後の直線で馬群がばらけたところを内から猛然と追い上げる。先に抜け出していたアルナスラインとの壮絶な叩き合いの末、わずかクビ差だけ差し切ったのだ。

 マイネルキッツのステイヤーとしての能力を見抜き、見事な「有言実行」を決めた松岡騎手。陣営としても、嬉しい重賞初勝利がG1というオマケ付きで、さぞかし頭が下がる思いだったに違いない。

苦難が続く松岡騎手が出会った、新たな可能性

 

 しかし、それからというもの同騎手のG1勝利は、2019年にウインブライトとのコンビで制したクイーンエリザベス2世C(G1)や香港カップ(G1)などの海外G1のみ。国内では影を潜め、近年は相次ぐ落馬の怪我に悩まされ、戦線離脱を繰り返していた。

 それでも不屈の闘志で這い上がり、昨年11月に約1年ぶりの完全復帰を果たすと、今年に入りアメリカジョッキークラブCをマイネルファンロン(牡7、美浦・手塚貴久厩舎)で2着、中山牝馬S(G3)をクリノプレミアムで勝利、さらに同馬で先週の福島牝馬S(G3)を2着と徐々に存在感を取り戻している。

 今週末の天皇賞・春で騎乗予定のマイネルファンロンとは、3走前の福島記念(G3)からコンビを組んでおり、当日も人気薄確実とみられる。だが、13年前のマイネルキッツ同様に中距離を中心に使われていた点や、前走で2着と好走しながら本番では低評価となりそうなところは妙に被る。

 さらに、今年は同馬の父でもあるステイゴールドの産駒が世界中で大活躍した。

 海外のレッドシーターフH(G3)やドバイゴールドC(G2)を制し、7歳にして進化を遂げたステイフーリッシュや、こちらも7歳にして京都記念(G2)を制したアフリカンゴールド、さらに中山グランドJ(J・G1)で9度目のG1制覇を達成した11歳のオジュウチョウサンなど、古豪たちの快進撃が続いている。

 直近10年の天皇賞・春でも、フェノーメノやゴールドシップなど計4勝を挙げている同産駒だけに相性の良さは抜群で、距離延長はむしろ追い風となりそうだ。

 有言実行の大金星から13年。松岡騎手の「未知なるステイヤー」との出会いが、波乱を巻き起こすトリガーとなるかもしれない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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