JRA【日本ダービー(G1)予想】川田将雅×ダノンベルーガは迷わず切り! 期待値の高い実績馬の好走で意外な高配当をいただく
今回は「競馬の祭典」世代の頂点を決める一戦、日本ダービー(G1)を予想していく。
先週だが、平安S(G3)は◎→▲→△で的中。久しぶりに的中をお届けできたが、テーオーケインズの強さばかりが目立つレースで、◎が来るのはやはり当然であった。▲のケイアイパープルは思った通り人気はなかったが、オッズはそれほど低くなく、△のメイショウハリオが3番人気まで上がってしまったため、配当もギリギリトリガミだけは逃れたという感じだった。
オークス(G1)は、まさか2冠はないと思っていたスターズオンアースの2冠達成。3着のナミュールはもちろん予想の範疇だったが、2着が想定外のスタニングローズ。フラワーC組はオークスに実績がないので完全に予想の外だっただけに、これはもう諦めるしかない馬券だった。
さて、予想に戻ろう。
例によって過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見てみたい。
皐月賞 20頭
青葉賞、京都新聞杯 各4頭
毎日杯、プリンシパルS(L) 各1頭
と非常にわかりやすい。大勢を占めるのはやはり前走皐月賞組。過去10年で2冠を達成したのは20年のコントレイルと15年のドゥラメンテの2頭だけで、コントレイルはご存じの通り無敗の3冠を達成している。牝馬に比べると2冠の確率は低く、皐月賞馬も健闘しているが、2着、3着に留まることが多い。むしろ皐月賞大敗で巻き返してきた馬も少なくないので、要注意だろう。別路線組は内容を吟味して取捨すべきか。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 3-2-2-3
2番人気 1-2-1-6
3番人気 3-3-1-3
4~6番人気 2-3-0-25
7~9番人気 0-0-3-27
10番人気以下 1-0-3-83
となっている。1番人気と3番人気はそこそこ信頼できる数字と言える。対して2番人気がアテにしづらい数字なのだが、近5年に絞ると18年と昨年以外は馬券に絡んでいる。また、この5年で9番人気以下が4頭馬券に絡んでおり、それぞれ別路線で好成績も人気になっていなかったり、皐月賞で大敗して人気を落としたところからの巻き返しで好走している。人気薄も前走内容など見極める必要はありそうだ。
これらを踏まえて「◎」は思いのほか人気していない3番アスクビクターモアとする。
前走は皐月賞(G1)で、ハナを奪ったものの直線で粘りきれず5着までという競馬だった。前目で競馬することで好成績を残してきた本馬。運良く内枠に入ったことで、逃げでも番手でもロスなくポジションを確保できる有利さがある。
また、近年はさほど奮わない結果となっているが、弥生賞馬とダービーの相性が良好なことや血統的にもディープインパクト産駒が4連勝しているなど、無視できないデータがある。2400mはもちろん未経験ではあるが、母父が長距離血統のレインボークエストであることを考えると不安はなかろう。
陣営も前走については評価しており「馬が落ち着いてきている」ということで距離もこなせるだろうとコメントしている。幸い、皐月賞では大敗せず入着を確保したので、ここでの巻き返しは十分可能性があると見ている。負ければ着外だろうが、ピンかパーのピンの方に可能性を懸けて本命としたい。
「○」は本命視されているが、18番イクイノックスを推す。
前走はやはり皐月賞で、ジオグリフとの叩き合いに屈して2着となっている。
大外枠に入ったことで、不利を囁く声が急速に高まっているようである。実際、18番での勝利は01年のジャングルポケットまで遡らないとないというデータもある。
が、オカルトチックで申し訳ないのだが、先週のオークス(G1)で大外枠不利が囁かれたスターズオンアースがまんまと2冠を達成してしまった。こういうものは連鎖するもので、判で押したように鞍上も再びC.ルメール騎手。
そこまで重賞勝ちがまるでなかったのがウソのようにいきなり今年の初重賞をG1で飾るあたり、出来過ぎの感すらある。でも勝負事とはそういうもので、時にはゲン担ぎも有用だったりする。
陣営からも景気のいい声が聞こえてきており、馬の状態も非常にいいという。前走で2着と申し分ない成績で臨んでいるだけに、データ的にも枠以外に不利な要素がない。人気していても黙って押さえるのが妥当だろう。
「▲」は実績の割に人気薄の5番ピースオブエイトとする。
前走は毎日杯(G3)。出遅れながらもリカバーしてハナを奪い、そのまま直線でも後続を寄せ付けず押し切って勝利している。
毎日杯組は本来別路線組でもダービーとは縁遠く、本馬とほぼ同じ臨戦過程で18年にブラストワンピースが臨んでいるが、2番人気5着と入着がやっとだった。だが、昨年ハナ差の大接戦を制してシャフリヤールが勝利したことで、再注目する必要が出てきた。
本馬は前走の毎日杯まで3連勝を飾っており、メンバー唯一の無敗馬。陣営も状態の良さと、この3連勝でまだ底を見せていないところを強調しており、相手関係は強くなるが期待をかけているようだ。
前例ができたことでピックアップしているが、ブラストワンピースが5着に敗れている例もあり、全幅の信頼は置けない。だが、連勝馬の勢いは侮れないのも確か。脚質が自在なので、展開に左右されない強みもあり、低評価を覆す走りもあると見ている。
「△」は伏兵1番のアスクワイルドモア、人気どころの13番ドウデュースと15番ジオグリフの3頭とする。
アスクワイルドモアの前走は京都新聞杯(G2)で、後方から直線で前にいた馬を交わして勝利を飾っている。
このメンバーに入ると2走前までの敗戦で概ね勝負付けが済んだ感は否めないが、京都新聞杯の勝ち馬が比較的好走していることは確かで、父キズナも9年前に同じ臨戦過程で勝利をモノにしている。思ったより評価されていないここは逆に狙い目と見て押さえたい。
ドウデュースは皐月賞3着馬。鞍上の武豊騎手がレース後のコメントで「後ろ過ぎた」と言っているように、あと数頭分前にいたらあるいはこちらが戴冠していた可能性がある。
今回も位置取りがモノをいう可能性があり、近年4コーナー10番手以下の馬で勝ったのは9年前のキズナ1頭のみ。奇しくも武豊騎手の前回のダービー制覇にあたるが、あまり後方に位置していると直線が長い東京でも届かない可能性はある。
また、血統的に父ハーツクライなので2400mへの延長を苦にすることはないと思われるが、陣営は「2400mもたせるように調整してきた」というコメントを出している。ということは現時点でこの馬には長いと判断されているかもしれず、切り要素がないので押さえはするが、勝ち負けまではどうか、という部分で印を落としている。
ジオグリフは言わずと知れた皐月賞馬。こちらも前走までで今回のメンバーとは概ね勝負付けが済んでいると言える。別路線組でも皐月賞馬をひっくり返すほどの実力があるようには見えないのは確か。
が、不確定要素として血統面での裏付けが弱いことがある。父ドレフォンはダートの短距離で実績を残してきているだけに、2400mがどう出るか見えない部分だ。加えて、二冠達成と福永祐一騎手のダービー3連勝という記録がかかった一戦というのも引っかかる。
得てしてこういう記録がかかったレースでは、そう上手くコトが運ばないことが多いのが現実。牡馬二冠はそう簡単に達成できるものでなく、福永騎手のダービー3連勝も前人未踏の記録。ジオグリフのスケールでそれが達成されるのかは疑問が残る。とは言え、上記の通り皐月賞を勝った優位性は揺るがない。切る理由はないのでこちらも押さえたい。
「4強」のうち3頭までは押さえたが、もう1頭の12番ダノンベルーガは切り。
共同通信杯(G3)を新馬勝ちからいきなり制して、皐月賞で2番人気に推されるが4着まで。キャリア3戦でダービーに臨むわけだが、この浅いキャリアで勝てるほどダービーは甘くなかろう。無論、96年フサイチコンコルドのようにキャリア3戦目がダービーで勝利してしまう例もあったので、絶対ではない。だが、もしそれほどの実力の持ち主ならおそらく皐月賞を勝っていただろう。馬券に絡めなかったところに限界があったと見ている。
他の3頭と比べるとそこが1枚落ちるところである。加えて、この記事に詳しいが「ダノンの呪い」もある。いつまでも続くものではないかも知れないが、過去ダービーに挑戦したダノン軍団に比べるといささかスケールが小さくはないか。4強のうち3頭を馬券圏内アリと見て押さえた以上、この馬が馬券圏内に入るとは思えない。よって素直に切りである。
ということで、今回は1番、3番、5番、13番、15番、18番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。
3強ですんなりカタが付くとトリガミ確実だが、オッズがそこに集中している分全部飛ぶとあるいは超の付く高配当まで期待できそうだ。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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