JRA武豊「ダービー」直後に手にした不名誉な称号!? 感無量ウイニングランから約1時間…レジェンドに訪れた「想定外」の結末

29日、東京競馬場で行われた第89回日本ダービー(G1)を制したのは、3番人気に支持された武豊騎手とドウデュース(牡3、栗東・友道康夫厩舎)のコンビ。1番人気で3着に敗れた皐月賞(G1)の屈辱を晴らす見事な勝利だった。
「残念です。勝ちたかったです。ダービーで何とか頑張りたいです」
先行勢が残る展開を後方から進めた皐月賞(G1)の敗戦に、巻き返しを誓ったレジェンドの“ダービーだけは譲れない”想いも伝わる後方待機策。14番手で迎えた最後の直線での位置取りは、奇しくも皐月賞と同じ。末脚に懸けるスタイルを崩さない姿勢に、ダービー最多勝ジョッキーのプライドが垣間見えた。
「感無量です。本当に嬉しいです。ジョッキーをやっていて、これほど幸せな瞬間はないですね。これからもドウデュースとともに世界も含めて頑張っていきたいと思います」
2013年にキズナとのコンビで5勝目を挙げて以来となる9年ぶりの美酒。1998年にスペシャルウィークと待望のダービー初勝利を手にした29歳から、30代でアドマイヤベガ、タニノギムレット、ディープインパクト、40代でキズナ。そして今回、50代でもドウデュースと6勝目の栄冠を掴んだ。
その一方、この日の武豊騎手が手にしたのは、ダービージョッキーの栄誉だけでもなかった。
レジェンドに訪れた「想定外」の結末
まだ感動的な勝利の余韻が冷めやらぬ東京競馬場では、最終レースとなる目黒記念(G2)が開催。レジェンドがコンビを組んだアリストテレスは、5番人気の支持を受けた。
昨年の有馬記念(G1)を6着に敗れ、復帰戦に予定していた3月の日経賞(G2)を放馬による外傷で回避したアリストテレスは、余裕が残る14キロのプラス体重。トップハンデ57.5キロの斤量も決して有利ではなかったものの、騎乗するのがダービー制覇で勢いのある武豊騎手ということで期待したファンも少なくなかっただろう。
フルゲート18頭で争われた芝2500m戦。最後の直線の位置取りは、ドウデュースを彷彿とさせる後方15番手。もしかしたらここから「武豊マジック」の炸裂もあるのではないかと思われた……。
だが、そんなうまい話があることもなく、デシエルトが軽快に飛ばしたダービーとは違い、目黒記念は1000m通過が62秒5のスローペース。アリストテレスは末脚を伸ばすことなく馬群に飲み込まれてしまった。半年ぶりの休み明けでもあり、まだまだ本調子には程遠かったようだ。
しかも、ただ大敗しただけではなく、18頭中17着という「ブービー」負けの“オマケ”もついてきた。「ユタカコール」に沸いた感動のダービーから約1時間後。今度はダービージョッキーならぬブービージョッキーになってしまったのは、本人も想定外の結末だったかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
「怒りの矛先は騎手でもいいよ」ダノンデサイル調教師の“横山典弘愛”が凄い!「競馬だから仕方ない」「最悪の流れ」呼び込んだ浜中俊の選択
武豊を激怒させた調教師が公開謝罪!? 「疑惑決着」のJBCレディスクラシック(G1)で地方馬初勝利の号泣調教師がテレビ出演- 【有馬記念】「使い分け」に一石投じた戸崎圭太が意地!ルメールキラーが3勝目で今年の屈辱もスッキリ?
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- JRA横山典弘騎手「史上最悪のポツン」が日本の頂点に!? 断トツ最下位で「ダービーの冒涜」大批判を集めた馬がレイデオロと並ぶ
- 母の全兄は「G1優勝」の現役種牡馬! 新進気鋭のオーナーがJRA新馬戦初V
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
関連記事

C.ルメール「消極的騎乗」に元JRA田原成貴氏も遺憾、「満点回答」武豊と何が違ったのか…勝負を分けたそれぞれの想い

JRA「絶望からの生還」武豊ドウデュースは何故届いたのか。「やれることはやった」助演男優賞・岩田康誠が魅せた完全燃焼……日本ダービーにあって皐月賞になかったもの

JRA日本ダービー(G1)直前! 武豊やサイレンススズカも圧倒した二冠馬! 横山武史のリベンジ劇場継続なるか!? 福永祐一ダービー3連覇の夢の行方… 【週末GJ人気記事ぶった斬り!】

JRA武豊「史上2人目」ダービー当日の偉業達成なるか!? 「僕は帰ってきました」払拭したいキズナ“好敵手”に纏うイメージ

JRA 日本ダービー(G1)競馬ファンなら知っていて当然? 武豊と「キンコンカン」の密接な関係…出会い、絶縁、屈辱を味わった超大物たち
















