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JRA元ダービー馬候補が「鞍上強化」で仕切り直し、降板の元主戦は「申し訳ありませんでした」…春全休撤回で絶対に負けられない戦い

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武豊騎手

 史上最多ダービー6勝目を挙げた武豊騎手とドウデュースのコンビが優勝した今年の日本ダービー(G1)。陣営からは、第89代ダービー馬の看板を引っ提げて秋の凱旋門賞(仏・G1)への参戦を表明した。

「武豊騎手と凱旋門賞を勝つのが夢」と公言するキーファーズの松島正昭代表による手厚いバックアップも、レジェンドとしては頼もしい限りだろう。

 クラシック一冠目の皐月賞(G1)で3着に敗れたとはいえ、ドウデュース陣営の武豊騎手への信頼は揺るがなかった。その期待に応えて最高の結果で巻き返した姿に感動したファンも多かったに違いない。

 その一方で、この3歳世代の頂点を決める競馬の祭典への出走を熱望されながら、惜しくも出走が叶わなかったのが、毎日杯(G3)で3着に敗れたドゥラドーレス(牡3、美浦・宮田敬介厩舎)だ。

元主戦は「申し訳ありませんでした」と謝罪

 タイトルホルダーとスターズオンアースの活躍でブレイク中のドゥラメンテが父、2014年の阪神JF(G1)で1番人気に支持された素質馬ロカが母という良血馬。母系を遡るとディープインパクトを出したウインドインハーヘアの名前もある。

 血統的にもクラシックを期待されたドゥラドーレスは、昨年11月の東京で新馬勝ち。今年1月のセントポーリア賞(1勝クラス・芝1800m)でも、ファンの度肝を抜くパフォーマンスを披露した。

 3馬身差の2着に退けたウィズグレイスは、前走の東京の未勝利戦(芝2000m)を2歳レコードで勝利した相手。それも6馬身差の楽勝だったのだから、そんな馬に圧勝したドゥラドーレスの評価が急上昇したのも無理はない。

 勝ちタイム1分45秒7(良)は、昨年11月の東京スポーツ杯2歳S(G2)を快勝したイクイノックスの1分46秒2を0秒5上回る。開催時期や展開の違いはあれども、クラシック級の期待は、高まる一方だった。

 だが、皐月賞(G1)には向かわず、毎日杯(G3)から日本ダービーを目指すローテーションを選択したことで運命の歯車が変わったかもしれない。優先出走権を持たないドゥラドーレスがダービーに出走するためには、ここでの賞金加算が至上命題。最低でも2着に入る必要があった。

 ところが、いざレースが始まると鞍上の戸崎圭太騎手は、進路を確保できないまま、最後の直線を迎えてしまい、次から次へと他馬に阻まれて追い出しが遅れて脚を余すような格好で3着。結果的にも、逃げたピースオブエイトがそのまま押し切った展開だけに、ネットの掲示板やSNSなどでは、戸崎騎手の騎乗を責める意見も出た。

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戸崎圭太騎手

「追い出しが遅くなりました。でも力はあるところは証明出来ました。でも人気に応えられず、申し訳ありませんでした」

 レース後、敗戦の責を負った戸崎騎手から謝罪のコメントも出されたが、陣営からはダービー参戦を諦め、秋の復帰を待つという決断が報じられた。

 しかし、春全休を表明していたにもかかわらず、同馬を所有する社台グループオーナーズは、5日のホンコンジョッキークラブT(2勝クラス・芝2000m)への出走を表明。当初の発表を撤回しての春もう一戦となる。

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福永祐一騎手

 そして、注目すべきはその鞍上が前走の戸崎騎手ではなく、福永祐一騎手とのコンビということだ。憶測の域を出ないとはいえ、同じレースに出走するサトノフォーチュンに戸崎騎手が騎乗することを考えると、事実上のクビということだろう。

 毎日杯の勝ち馬ピースオブエイトが、ダービーで最下位に惨敗したため、ドゥラドーレスの評価も間接的に下がってしまう可能性もある。“鞍上強化”で挑む陣営としても、ここは絶対に負けられない戦いだ。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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