JRA「780万馬券」演出は反撃の狼煙!今村聖奈の独走に待ったをかけるV、「負けず嫌い」の同期が見せた意地
「何も言われない勝ち方をしないといけないです」
レース後のコメントでそう気を引き締めたのは、11日に中京競馬場で行われた12Rの2勝クラスで、6番人気ランスオブアースを勝利に導いた今村聖奈騎手だ。
これで自身6週連続の勝利。今週末には、2019年に同じ女性騎手の先輩でもある藤田菜七子騎手が達成した7週連続勝利という記録に挑戦することになるわけだが、今の勢いならそれに並びそして追い越すことさえも決して夢ではない。
また、計14勝は現在新人騎手の中では断トツのトップ。このまま順調に勝ち星を積み重ねれば、最終的に女性騎手初の新人最多勝も十分にあり得る話だ。
そんな絶好調の今村騎手を横目に一時は新人王へ最も近いと目されていたものの、最近は影を潜めていたのが角田大河騎手だ。父は2001年にジャングルポケットで日本ダービー(G1)を制した元騎手で、現在は調教師として活躍中の角田晃一師。また昨年デビューした角田大和騎手の実弟でもある。
「負けず嫌い」の同期が見せた意地
期待を背負った騎手界のサラブレッドは、今年3月のデビュー時には福永祐一騎手以来となる史上3人目の初騎乗2連勝を飾り、大きな注目を集めた。その後も、新人の中では切り込み隊長的存在で勝利を重ねていきトップを走っていたが、今村騎手の勢いを前に存在感が薄れつつある。
しかし、12日には先月22日以来となる3週間ぶりの一撃が炸裂。中京競馬場で行われた7Rの1勝クラスで14番人気の超大穴シダー(牝3、栗東・本田優厩舎)を勝利に導いた。
16頭立てのダート1400mで行われたレース。大外16番枠から好スタートを決めると、道中は中団の外目を追走する。前半3ハロン通過タイム33秒9のハイペースのなか楽な手応えのまま直線に入ると、外から力強く伸びて快勝。3戦連続二桁着順と不振だったシダーを見事に一変させた。
また、レースは単勝オッズで三強を形成していた内の2頭が馬券外へとび、3着にはブービー人気も突っ込んで3連単は783万円の超高額配当。上位人気の牙城を崩す大波乱の立役者にもなった。
「今村騎手には、この日の中京メイン・三宮S(OP)をハヤブサナンデクンで制した福永騎手、東京メイン・エプソムC(G3)をノースブリッジで勝利した岩田康誠騎手やその息子でもあり現在全国リーディング2位の岩田望来騎手らと同じ競馬ブックの小原靖博氏がエージェントについています。
ですので、やはり騎乗馬の人気では角田河騎手より上位になる事も多いです。それでも今村騎手の全14勝がいずれも6番人気以内の馬であるのに対し、角田河騎手は全9勝のうち8番人気の伏兵で2勝、今回のシダーは14番人気と穴馬でも勝利に繋げている点は見逃せません。5月からの今村騎手の大活躍も良い刺激になっていると思いますよ」(競馬誌ライター)
「私の強みは良くも悪くも負けず嫌いなところです」
デビュー前、JRA公式YouTubeチャンネルのインタビューにてそう語っていた角田河騎手。今後も今村騎手との新人王争いはまだまだ目が離せない。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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