JRA池添謙一「やばかったなぁ…」もビジンの扱いはお手のもの!? お転婆娘も見事なエスコート、大舞台に強い代打職人のもうひとつの顔
春のG1も宝塚記念(G1)を残すのみとなり、先週からは函館開催がスタート。競馬界は一気に夏シーズン到来といった雰囲気が漂ってきた。
その開幕週の函館で、日曜の最終レースを勝利したのが、池添謙一騎手が騎乗したビジン(牝3歳、栗東・武英智厩舎)だ。
前走に続き今回もパドックでの入れ込みが激しく、終始落ち着かない様子。またレースでも、内で砂を被った影響か、首を振り上げて頭を揺さぶり、“ビジン”という名前とは裏腹に暴れ馬ぶりを見せていた。これには鞍上の池添騎手自身もTwitterで「やばかったなぁ…」とツイート。馬上での苦労を伺わせた。結局、鞍上の必死の制御により大きなトラブルは免れたが、レース後に「銜受け不良となったことについて平地調教注意」を受けている。
しかし、それでも向こう正面からは池添騎手が馬群の外にスマートにエスコートしてからは落ち着きを見せ、直線でも外から鋭く伸びて見事に2勝目を挙げた。気性面で道中のロスがあっても勝ち切るあたり、まだまだ底を見せていない。ダートでは3戦2勝と今後が楽しみな1頭だ。
そのビジンを管理する武英厩舎と池添騎手と言えば、当代きってのお転婆娘メイケイエールを手掛けているコンビだ。池添騎手は、メイケイエールが非常に高いポテンシャルを有しながら、武豊騎手や横山典弘騎手なども手を焼いた同馬を立て直した。
大舞台に強い代打職人のもうひとつの顔
そして今回、同じ厩舎所属のやんちゃ娘ビジンを乗りこなして勝利に導く騎乗ぶりにネットでは、「池添さんはこんな馬ばっかりだな」「美人の扱いが上手い」「もうやんちゃ娘は池添に任せるべき」など、池添騎手を称えるコメントが多数見られた。
5日の安田記念(G1)をソングラインで勝利し、今年の重賞勝ち5勝のうち4勝を牝馬で挙げるなど、近年は牝馬に騎乗しての活躍が目立っている池添謙一騎手。かつては牝馬の○○として、現役騎手時代の河内洋師や松永幹夫師などが知られていたが、最近の活躍から、池添騎手がその名を拝命してもおかしくないほどの活躍だ。
同騎手は、毎年リーディング上位ではないものの、G1などの大舞台での勝負強さや、扱いの難しい馬で結果を出すなど、ここ一番で存在感を見せている。Twitterでの発信やメディアへの出演など競馬場の外でも意欲的に活動しており、唯一無二の存在になりつつあるベテランに、この夏も注目だ。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。
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