JRA【マーメイドS(G3)予想】ソフトフルート×川田将雅は用なし! 1番人気7連敗中、波乱のレースにふさわしい穴馬ピックアップ!
今回は例年大荒れする牝馬重賞・マーメイドS(G3)を予想していく。
例によって過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
パールS(3勝クラス) 8頭
福島牝馬S 3頭
ヴィクトリアマイル、阪神牝馬S、大阪城S(L、OP)、御室特別(2勝クラス) 各2頭
中山牝馬S 1頭
条件特別(3勝クラス) 4頭
条件特別(2勝クラス) 3頭
オープン特別 3頭
となっている。G3格付けであることと春シーズン終わりで強力なメンバーが揃わないのか、条件戦を使われてここに臨む馬が半数以上。ローテーションとは直接関係ないが、これに加えてハンデ戦という条件があるので、各馬の比較が非常に難しい。重賞を走ってきた馬に一日の長がありそうだが、過去10年で前走重賞組は1勝もしていない。
続いて人気順の成績を見てみよう。
1番人気 2-1-1-6
2番人気 0-2-1-7
3番人気 1-0-1-8
4~6番人気 1-1-5-23
7~9番人気 4-3-0-23
10番人気以下 2-3-2-50
となっている。上位人気が総じてアテにできない。これを裏付けるように近5年に絞ってみても、2番人気と3番人気が2頭ずつ馬券になっているが、あとはすべて人気薄。1番人気にいたっては15年を最後に、一度も馬券に絡んでいないので、数字で分かる通り穴馬を吟味して狙い撃ちするのが正解のようだ。
「◎」はいきなり穴馬だが4番ステイブルアスクとする。
前走はシドニーT(3勝クラス)。出遅れて後方2番手からの競馬となり、直線で上がり最速の脚を使ってきたものの届かず5着までだった。
この馬は矢作芳人厩舎の馬ということもあって、デビュー戦から主戦を古川奈穂騎手が務めていたが、なかなか結果が出せずまだ3勝クラスを突破していない条件馬なので、ここは格上挑戦ということになる。
しかし、所属ジョッキーを使ってきた流れで、ここで敢えてテン乗りの藤岡康太騎手に乗り替わらせるあたり、勝負気配を感じる。実際、ダート戦を主に使ってきたものの、ここ5戦は上がり最速の脚で上がってきているなど、歯車が噛み合えば実力は相応のものを持っているはず。
陣営からもコメントが出ているが、藤岡康騎手は本来51kgでは乗らないそう。そこを敢えて騎乗に承諾したあたり、ジョッキーも勝ち目を見いだしていると見るのが自然だろう。先週の函館SS(G3)も50kgのナムラクレアが勝利しているが、これも本来この斤量では乗らない浜中俊騎手が乗ったということで、こういう流れは大事だ。
「○」はそこそこ人気しそうだが、9番ルビーカサブランカを挙げたい。
前走は福島牝馬S(G3)。出遅れて最後方からの競馬になり、直線も上がり最速で来ていたものの届かず5着となった。
この馬は3歳になってからのデビューで、新馬戦を勝ち上がったものの1勝クラスを勝ち上がるのに10戦を要すなど、勝ち味に遅いのが災いしている。今年の冬に連勝で愛知杯(G3)を制し、20戦目にして重賞ウィナーになった。
そこからの中山牝馬S(G3)、そして前走が案外な成績で終わっているが、2戦とも出遅れていることや戦績を見る限り1800m戦が多少短かった可能性がある。これは陣営も指摘している点で、1ハロン延びる今回は出番があってもおかしくない。斤量は1kgもらっているが、55kgは克服済みだけにカンカン泣きの心配はないだろう。実績からも押さえたい。
「▲」はやはり人気薄の7番ウインマイティーを推す。
前走はメトロポリタンS(L)。出遅れながらも流れでハナに立ち、緩いペースのまま直線に入ったが最後まで粘りきれず4着となった。
一昨年のオークス(G1)で13番人気ながら3着に食い込み、波乱を演出したまでは良かったが、その後がまったく鳴かず飛ばずで6戦して入着すらない始末。やっと前走で4着まで確保できた。
要は不調が長く続いたということなのだろうが、前走でようやく出口が見えてきたか。キャリア初の逃げを打っているが、馬券に絡まないまでも見せ場は作れた。直線の短い阪神に替わって自分のペースで競馬できれば、あるいは一発あってもおかしくはない。
鞍上もオークス3着を勝ち取った和田竜二騎手に手替わりするということで、これまでのような不甲斐ない競馬から抜け出せるのではないか。可能性込みで押さえてみたい。
「△」は1番スルーセブンシーズ、5番トウシンモンブラン、10番アイコンテーラーの3頭とする。
スルーセブンシーズの前走は湾岸S(3勝クラス)で、後方からの競馬に徹したが直線で前にいる馬に届かず3着に終わっている。
4歳馬ということもあって、まだ7戦しかこなしていないが、大敗を喫したのはオークスと秋華賞(G1)のみ。秋華賞トライアルの紫苑S(G3)で2着に入っているなど、実力は重賞級だ。
G1の舞台以外ではいずれも馬券圏内に入っており、ここなら十分通用するポテンシャルがあるはず。加えて、前走負けたこともあってか斤量2kg減で出られるのも大きい。勝ち負けまであってもおかしくないだろう。
トウシンモンブランの前走はテレ玉杯(2勝クラス)で、5番手から直線抜け出して勝利している。
この馬は未勝利の勝ち上がりまでに10戦を要しており、勝ち星自体は3勝止まり。ただし、二ケタ着順で負けているのはわずか1戦のみで、入着までが3戦、残りはすべて馬券になっている。良く言えば堅実派、悪く言えば勝ち味に遅い馬と言える。
3勝クラスを経験せず、いきなり重賞挑戦ではあるが、注目したいのは2走前の紫苑Sで5着に入っている点。1勝クラスを勝ち上がった直後の挑戦だったが、好タイムで走破しており重賞で入着を果たしているあたり、本格化の兆しと見える。ちょうど今が上り調子なはずで、さらにここでは前走勝っていながらも斤量4kg減で出られる魅力もある。
アイコンテーラーの前走は新潟大賞典(G3)で4番手から競馬を進めるも、直線で止まってしまい、9着と大敗している。
戦績を見る限り好不調の波がはっきりしているようで、勝つときは連勝するが不調に陥ると着すら拾えない。その流れで、昨年10月に連勝したあと、愛知杯で5着に入りさらにオープン特別とリステッドで3着をマークしている。
前走が案外だっただけに不調にまた入ったという見方もできるが、陣営にしてみてもこの結果は案外だったらしく、再調整してデキは万全とのこと。鞍上の成績が振るわないのが気がかりではあるが、今はいい流れにあると見込んで押さえる。
上位人気になるであろう3番ソフトフルート、11番クラヴェル、12番マリアエレーナは切り。
ソフトフルートは愛知杯やエリザベス女王杯(G1)4着はあるものの、近走に勝ち星がなく3勝クラスを脱出してからが振るわない。いいところまでは来るものの馬券圏内に届かない競馬が続いており、いいとこ4着止まりではないかと見る。ただ、鞍上が2戦2勝の川田将雅騎手に乗り替わっており、勝負気配はある。
クラヴェルも前走・日経新春杯(G2)こそ案外な結果だったが、重賞3戦連続3着と力のあるところは見せている。ただ、今回は休み明けであることや前走から斤量を1kgもらっているので、牝馬限定戦とは言え厳しいのではないか。
マリアエレーナは前走・京都記念(G2)で8着と負けており、2走前の愛知杯2着は評価できるが、今回はこちらも休み明け。前走から斤量2kg増ということで、やはり難しいと見ている。
ということで、今回は1番、4番、5番、7番、9番、10番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。
ルビーカサブランカやスルーセブンシーズは1ケタオッズになりそうだが、残りはすべて穴馬。上位人気用なしが続くレースだけに印通りきても高配当が狙える。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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