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JRA「ユタカとハート」で重賞同日Vへ!? 武豊ジュタロウ上回る「妙味」……今年2勝騎手が「買い」の理由

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「アグネス河内の夢も飛んできている!エアシャカールか、それともアグネスか!河内の夢か、豊の意地か、どっちだー!」

 2000年5月に行われた第67回日本ダービー(G1)。フジテレビの三宅正治アナウンサーは、後世に語り継がれる名実況を届けた。その舞台で主演と助演を演じたのが河内洋騎手(当時)×アグネスフライトと武豊騎手×エアシャカールの両コンビだった。

 兄弟弟子2人による熾烈な追い比べの結果は、ご存じの通りハナ差で兄弟子・河内騎手に軍配が上がった。ダービージョッキーの称号を得た河内騎手はその5年後に騎手を引退。河内調教師として再出発し、先週末までに350勝を積み重ねてきた。

 今年が開業18年目の河内師。騎手時代のようにはいかないが、これまで中央・地方合わせて重賞を7勝している。そんな河内師は、今週日曜に自身初の同日重賞Vを狙っている。

 19日に東京競馬場で行われるユニコーンS(G3)には、上位人気が予想されるジュタロウ(牡3歳)が弟弟子・武騎手とのコンビで臨む。

 昨年11月のデビュー戦から武騎手が手綱を取り、4戦2勝。初戦は2着に2秒4差をつける「大差」勝ちを飾った。その後はまさかの2連敗を喫したが、3か月ぶりとなった前走の1勝クラスで巻き返しに成功。2着に4馬身差をつけ、待望の2勝目を挙げた。型にはまったときの爆発力は証明済みで、重賞初挑戦となる今回も期待は大きい。

今年2勝騎手が「買い」の理由

 一方、阪神競馬場で行われるマーメイドS(G3)に送り込むのはアイコンテーラー(牝4歳)だ。

 これまで全4勝を新潟で挙げているコース巧者だが、前走・新潟大賞典(G3)は1番人気を裏切り、9着に敗退。「0-0-2-4」の右回りに替わる今回は大きく人気を落とすことになるだろう。

 人気落ちの一因になりそうなのが、22年前のダービーの時はまだ生まれていなかった亀田温心騎手の存在である。1年目の12勝から2年目は40勝、3年目は38勝にとどまったが、レイハリアとのコンビで重賞を2勝し、今年は勝負の4年目を迎えていた。

 ところが今年に入ってからは一転、思わぬ大不振に陥っている。3月中旬に初勝利を挙げるまで年初から101連敗。4月中旬に2勝目を挙げたが、その後は再び泥沼の79連敗中である。

 先週の函館SS(G3)では、それまでコンビを組んできたレイハリアを降板するなど苦しい状況が続く。アイコンテーラーと臨むこの一戦は結果が欲しいところだろう。

 この人馬は相性も抜群で、昨年5月の未勝利戦を初コンビで勝利に導くと、前走まで10戦連続で騎乗し、「4-0-2-4」という好成績を残している。

 4勝がアイコンテーラーとのものだが、2020年以降、亀田騎手と河内厩舎のタッグは合計5勝。これは2020年以降、河内厩舎にとって騎手別の最多タイである。もう一人、5勝挙げているのが武豊騎手だ。

 同期間中(20年以降)に河内厩舎の馬に25回以上騎乗している騎手は8人いるが、勝率トップが19.2%の亀田騎手で、次点・武騎手の12.5%を大きく上回っている。260%という単勝回収率も断トツで、馬券的には同33%の武騎手の約8倍妙味があるということだ。

 今週末の2重賞は、注目度では武騎手とジュタロウが上だが、妙味は亀田騎手とアイコンテーラーが断然。今週末は「ユタカとハート」の共闘に注目したい。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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