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【帝王賞(G1)展望】テーオーケインズVSオメガパフュームVSチュウワウィザード!注目「上半期のダート頂上決戦」は実力伯仲の三つ巴!

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競馬つらつらより

 29日には大井競馬場で第45回帝王賞(G1)が行われる。昨年まで11年連続でJRA所属馬が勝利しており、例年以上に地方馬が手薄の今年もその流れは変わらないだろう。上半期のダート頂上決戦を展望していこう。

 中心は昨年中央と地方のダートG1を1勝ずつしたテーオーケインズ(牡5歳、栗東・高柳大輔厩舎)。JRA最優秀ダートホースの名に懸けても負けられない一戦を迎える。

 地方で挙げたG1勝利が1年前のこのレースだった。4番人気に支持された昨年は、中団前目の5番手追走から直線力強く抜け出して快勝。2着ノンコノユメには3馬身差をつけた。

 夏を休養に充てたテーオーケインズは秋のJBCクラシック(G1)から始動、ここは4着に敗れたが、チャンピオンズC(G1)では見事巻き返しに成功し、G1・2勝目を挙げた。このときの2着馬との着差はなんと6馬身。まさにぶっちぎりの走りを見せ、国内ダート中距離界の頂点に立った。

 その後、陣営が今年初戦に選んだのは初の海外遠征。2月に行われたサウジC(G1)に挑戦したが、日本では経験したことがなかったという息の入らない厳しいペースに馬が戸惑い、まさかの8着に敗れた。

 帰国後は、5月の平安S(G3)をステップに、春の大目標を帝王賞に設定。その海外帰り初戦は仕上がり途上、そして初となる59kgの酷量を背負うとあって、疑問視する声も少なくなかった。それでも単勝1.8倍の断然人気に支持されると、好位追走から直線危なげなく抜け出して完勝。余力十分の勝ち方には松山弘平騎手も「手応えも良かったですし、さすがという走り」とほっとした表情を見せた。

「一度使われたことでさらに馬も良くなる」と松山騎手が続けたように、過去最高馬体重500kgで臨んだ前走をひと叩きされた上積みは大きいだろう。テーオーケインズと松山騎手が見据えるのは連覇の2文字だけだ。

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オメガパフューム

 G1通算5勝を誇るオメガパフューム(牡7歳、栗東・安田翔伍厩舎)は、3年ぶりの帝王賞制覇が視野に入っている。

 昨年末には東京大賞典(G1)で前人未踏の4連覇を達成。この春から種牡馬入りする予定だったが、急遽の方針転換で現役続行が決まった。

 今年は横山和生騎手を背に4月のアンタレスS(G3)で始動。59kgの酷量も3度目とあって全く問題なし。グロリアムンディなどの上がり馬をものともせず、完勝劇で現役第2章は幕を開けた。

 G1勝利を全て大井競馬場で挙げているオメガパフュームだが、当レースは19年から1着、2着、5着と着順を落としている。ともに1番人気に支持された過去2年を振り返ると、20年はクリソベリルに力負け、昨年は後方から直線伸びを欠いての不可解な敗戦だった。

 暑い時期の開催ということもあるのか、同じコースで行われる東京大賞典と比べると信頼感は今一つなのは間違いない。それでも前走の走りを見る限り、衰えた気配は微塵もなさそう。

 主戦M.デムーロ騎手を背に、G1・6勝目を飾って世代交代にストップをかけられるか。

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チュウワウィザード

 テーオーケインズ、オメガパフュームとともに3強の一角を形成するのはG1通算4勝を誇るチュウワウィザード(牡7歳、栗東・大久保龍志厩舎)である。

 同世代のオメガパフュームとともに帝王賞には19年から4年連続4回目の出走。過去3年の着順は2着、3着、6着とこちらも年を追うごとに着順を落としており、常にオメガパフュームの後塵を拝してきた。

 1年前は国内で自己ワーストとなる6着に敗れたが、秋はJBCクラシック3着、チャンピオンズC2着と巻き返しに成功。2月の川崎記念(G1)で自身4度目のG1勝利を挙げ、健在ぶりを見せつけた。

 その後は2年連続となる海外遠征を敢行。前年2着だったドバイワールドC(G1)で歴戦の強豪馬たちに挑んだが、雪辱を果たすことはできず。着順を1つ落とす結果に終わった。

 鞍上予定の川田将雅騎手とは通算「8-2-2-0」と好相性。ここでも上位争いに加わってくる可能性は高い。川田騎手は12年ゴルトブリッツ、20年クリソベリルに続く当レース3勝目を狙う。

 3強の一角を崩すとすれば、昨年の3着馬クリンチャー(牡8歳、栗東・宮本博厩舎)だろう。

 ダートに転向した当初は勝ち味に遅かったが、20年秋のみやこS(G3)を勝利したのをきっかけにその後は9戦4勝。地方を中心に好成績を残している。前走・名古屋大賞典(G3)も1.4倍の断然1番人気に応え、重賞通算5勝目(芝1勝、ダート4勝)を飾った。

 8歳を迎えてなお盛んなクリンチャー。13度目となるG1挑戦で下克上を果たせるか。

 オーヴェルニュ(牡6歳、栗東・西村真幸厩舎)は、重賞2勝をどちらも中京で挙げている左回り巧者。右回りだと信頼感はやや落ちるが、福永祐一騎手の手綱さばきに期待したい。

 ダノンファラオが回避したため、繰り上がりで出走を決めたのはメイショウハリオ(牡5歳、栗東・岡田稲男厩舎)。昨年5月にオープン昇級を果たすと、昨年11月のみやこSを重賞初挑戦で勝利した。3月にはマーチS(G3)で重賞2勝目を挙げたが、前走・平安Sはテーオーケインズに0秒8差の3着と力負け。末脚を生かす展開になれば上位浮上の可能性も出てきそうだ。

 中央勢最後は重賞3勝の実績があるスワーヴアラミス(牡7歳、栗東・須貝尚介厩舎)。南関東はこれが初登場となるが、得意の消耗戦に持ち込んで勝機をうかがう。

 中央勢の7頭を迎え撃つ地方勢は南関東所属の2頭が出走を予定している。実績的に渡り合える可能性があるとすれば昨年2着のノンコノユメ(セ10歳、大井・荒山勝徳厩舎)か。近2走も3着、2着と安定はしているが、さすがにこの年齢で今年のメンバーが相手では厳しそうだ。

 今年の帝王賞は3強を中心に中央勢の上位独占が濃厚。その中でもテーオーケインズが最有力とみられるが、7歳馬2頭の反撃にも期待したいところ。上半期のダート王決定戦は29日、20時10分に発走を予定している。

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