JRA【ラジオNIKKEI賞(G3)展望】エピファネイア産駒の素質馬2頭が激突!ソネットフレーズは名牝“シンコウラブリイ級”素質あり?
夏の福島開催のオープニングを飾るのは7月3日に行われるラジオNIKKEI賞(G3)だ。71回目を迎える3歳限定重賞はハンデ戦ということも相まって、斤量次第で波乱は必至。重賞で好走実績がある馬を中心に紹介していこう。
このレースをステップに秋の大舞台を見据えるソネットフレーズ(牝3歳、美浦・手塚貴久厩舎)が一応の主役か。
3代母がエアグルーヴ、祖母はアドマイヤグルーヴという良血馬でデビュー前から注目を浴びてきた。母ボージェストは2勝に終わったが、ソネットフレーズの半兄にあたるボーデンは現在3勝クラスまで勝ち上がっている。
その兄も昨年の当レースに出走し、1番人気に支持されたが6着に敗れた。父がハービンジャーからエピファネイアに替わった妹のソネットフレーズ。デビュー2戦目のデイリー杯2歳S(G2)でセリフォスの2着に好走しており、実績では頭一つ抜けている。
前走・NHKマイルC(G1)は6か月の休み明けにもかかわらず、その地力が評価され穴人気した。ところがレースでは17着に大敗。久々で牡馬相手にはさすがに厳しかったか。叩き2戦目の今回はかなりの上積みが見込めるだろう。
気になるのは当レースが牝馬にとって鬼門になっている点か。ちょうど30年前の1992年にシンコウラブリイが制したのを最後に53頭の牝馬が出走しているが、最高着順は2着と牡馬の壁が立ちはだかる。
30年前の覇者シンコウラブリイといえば、引退レースの93年マイルCSを制したG1ウイナーで、マイル路線で牡馬と対等に渡り合った当時を代表するマイラーだった。もしソネットフレーズがあっさり勝利するようなら、シンコウラブリイ級といえるかもしれない。
ソネットフレーズと同じエピファネイア産駒のサトノヘリオス(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)も前走・皐月賞(G1)で17着に大敗。秋を見据えて巻き返しを図る。
サトノヘリオスは昨年末のホープフルS(G1)でも13着に敗れており、2度のG1はともに惨敗。それでもスプリングS(G2)では3着に入るなど、素質は間違いなく重賞級といえるだろう。
鞍上はエリカ賞(2歳1勝クラス)から今回で5戦連続のタッグとなる岩田望来騎手。皐月賞の敗因として、「折り合いを欠いた」ことを挙げていた。前走の反省も踏まえ、1ハロン距離が短くなる今回は重賞制覇の大チャンスだ。
岩田望騎手が福島で重賞レースに騎乗するのは昨年の七夕賞(G3)以来2度目。その時は11番人気マウントゴールドで臨み、見せ場たっぷりの4着に入った。父の岩田康誠騎手はJRAの全10場重賞制覇に福島を残すのみとなっているが、先に息子が勝利を挙げられるかも注目したい。
そのサトノヘリオスにホープフルSと皐月賞で先着しているボーンディスウェイ(牡3歳、美浦・牧光二厩舎)は、先行力が魅力のハーツクライ産駒。前走・皐月賞は14着に敗れたが、弥生賞(G2)は3着、ホープフルSでも5着と善戦している。
福島はデビューから2度経験しており、勝利こそないが2着、3着と好走した。ソネットフレーズとサトノヘリオスが福島未経験だけに、これはアドバンテージになるかもしれない。
重賞初挑戦のゴーゴーユタカ(牡3歳、美浦・武井亮厩舎)は、デビューから全て中山のマイル戦を使われ、2着、1着、2着、1着と堅実。平坦・福島へのコース替わりがプラスに働くか。鞍上は横山武史騎手から地元・福島県出身の田辺裕信騎手に乗り替わる。
グランディア(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)も福島に初登場。母が重賞3勝のディアデラノビアという良血馬で、上にはドレッドノータスやディアデラマドレなどの活躍馬がいる。近2走は若駒S(L)、プリンシパルS(L)で掲示板を確保しており、初重賞のここでも好走の可能性は十分ある。
フェーングロッテン(牡3歳、栗東・宮本博厩舎)は、昨年のスプリンターズS(G1)を制したピクシーナイトの半弟。未勝利戦を脱した後は1勝クラスで壁にぶち当たっていたが、前走・白百合S(L)でヴェローナシチー以下を封じ込める逃げ切り勝ちを収めた。前走に続く逃亡劇でアッと言わせるか。
この他には、3月のアネモネS(L)を制し、桜花賞(G1)にも出走したクロスマジェスティ(牝3歳、美浦・水野貴広厩舎)、前走・毎日杯(G3)でピースオブエイトに迫り、評判馬のドゥラドーレスに先着したベジャール(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)なども上位をうかがう。
3歳の重賞で唯一のハンデ戦は、エピファネイア産駒2頭の一騎打ちとなるのか、それとも伏兵馬が波乱を起こすのか。注目のラジオNIKKEI賞は7月3日、15時45分に発走を予定している。
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