
JRAクラシックを嘱望されたグランアレグリア全弟の悲しすぎる結末……宝塚記念(G1)ウィークの新馬戦、「阪神」ではなく「東京」で思い出す生涯一度きりの晴れ舞台

26日、阪神競馬場ではスターホース達が集う宝塚記念(G1)が開催されるが、同日に行われる2歳新馬も例年大きな注目を集める。
それもそのはず、近年だけでもこの新馬戦を使ったダノンザキッド、キラーアビリティなど、後にホープフルS(G1)を勝利する2歳チャンプを続々と輩出しているのだから納得がいく。
今年もダービー馬ドウデュースなどを所有するキーファーズ代表の松島正昭氏が立ち上げた、クラブ法人インゼルレーシングと武豊騎手がタッグを組むアンテロースや大ヒット競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でお馴染みの藤田晋氏が所有するチャンスザローゼスなどの評判馬が顔を揃え、早くもファンの間では盛り上がりを見せている。
その裏で、前日の25日に東京競馬場で行われる2歳新馬も見逃せない一戦だ。昨年は皐月賞馬ジオグリフが初陣を飾ったレースでもあり、今年は2018年の有馬記念(G1)を制したブラストワンピースの全弟ブラストウェーブが出走するとあって、こちらも大きな話題を呼んでいる(非当選により不出走)。
グランアレグリア全弟の悲しすぎる結末…
ところで、3年前の2019年にその東京の新馬戦を制したブルトガングという馬をどれだけの方が覚えているだろうか。父ディープインパクト×母タピッツフライの血統は、昨年のマイルCS(G1)での勝利を最後に引退したG1・6勝の女傑グランアレグリアと全くの同配合。
母のタピッツフライはブルトガングを生んだ翌年の2018年3月に亡くなったため、長女のグランアレグリアにとっては唯一の弟でもある。早くから姉がG1で活躍していたこともあり、当然デビュー前から大きな注目を集め、新馬戦では単勝1.5倍の断然人気に推された。
ファンから熱い視線が降り注ぐなか、レースではスタートでやや立ち遅れるも道中に中団まで挽回。最後の直線でひとたびエンジンがかかると、上がり最速33秒9の豪脚一気で2着に4馬身差をつける圧勝を飾った。
姉の主戦も務めていた鞍上のC.ルメール騎手は「直線の反応はとても良かったし、いい脚を使ってくれた」とレース後に絶賛。管理する手塚貴久調教師も「大きいところを狙っていきたい」と先々が楽しみなコメントを残し、ファンは翌年のクラシックへと胸を躍らせた。
しかし、翌月早々に予期せぬ訃報が舞い込む。
ブルトガングは放牧先のノーザンファーム天栄にて病に蝕まれ、馬房の中で立ち上がることが出来なくなり予後不良になったというのだ。クラシックを嘱望された期待の良血が華々しくデビュー戦を飾った直後のショッキングなニュースに、多くの関係者やファンは困惑し悲しみに暮れた。
あれから早くも3年が経とうとしている。走ることを宿命づけられた競走馬にとっては、多くの場合は出世(数多くの勝利)することを望まれる。当然のことながら、馬主や陣営にしてみればクラシック出走は格別な想いであるに違いない。
だが、そんな一線級で活躍できる馬は、数千頭といる同世代の中でほんのごくわずか。調教では抜群の動きを見せていてもレースではその通りに走れない馬、体質や脚元の弱さなどの不安要素からデビューすることさえままならない馬、そしてブルトガングのように素質に恵まれた良血であっても怪我や病気により早期に戦線離脱する馬も多くいるのである。
この時期になると、仮にブルトガングがその後もレースに出走していれば、どれだけの大物になっていたかとふと思い出すことがある。かつてこの舞台で輝いた同馬に改めて追悼の意を捧げたい。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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