JRA宝塚記念(G1)の裏で「初勝利請負人」が一発回答を連発!? 3頭合わせて「25連敗中」の泥沼…惜敗続きの馬で勝ち星を量産
関東の若手ホープが、泥沼と化していた未勝利馬を続々と輝かせた。
上半期の総決算・宝塚記念(G1)が行われた26日、阪神競馬場にトップジョッキーが集まるなか、東京競馬場では「花の35期生」の一人でもある菅原明良騎手が1日3勝の固め打ち。グランプリレースに視線が集中する裏で、関東の若手が存在感を示した。
この日挙げた3勝は、全て3歳未勝利でのもの。1日でも早く初勝利を手にしたい現3歳未勝利馬の馬主や陣営に対し、見事に一役買った格好だ。
「初勝利請負人」が一発回答を連発!?
1つ目の3Rは、常に勝ち負け争いをするもデビューから11戦していまだ勝ち星のない1番人気カヨウネンカに初騎乗。オッズでは、以前に自身が跨った経験のあるダノンアマレット、前走でともに3着に好走しているジャスミンフローラやオメガオリーブらと4強を形成した。
15頭立ての芝1600mで行われたレースは、大外15番枠から好スタートを切ると道中は中団外目を追走。前半3ハロン通過付近で内にいたエンロサディラが外側に逸走してしまった影響をもろに受ける場面もあったが、冷静に立て直しすぐに馬群に取りつく。
スローペースのなか楽な手応えで最後の直線に入ると、外からメンバー中上がり最速の脚でねじ伏せるように前にいた馬達を飲み込んだ。
今までの鬱憤を晴らすかのような豪快たる勝ちっぷり。カヨウネンカの主戦であるM.デムーロ騎手が宝塚記念でマイネルファンロンに騎乗するため回ってきたチャンスを見事な一発回答で応えてみせた。
続く2つ目の4Rは、過去6度コンビを組んでいるお手馬の2番人気ブレットフライに騎乗。ここでも前走の同条件で2着に好走したベッサスタージル、初ダート挑戦のジェイケイボス、3戦連続3着を経験するなど初勝利まであと一歩のエターナルプライドらとオッズで4強を形成。
16頭立てのダート1600mで行われたレースは、大外からのスタートこそ一息だったものの、すぐに追い上げて先頭集団のすぐ後ろを追走。前半3ハロン通過タイム34秒6のハイペースのなか、内ラチ沿いに潜り込んで脚を溜め最後の直線へ入る。
鞍上のGOサインに応えて徐々にエンジンがかかると、先に抜け出した1番人気ベッサスタージルを並ぶ間もなく交わし去り、終わってみれば2着に追い上げたバイオエックスに5馬身差をつける大楽勝。3Rで勝利に導いたカヨウネンカ同様に、デビューから11戦して勝ち星がなかった相棒を一変させた。
そして、この日最後の未勝利戦となった6Rでは父ドゥラメンテ×母テイエムオーシャンの超良血オーシャンズヨリに初騎乗。昨年12月以来となる半年ぶりの復帰戦でもファンは1番人気に支持した。
12頭立ての芝2400mで行われたレースは、1枠1番から好スタートを切ると他に行く馬もいないためじわりとハナへ。前半1000m通過タイム1分2秒6のスローペースのなか、余力を残して先頭のまま最後の直線を迎える。
残り400m付近で一度は外から3番人気ウィルソンテソーロに並ばれたものの、そこから驚異の二枚腰を発揮。トビの大きいダイナミックなフォームからもうひと踏ん張りをみせると、最後は外から伸びてきたスピアヘッドの追撃も封じこめ逃げ切り勝ち。今後にも期待が膨らむ超良血の初勝利を見事にお膳立てした。
この日挙げた3勝のうち2勝が初騎乗の菅原明騎手。3頭合わせて25戦も勝ち星がなかった未勝利馬たちを、続々と勝ち上がらせたのだから陣営も頭が下がる思いだろう。現3歳世代の未勝利戦終了の9月まで残りわずかだが、この男に手綱を任せれば初勝利はすぐ目の前なのかもしれない。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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