JRA C.ルメール早くも「バカンスモード」突入!? 宝塚記念(G1)オーソリティは競走除外、「ラストレース」単勝1番人気もまさかのブービー負け
「しっかり出して行ってそれでも来るなら来いというつもりで行きました」
26日、阪神競馬場で行われた宝塚記念(G1)は、横山和生騎手の2番人気タイトルホルダーが優勝。6月2週目より函館開催を主戦場に置いてから勝ち星ゼロと苦しい状況が続いていた鞍上だったが、この日は久しぶりの阪神参戦で渾身の2鞍のみ。レース後の言葉通り、馬の力を信じて終始強気な姿勢を貫いた騎乗でG1制覇を飾った。
その一方で、華々しい大舞台のゲートにすら立つことなく終わってしまったのが、C.ルメール騎手のオーソリティ(牡5、美浦・木村哲也厩舎)だ。
同馬は馬場入場後に右前肢跛行を発症したことで無念の競走除外に……。昨年のアルゼンチン共和国杯(G2)連覇や今年のネオムターフC(サウジG3)制覇など、コンビ5戦3勝と好相性を誇っていただけに残念な不戦敗となった。
C.ルメール早くも「バカンスモード」突入!?
ルメール騎手はこの日を最後に6月27日から8月8日までの間、フランス及び英国への海外渡航を予定している。日本を離れる前の最後の大一番ともいえる宝塚記念で、相棒の競走除外により一気に緊張の糸が切れたか、直後の最終レースでは1番人気エナジーロッソ(牝4、栗東・高柳大輔厩舎)に騎乗するも待っていたまさかの結末だった。
16頭立てのダート1200mで行われたレース。真ん中5枠9番から好スタートを切ったものの、どうしたものか道中の行きっぷりが良くない。前半3ハロン通過タイム35秒0のミドルペースのなか、中団よりやや後方までポジションを下げ最後の直線へ入る。
やや分が悪い位置取りながらも豪快な差し切り勝ちをファンは最後まで信じていたが、いつもの鋭い伸び脚は影を潜め、まさかのブービー負けを喫した。
「うーん、どうしちゃったんでしょうかね。4走前にはルメール騎手とのコンビで2着に4馬身差をつけて圧勝した同舞台です。その時の勝ち時計1分12秒3は稍重だったとはいえ、今回も同様に走れていれば単純な時計計算では勝ち負けできたはずなので、ここまでの惨敗は少々意外でした。
パトロール映像を見ると、スタート直後に外に寄れて隣のジューンクエストと接触しています。その影響があったのかはわかりませんが、その後は鞍上が促す場面があったほど行きっぷりが一息でした。最後は無理に追ってなかったですから、着順に関してはそこまで心配することではないかと思いますよ」(競馬誌ライター)
しかし、この結果に納得がいかなかったファンの怒りの矛先は鞍上のルメール騎手へ向けられた。レース後、ネット上の掲示板では「やる気ない」「もぉ気持ちは外国」「バカンスモードか」など、モチベーション低下を疑うような厳しい声もあがった。
今年初めには昨年12月から続いていた重賞の連敗も積み重なり予想外の苦戦を強いられていたが、ひとたび海外遠征に出ると日本での不調が嘘のような大変身を見せたルメール騎手。JRAの発表によるとその理由は例年の「私用のため」ではなく、「競馬騎乗のため」とのこと。期間も6月27日(月曜)から8月8日(月曜)と長めであることから、帰国中の騎乗もありそうだ。
日本を離れる前のラストレースで宝塚記念の鬱憤晴らしとはいかなかったルメール騎手だったが、海外から戻ってきたら必ずやまた勝負強い騎乗を我々競馬ファンに見せてくれることに期待したい。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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