
JRA横山一家と「血縁関係」の親子が狙う真夏の大波乱! ラジオNIKKEI賞(G3)「ブレイク間近」息子に期待かかる3年前の再現
先月26日の宝塚記念(G1)はタイトルホルダーが2馬身差の完勝。鞍上の横山和生騎手は祖父の横山富雄元騎手、父の横山典弘騎手に続く親子三代での同レース制覇を成し遂げた。
このレースは弟の横山武史騎手も1番人気のエフフォーリアに騎乗して6着。父・典弘騎手はキングオブコージで最下位にこそ敗れたものの、返し馬では和生騎手の騎乗馬をエスコートするシーンも見られるなど、横山一家が賑わせた一戦でもあった。
そんな競馬界に旋風を巻き起こしている横山家と血縁関係にあるのが、美浦に厩舎を構えている菊沢隆徳調教師だ。
菊沢師は横山典騎手の妹と結婚したため、同ジョッキーの義弟ということになる。そして師の息子である菊沢一樹騎手は、横山和生・武史両騎手のいとこにあたる。
横山一家と「血縁関係」の親子が狙う真夏の大波乱!
大躍進中の横山ファミリーに比べれば、もうひとつ地味な印象を拭えないかもしれない菊沢家だが、今週末は親子コンビのミッキーブンブンでラジオNIKKEI賞(G3)に挑む。
近4走は1勝クラスで苦戦が続いている同馬だが、実は初勝利を挙げたのが今回のラジオNIKKEI賞と同じ福島芝1800mで行われた新馬戦だった。
1番人気に推されていたこのレースでは、ゲートで若干遅れたこともあって道中は後方を追走。向正面から馬群を縫って進出を開始し、直線に入って末脚を爆発させると、2着に3馬身、3着馬にはさらに6馬身差をつける非常に強い内容で勝ち切っている。
次戦では果敢に芙蓉S(OP)に挑むと、後にホープフルS(G1)でも3着に入る勝ち馬のラーグルフと0秒1差の接戦を演じている。近走の成績こそ冴えないミッキーブンブンだが、決して地力がないわけでもないだろう。
『netkeiba.com』の事前予想では13頭中12番人気というかなりの低評価だが、管理する菊沢師は「冬場はモコモコするタイプで暑い時季の方がいい」と『スポーツニッポン』の取材に答えている。早くも梅雨明けした今の福島もプラスに働きそうだ。
「なおミッキーブンブンに課せられたハンデは52キロで、これはアローワンスを考慮するとオウケンボルトと並んで実質最軽量ハンデということになります。
過去5年のラジオNIKKEI賞で馬券に絡んだ15頭のうち、実に13頭が斤量54キロ以下の馬でもあるので、狙ってみるのも1つの手ではないでしょうか」(競馬誌ライター)
また手綱を取る菊沢騎手も、この夏に飛躍が期待される1人だ。
今年3月の高松宮記念(G1)でデビュー7年目にしてG1初騎乗にこぎつけると、17番人気のキルロードでタイム差なしの3着に入り、三連単278万円超えの大波乱を演出。
5月29日にはタイキバンディエラで新潟2Rを優勝し、現役100人目となるJRA通算100勝を達成した。今年はここまで11勝を挙げて関東リーディングの19位につけており、ブレイクの時は刻一刻と近づいているといっていいかもしれない。
「菊沢騎手の重賞勝利は2019年の七夕賞(G3)1つのみですが、舞台は福島競馬場で騎乗馬は父が管理していたミッキースワローでした。
今回のラジオNIKKEI賞も同じく福島、菊沢師の管理する野田みづきオーナーのミッキーブンブンなだけに、ぜひ3年前の再現にも期待したいですね」(同)
横山和・武史騎手の活躍は、菊沢騎手にとってもいい刺激になっているだろう。快進撃を続けるいとこたちに続くことはできるだろうか。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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