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JRAアイドルと現役最強馬を産んだ「偉大なる母」が5年ぶりの受胎! 交配相手は故・岡田繁幸氏が絶賛した血筋を引く新種牡馬

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メロディーレーン

 26日に阪神競馬場で行われたグランプリ・宝塚記念(G1)。結果はタイトルホルダーが圧巻の勝利を遂げたが、一方でファン投票にて優先出走権を獲得した姉のメロディーレーンも無事に完走した。

 昨年の有馬記念、今年の天皇賞・春に続いてG1の舞台で3度目の競演となったメロディーレーンとタイトルホルダー。現役馬の中でも屈指の実力と話題性を持つ姉弟であるが、その2頭を産んだ母のメーヴェが受胎に成功したことが明らかになった。

 メーヴェが受胎に成功したのは後のタイトルホルダーを受胎した17年の種付け以来、実に5年ぶりの出来事。母は14年から繁殖入りをしているが、これまで無事に出産に至ったのは2回のみ。18年には90%以上の受胎率を誇るゴールドシップと交配されたがそれでも不受胎に……。これまでの繁殖実績を考えると、メーヴェは繁殖牝馬としては決して望ましいとはいえないが、受胎しにくい体質の持ち主といえるだろう。

 しかし初仔のメロディーレーンは非常に小柄ながらもOPクラスまで勝ち上がり、2頭目の仔であるタイトルホルダーはG1を3勝し今や現役最強馬の地位に上り詰めた。無事に生まれた2頭は共に素晴らしい活躍を見せており、この点を踏まえればメーヴェは「偉大なる母」ともいえる。5年ぶりに生まれるかもしれない、3頭目の仔にかかる生産者からの期待も大きいはずだ。

故・岡田繁幸氏が絶賛した血筋を引く新種牡馬

 気になるメーヴェの今年の交配相手は、今シーズンから供用開始となった新種牡馬のベンバトル。英国産の輸入種牡馬であり、現役時にはUAE、ドイツ、オーストラリアの3か国でG1制覇を成し遂げている。

 18年のドバイターフ(G1)ではヴィブロス、リアルスティール、ディアドラといった日本勢を打ち破ってG1初勝利を挙げている。当時このレースを見ていたファンの方は、ベンバトルの名に聞き覚えがあるかもしれない。

 また、ベンバトルの父・ドバウィは欧州のトップサイヤーといえる1頭であり、母ナーレインは英国の3歳牝馬チャンピオンに選出されている名牝だ。競走成績はもちろんだが、その血筋も素晴らしいものを持っている。

 スタッドインに際してビッグレッドファームの岡田紘和代表取締役は「父のドバウィによく似ていると思います。亡くなった先代の岡田繁幸が、ドバウィの産駒の活躍を見て、ドバウィは本物の種馬だ、と言っていましたので、ドバウィ産駒には注意を払っていました」とコメント。生前は「日本一の相馬眼」とも言われた名伯楽が絶賛した血筋ということで、ビッグレッドファームも大きな期待を寄せている様子が伺える。

 そのベンバトルへの期待は当然ながら、その血を受け継いだメーヴェの3頭目の仔にも寄せられる。メーヴェの仔は2頭共に素晴らしい戦績を収めているだけに、大成する可能性は十分にあるはずだ。

 早ければちょうど3年後にデビューを迎えることになる。もしかしたらベンバトル・初年度産駒の出世頭として、4年後のクラシック戦線を賑わす1頭になっているかもしれない。

 姉のように世間から愛され、兄のように力強い走りを見せる…そんな将来のスターホースの誕生を心待ちにしつつ、まずはメーヴェが無事に出産を終えることを願いたい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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