JRA福永祐一が後輩騎手の「嫌がらせ」に激怒!? 当事者は過去に暴行被害も…ベビーフェイスの中堅騎手に「改心」アドバイス
先週末に行われた福島のメインレース・ラジオNIKKEI賞(G3)は3番人気のフェーングロッテン(牡3、栗東・宮本博厩舎)が優勝。同馬に騎乗した松若風馬騎手にとって嬉しい今年の重賞初勝利となった。
初めてコンビを組んだ前走の白百合S(L)は、前残りの目立った高速馬場を味方につけて逃げ切ったが、今回は好位からの差し切り勝ちで連勝を飾った。それも逃げ切り濃厚だったショウナンマグマを最内の狭いところから交わしてのゴール。同じインにいながら無難に外を回した岩田望来騎手のサトノヘリオスが3着に惜敗しただけに、両者の攻めの姿勢が明暗を分けたかもしれない。
「久々に大きいところを勝てて松若騎手も満面の笑みでした。デビュー以来コンスタントに50勝前後の勝ち星を挙げ、2020年の高松宮記念では繰り上がりとはいえ、G1ジョッキーの仲間入りを果たしました。小柄で童顔な見た目ですが、20代後半になって年齢的には中堅の域。最近は若手世代の勢いが凄くてかなり危機感を持っているみたい。
そういうこともあってエージェントも以前ほど騎乗馬が集まらないと嘆いていました。現在はフリーですが、名門の音無秀孝厩舎に所属していたこともあり、ずっと安定した成績を収めていますけど、関西の勢力図を見ると軌道に乗っている感はないんですよね。しかも、ずっとバックアップしてくれていた音無調教師も定年まで後2年ですし、その辺が彼のターニングポイントになるでしょう」(競馬記者)
ネット上では、一部のファンから俳優のえなりかずきにそっくりという声もあるベビーフェイスとはいえ、その外見に似合わず本人は意外と勝ち気な性格らしい。過去にはレース中に戸田博文調教師の管理馬を削るような騎乗をし、師の逆鱗に触れて蹴られたのは有名な話だ。
福永祐一が「嫌がらせ」に検量室で激怒!?
「先輩騎手であろうが関係なく馬との間合いを詰めてプレッシャーを掛けるなど、同じレースに騎乗する騎手にとっては嫌なタイプです。攻めの騎乗と言えば聞こえはいいのですが、時にはやり過ぎて怒られている場面にも遭遇します。
少し前のNHKマイルC(G1)では温厚な福永祐一騎手が激怒するシーンもありました。このときは、タイセイディバインの松若騎手が福永騎手のセリフォスに寄せて、勝負どころの進路取りで少し強引に削ったんですよ。普段から他の騎手にもそういった荒い騎乗をしているのを知っていた福永騎手は検量室で周りが驚くくらい怒っていましたよ」(別の記者)
関係者の話によると福永騎手としては自分の馬を犠牲にしてまで相手を潰すことに意味はないと伝えたかったようだ。勝負の世界なのでそういう事は珍しくはないものの、後を引くほどの問題にはならなかったらしい。
確かに相手の嫌がることをやったところで、いずれは自分に返ってくるという覚悟も必要だ。実際、若手の間で松若先輩は競馬での当たりがキツいと評判になっているようで、福永騎手も両者の関係を改善するためのアドバイスだったのだろう。
激戦区である関西は常に浮き沈みの激しい環境で岩田望、坂井瑠星や鮫島克駿をはじめ、新人の今村聖奈や角田大河など若手の騎手に注目が集まっているため、彼らの活躍が松若騎手の騎乗数にも少なからず影響している可能性も否定できない。
とはいえ、小柄な松若騎手は減量の心配は少なく、軽ハンデの馬にも苦労せず乗れるのも強み。夏競馬の間に斤量の軽い3歳牝馬などで結果を残して、実績のあるベテランや外国人ジョッキーが乗らない馬で結果を出したいところ。
積極的な騎乗が持ち味でもあり、先週のフェーングロッテンのように控えてロスなく立ち回る機転の利いた競馬もできる技術の持ち主。生き残りを懸けて頑張って欲しいものである。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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