JRA春G1で最低人気を好走に導いた「万馬券請負人」が重賞戦線でみせる驚異的成績!「波乱必至」七夕賞(G3)も“一発”に期待大!
例年に比べ短すぎる梅雨が明け、本格的な夏の到来を感じる昨今。7月に入り暑さが日に日に増していく中で、競馬界は本格的に夏競馬のシーズンを迎えている。
夏競馬の醍醐味といえば、新たにデビューを迎える2歳馬のレースであろう。来年のクラシックを目指して飛躍を期す若駒たちの戦いぶりは、我々ファンが夏の暑さを忘れるに十分な熱気と魅力を持っている。
一方で、夏競馬から飛躍を目指すのは何も若駒たちばかりに限らない。秋以降のステップアップを目指す新人・若手騎手にとっても、ローカル開催が続く夏競馬は格好のアピールのチャンスとなる。
その中でも早速アピールに成功したのが、新人の今村聖奈騎手だろう。先週末のCBC賞(G3)ではテイエムスパーダに騎乗して見事な逃げ切り勝ち。新人女性騎手による重賞初騎乗・初勝利ということでメディアでも大きく取り上げられ、競馬サークルの内外でその評価は急上昇している。
西の小倉では“今村フィーバー”が起きた先週末だが、実はその裏で、東の福島でも密かにアピールに成功した若手騎手がいる。それが菅原明良騎手だ。
先週末に福島競馬場で行われたラジオNIKKEI賞(G3)にて、菅原明騎手は8番人気ショウナンマグマに騎乗。レースでは開幕週の前有利の馬場が頭にあったのか果敢に逃げを打つと、最後はフェーングロッテンに差されたものの2着に好走してみせた。
惜しくも勝利は逃したが、13頭立ての8番人気という伏兵を積極的な騎乗で好走に導き、賞金加算にも成功したことを考えれば大仕事を果たしたといえるだろう。インパクトでは西の今村騎手に及ばないものの、重賞の舞台でしっかりと爪痕を残した。
今年が4年目となる菅原明騎手は先週末の時点で39勝をマークしており、これは関東リーディングで5位、全国リーディングでも12位という好成績。横山武史騎手や岩田望来騎手といったブレイクを果たした若手騎手の陰に隠れてはいるが、4年目の若手としては十分すぎる程の活躍ぶりを見せている。
「万馬券請負人」が重賞戦線でみせる驚異的成績!
特筆すべきは、菅原明騎手の重賞レースにおける成績である。2022年は25度重賞に騎乗して成績は(2-3-2-18)となっているが、なんと馬券内に食い込んだ7度のうち5度が6番人気以下の伏兵馬でのものである。
更にその内2度は2桁人気の大穴を好走に導いており、5月のNHKマイルC(G1)では18番人気カワキタレブリーに騎乗して3着に激走。G1の舞台で最低人気の馬を馬券圏内に食い込ませ、3連単153万円という大波乱を演出した。
その活躍ぶりはデータにも表れており、重賞レースにおける菅原明騎手の騎乗馬の単勝回収率は133%、複勝回収率は286%という驚異的な数字となっている。
ちなみに重賞で馬券に絡んだ7レースの内6レースで3連単の配当が万馬券。菅原明騎手は、まさしく令和の「万馬券請負人」といえるだろう。これ程の活躍ぶりを見る限り、今後の重賞戦線でもマークは必至の存在だ。
「波乱必至」七夕賞も“一発”に期待大!
早速、今週末に行われる七夕賞(G3)でも「万馬券請負人」にあやかりたいところ。菅原明騎手が騎乗するショウナンバルディは『netkeiba.com』による想定オッズでは6番人気の伏兵評価となっており、仮に馬券内食い込めば高額配当にも期待ができそうだ。
加えてショウナンバルディは昨年の七夕賞でも9番人気3着に激走しており、伏兵としては侮れない存在。七夕賞はローカル開催のハンデ重賞ということで波乱の傾向が強いレースであり、伏兵の騎乗で勝負強さを見せる菅原明騎手とのコンビで一発があっても不思議ではない。
今後も続く夏のローカル開催では波乱必至のハンデ重賞が目白押しであり、「万馬券請負人」にかかる期待も高まるばかり。まずは今週末の七夕賞で、菅原明騎手とショウナンバルディが演出する波乱の決着に期待したい。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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