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武豊騎手が語る「桜花賞ベストレース」は”伝説”の出遅れ勝ちでなく「あの名牝」の地味レース?天才が重要視する偶然ではない「必然」のプロセス

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 そのレースぶりは、いずれも道中2番手を追走し、早めに先頭に立ってそのまま押し切るというもの。つまり、その競馬こそが当時のベガにとってのベストであり「勝ちパターン」だったということだ。

 デビュー当初から「目標」としてはっきりとしているクラシックの舞台に向かうにあたって、武豊騎手が最も大事にしているのは、そのプロセスである。

 世代トップクラスの圧倒的な素質を持った馬にとってクラシックまでのレースは、いわば本番を勝つための”練習”の舞台。目の前の「結果」よりも、本番に繋がる「過程」が重要視される。武豊騎手は特にそういった趣が強い騎手の一人だ。

 だからこそ、桜花賞という本番でベガがこれまで積み重ねてきた”練習”の成果をそのまま発揮できたことに武豊騎手は、一騎手として大きな評価を与えているのだろう。

 そこで大切なのは「偶然」に頼った派手なレースではなく、「必然」がもたらした一見地味なレースなのかもしれない。

 今年、コンビを組むリスグラシューは、前走のチューリップ賞でソウルスターリングに完敗するなど、ここにきて評価を落としている。だが、武豊騎手が前哨戦で大切にしているのは結果よりも「過程」だ。

「チャンスはあると思っている」

 そう語る桜花賞5勝ジョッキーが、どのような巻き返しを見せるのか。今年も桜の季節がやってきた。

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