「負けて強し」2億円ホースが示した母親譲りのど根性

31日、新潟競馬場で行われた5Rの2歳新馬は、川田将雅騎手の2番人気ダノントルネードが優勝。昨年のセレクトセールにて、1億8150万円(税込)で取引された高額馬が、期待に応えるデビュー勝ちを飾った。
レース後、首の上げ下げの激戦を制した鞍上は「大きなハナ差」だったとコメント。デビュー戦を勝てるかどうかでその後の選択肢の幅も広がるだけに、接戦をモノにした価値は大きいと言えるだろう。
2億円ホースが示した母親譲りのど根性
その一方で、惜しくも勝利を逃したのが、福永祐一騎手の1番人気シャザーン(牡2、栗東・友道康夫厩舎)だ。
同馬は、エリザベス女王杯(G1)を含む重賞を4勝したクイーンズリングの初仔。こちらも昨年のセレクトセールにて、2億4200万円(税込)で金子真人オーナーが購入した高額馬である。
福永騎手×友道厩舎×金子オーナーのタッグといえば、2018年の日本ダービー(G1)を制したワグネリアンがあまりにも有名。そんな背景もあるだけにシャザーンも来年のダービーへ向け、ファンの期待が高まっていたのも当然と言えようか。管理する友道調教師も「初戦から楽しみ」と期待を寄せていたが、初陣を飾ることは出来なかった。
それでも、直線での2頭の追い比べは見応えがあるものだった。レース後には勝った川田騎手もシャザーンを「強い馬」と評価していたように、負けたとはいえ実力は本物だろう。
10頭立ての芝1800mのレース。「逃げたくはなかった」と振り返った福永騎手だったが、好スタートをきったシャザーンは押し出される形で先頭に立ち最後の直線へ。残り200m付近でダノントルネードに交わされ万事休すかと思われたが、そこから再び差し返す勝負根性を発揮。内からジリジリと差を詰め、再び馬体を合わせたところでゴールに飛び込んだ。

レース後には「できれば勝っておきたかった」と漏らした福永騎手だったが、内容には十分光るものがあった。実際、ネットの掲示板やSNSでも「根性ある」「負けて強し」など賞賛する声が数多く上がっていた。
また、この負けん気の強さは母親譲りのところがあるかもしれない。
「直線で盛り返した時には、お母さんのクイーンズリングが引退レースとなった2017年の有馬記念(G1)を思い出しましたよ。
最終的なオッズは単勝8番人気と低評価だったのですが、最後の直線では外から差してきた3番人気シュヴァルグランや2番人気スワーヴリチャードに一度は交わされたものの、再度内から差し返して2着に入りました。
勝ったキタサンブラックには及ばなかったですが、一線級の牡馬たちを相手に一歩も引かない勝負根性を見せつけたのが印象的でした。長男のシャザーンも敗れてしまったとはいえ、そのレースぶりからは母親譲りの負けん気の強さが垣間見えたような気がします。今後も、競走馬として大きな武器となりそうですね」(競馬誌ライター)
「じっくり育てていけば、さらに良い勝負ができると思います」
レース後、敗戦をそう振り返った福永騎手。今回は僅かに及ばなかったが、次戦はきっちりと決めてくれるだろう。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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