1番人気が13連敗中の北九州記念、タイトルがかかる3歳牝馬2頭の運命は?
21日、小倉競馬場ではサマースプリントシリーズの第4戦・北九州記念(G3)が行われる。
6月の函館スプリントS(G3)から始まったこのシリーズも折り返し地点を過ぎ、残すは3レース。北九州記念には10ポイントで首位タイのナムラクレア(牝3歳、栗東・長谷川浩大厩舎)とテイエムスパーダ(牝3歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)が参戦とあって、夏のスプリント王の行方を左右する大一番となる。
ナムラクレアは前走の函館スプリントSを0秒4差で快勝。斤量50キロと他馬と比較して恵まれていたとはいえ、初の古馬混合重賞でそのポテンシャルの高さをいかんなく発揮してみせた。
今回はハンデ戦のため、前走から3キロ増の斤量53キロでの出走。出馬表を見るとまだ恵まれているようにも見えるが、古馬の牡馬に換算すると58キロ相当となるだけに、ここを乗り越えられるかどうかがカギとなりそうだ。
一方、テイエムスパーダは前走のCBC賞(G3)が嬉しい重賞初勝利。今村聖奈騎手とのタッグで迷わずハナを奪うと、斤量48キロの軽量を味方にした逃走劇で後続に0秒6差をつける圧勝。前半の3ハロンが31秒8、勝ち時計1分5秒8(良馬場)という日本レコードは大きな驚きを呼んだ。
ただし、こちらも今回は斤量51キロでの出走。ナムラクレアと同じ前走比プラス3キロがどう響いてくるのかという点と、鞍上が国分恭介騎手に替わるのもポイント。もともとの主戦騎手に手が戻るだけとはいえ、これまで以上に相手からのマークも厳しくなる中で、重賞勝ち馬となった相棒をさらなる高みに導くことができるだろうか。
思えば、この2頭はちょうど1年前のフェニックス賞(OP)で直接対決があり、その時はナムラクレアが0秒1差で先着している。1年後にシリーズタイトルをかけて同じ舞台で再戦。どんな結果が待っているのか、大きな注目が集まる。
1番人気が13連敗中の北九州記念
当然ながらこの2頭は人気の面でも1・2番人気で競り合うことが予想されるが、そこで気になる点がひとつ。近年の北九州記念において、1番人気の勝ち馬が出ていないのだ。
過去10年の1番人気馬の成績は【0-3-0-7/10】となっており、1番人気での勝利は2008年のスリープレスナイトが最後。現在の小倉・芝1200mの条件で行われるようになった2006年以降、1番人気の勝利はその2008年が唯一であった。
ちなみに、過去16回の中で2番人気も1勝、3番人気も同じく1勝と、1番人気だけでなく上位人気は軒並み苦戦中。なんと最も勝ち数が多いのが8番人気で計6勝、勝率は37.5%という驚異的な数字になっている。
その他、複数勝利を挙げているのが5番人気と6番人気の2勝、さらには11番人気も2勝を記録しており、まさに“荒れる重賞”なのだ。
今年もこの傾向が続くのか、はたまた勢いに乗る3歳牝馬が嫌な流れを断ち切り、シリーズチャンピオンへと近づいて行くのか……。
ちなみに、1番人気馬として唯一このレースを制したスリープレスナイトは、その後のスプリンターズS(G1)も勝利して2008年のJRA賞最優秀短距離馬に輝いている。
飛躍の夏を経て、いざ秋の大舞台へ。まずはナムラクレアとテイエムスパーダのどちらが1番人気となるのか、レースの前にそんなジンクスにも注目したい。
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