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キーンランドC(G3)レイハリアにのしかかる「斤量問題」好走と凡走に法則性あり

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 28日、札幌競馬場で開催されるサマースプリントシリーズの第5戦・キーンランドC(G3)。ここに前年度の覇者として登場するのが、レイハリア(牝4歳、美浦・田島俊明厩舎)だ。

 同馬は昨年3月に中山のダート1200mで未勝利戦を勝ち上がると、翌月に新潟で行われた芝1200mの雪うさぎ賞(1勝クラス)を快勝。さらに翌月には中京で葵ステークス(重賞)を勝ち、3連勝で一気に世代のトップスプリンターへと登り詰める。

 その勢いは留まるところを知らず、3カ月の休みを経て挑んだキーンランドCでは古馬の強豪も撃破。連勝を4に伸ばし、一躍スプリント界の新星候補として脚光を浴びた。

 しかし、秋はスプリンターズS(G1)を疲労のため回避すると、復帰戦となった11月の京阪杯(G3)では2番人気で16着と大敗。今年初戦に選んだ高松宮記念(G1)でも17着と大きく敗れ、昨春から夏にかけての勢いは失われてしまった。

 それでも、この夏は函館スプリントS(G3)から始動すると4着と奮闘。勝ったナムラクレアには0秒5差をつけられたが、2着で今回人気が予想されるジュビリーヘッドとの差はわずかに0秒1。持ち味である先行策からの粘り込みを見せており、復調の気配を漂わせている。

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松岡正海騎手

 転機となったのが、新たにコンビを組んだ松岡正海騎手との出会いだ。「キッカケが欲しいと思っていた」とレース後に語った通り、眠れる快速牝馬に少しでも刺激を与えるべく、「ペースが速いのは分かっていたが、早めの競馬をした」と大外枠から果敢に主張して行った。

 結果としてハナはビアンフェに譲ったものの、その外の2番手を確保して進め、4コーナーでは先頭へ。最後は差し馬に飲み込まれる形となったが、良かった頃の先行力と粘り強さを見せ、鞍上も「この先に繋がってくれたら」と手応えを口にした。

 また、今回はその松岡騎手からの進言を受けて、キャリアで初めてブリンカーを着用するという。すでに追い切りでは装着しており、管理する田島師も「効果はあると思う」とコメント。こうした騎手や陣営の工夫からも連覇で完全復活を……という強い想いが垣間見える。

「斤量問題」好走と凡走に法則性あり

 しかし、そんなレイハリアにとって大きな壁となるのが「斤量」だ。優勝した昨年は3歳牝馬ということもあって51キロと恵まれたが、今回は別定55キロでの出走となる。

 キャリアで55キロを背負ったのは、今春の高松宮記念が唯一。17着とはいえG1での結果だけに、その点に関しては度外視もできるのだが、注目したいのが斤量の“前走比”である。

 同馬は斤量54キロで葵Sを勝った後、51キロで臨んだキーンランドCを制覇。ところが、続く京阪杯は53キロで敗れ、高松宮記念も55キロで大敗。迎えた前走は54キロでの善戦と、好走しているのは斤量が前走より軽くなった時で、逆に斤量が増えたタイミングでは決まって凡走しているのだ。

 牝馬ということもあり、馬体重は前走の460キロがキャリア最高。これはスプリンターとしては小柄な部類となるだけに、たとえ1キロでも背負う負荷が重くなるというのは歓迎できる材料ではない。

 また、競走馬が特に斤量の影響を受ける場面が、止まっている状態からフルパワーで飛び出すスタート時だと言われており、ハナにはこだわらずとも先行したいレイハリアにとって、スタートダッシュが利きにくくなるのは死活問題である。

 字面以上に重くのしかかる、「前走比+1」の斤量55キロ。過去に一度背負っている経験と、携わる人々の工夫で不安をはねのけ、レース史上初の連覇を成し遂げることができるだろうか。

木場七也

木場七也

29歳・右投右打。

本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。

ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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