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菊花賞馬を担当した腕利きが飲酒運転で逮捕!? 競馬関係者と飲酒トラブルの負の系譜

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「飲んだら乗るな」

 大人ならずとも誰でも知っている飲酒運転を戒める標語だ。自分だけは大丈夫などと思うことなく、万が一を考えてこれを徹底するのは当然のこと。

 だが、うだるように暑い気候や各種イベントが多い夏はお酒を嗜む機会が増え、それに比例するように飲酒運転も増加傾向にあるという。

 良識ある大人にはその悪しき流れに乗らないことが求められるが、残念なことにこの鉄の掟を守れなかった競馬関係者がいるようだ。某競馬記者の話。

「先週、小倉競馬場のある北九州市で塩津智彦さんが酒気帯び運転の疑いで逮捕されたことが、地元のFBS福岡放送などで報じられました。『滋賀県栗東市の自称・団体職員』と名乗ってるそうですが、バッチリ実名で報道もされているので競馬関係者だけでなく、一部のファンにも音無秀孝厩舎の厩務員さんであろうことがバレているようで……。

 JRAの職員ではないのでJRAから直接何かあることはないと思いますが、『今後どのような処罰が下るのだろうか?』などと、その話題がじわじわと広まっています」

 古い競馬ファンならば塩津氏の名前に聞き覚えもあるのではないだろうか? かつて菊花賞(G1)を制し、名牝ウオッカらとしのぎを削ったオウケンブルースリを担当した腕利きとしてその名を知られていた人物だ。

 菊花賞制覇後もオウケンブルースリに寄り添い、京都競馬場で行われた引退式では、「僕はあと1年でも2年でもこの馬の世話をしたいのですが、第2の仕事があるので期待しています」と本音を明かし、「馬房にいるときは人懐っこくてかわいい馬でした。ありがとうの気持ちでいっぱいです」と同馬との思い出を振り返っていた。

 若手の模範となる行動が求められるベテランだけに関係者も頭が痛いだろう。あってはならない飲酒運転だが、過去にも競馬関係者が摘発されたことはあった。

 その中のひとりが石神深一騎手だ。今年、障害100勝を達成し、さらに障害絶対王者・オジュウチョウサンとのコンビで中山グランドジャンプ(J.G1)を6度も制するなど、障害騎手のトップとして知られる。その石神騎手も2005年に自動車で事故を起こした際、酒気帯び運転だったことが判明。4カ月の騎乗停止処分が下された。

 さらに衝撃的だったのは、ウオッカ、エピファネイア、ヴィクトワールピサなどを手掛け、名伯楽としてならした角居勝彦元調教師の事件だ。2018年に酒気帯び運転で逮捕され、世間に大きな衝撃を与えた。これを受けてJRAからは約6カ月間の調教停止処分が発表され、管理していた78頭は中竹和也厩舎に転厩することが伝えられた。翌年の1月に復帰した際には「すみません」と報道陣に頭を下げた。

 飲酒運転に対する風当たりは年々、日本はおろか、世界的にも厳しくなっている。今回の事件を他人事と捉えるのではなく、過去にも同様の事例があったことも踏まえつつ、関係者たちにより一層注意を促す必要があるだろう。

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