【キーンランドC（G3）予想】新鋭3歳ウインマーベルは切り！ 人気薄の極穴2頭で好配当に期待！

　今回は終盤戦を迎えたサマースプリントシリーズ第5戦となるキーンランドC（G3）を予想していく。

　まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
函館SS、UHB賞（OP）　各7頭
アイビスSD　3頭
高松宮記念、CBC賞、札幌日刊スポーツ杯（3勝クラス）　各2頭
ヴィクトリアマイル、NHKマイルC、京王杯SC、中京記念、葵S　各1頭
条件特別（3勝クラス）　2頭
となっている。函館SS組は滞在競馬ということもあって、サマースプリントシリーズの流れから見ても順当。UHB賞は中1週と強行軍のローテーションながら、敢えてここへの出走を選択する陣営が多い。G3格付けの割に条件戦からの転戦組は少なく、ほとんどは重賞からの臨戦だ。

　続いて人気順の成績を見てみよう。
1番人気　2-4-1-3
2番人気　1-3-0-6
3番人気　3-0-2-5
4～6番人気　2-1-4-23
7～9番人気　1-2-3-24
10番人気以下　1-0-0-62
となっている。1番人気が信用できる数字を挙げている。ただし近5年に絞ると2勝している以外は馬券圏外で数字ほどアテにできない傾向がありそうだ。むしろ数字では劣る2番人気が2着3回と健闘しているので、こちらの方がアテにできそうな感じがある。近5年では19年に上位人気のワンツースリーで決着しているが、穴馬が激走してみせるケースもあり9番人気が3頭も馬券に絡むなど、基本的には堅い決着に収まりやすいが穴馬もチェックが必要そうだ。

　これを踏まえて「◎」は10番ロードマックスとする。

　前走はUHB賞。中団より後ろにつける競馬で、直線前で粘る2頭を後方から上がり最速の脚でゴール前ハナ差交わして勝利している。

　戦績をざっくり見ると中の上くらいのオープン馬。勝ち星が3勝と少ないが、どうやら陣営が距離適性を見誤っていて適切なレースを使ってこなかったところにも原因があるようだ。

　デビュー戦はマイルで勝利し、3戦目は京王杯2歳S（G2）で2着に入るなど実力の一端は見せており、ここでおそらく陣営はマイル向きと判断したものと考えられる。その後もマイル戦を中心に使われ、NHKマイルC（G1）でも5着と掲示板を確保したのが逆に出世を遅らせたのかもしれない。

　その後は1400m戦で1勝を挙げただけで2走前はマイルで結果が出ないので1800m戦を使われ見せ場もなく敗れている。そこからの前走スプリント戦で、まさに開眼したと言えそうだ。1400m戦の重賞連対の時点で距離短縮を考えれば、もっと違ったキャリアをたどったかもしれない。

　陣営も「距離短縮によって折り合いに心配がなくなり、決め手を活かすことができる」と自信をのぞかせている。幸い、今回は前に行きたい馬がそろったメンバーなので、前が崩れる展開も十分考えられる。人気もなく、馬券妙味もあるのでここは積極的に押さえてみたい。

「○」は人気を落としている15番レイハリアを挙げる。

　前走は函館SS（G3）。ナムラクレアを後ろに従えて積極策を採ったが、斤量差もあって直線で粘りきれず4着に敗れている。

　昨年は4連勝かつ重賞連勝でこのレースを制している。だが、その後の2戦がどちらも二ケタ着順と冴えないレースが続いた。2走前の高松宮記念（G1）は馬場が悪化したこと、さらに直線で不利を受けたこともあってブービー負けしているが、これは度外視していいだろう。前走で復調気配を見せたと捉えている。

　陣営も高松宮記念後に休養させて、函館で調整を進めたとのこと。それが前走の結果につながっていると言える。今回はチークピーシーズからブリンカーに着装を替えるとのことで、もう一段上の結果も見込めそうだ。

　また、このレースも前年好走したリピーターが再び好走してみせるケースが多い。勝ちまではなくとも2着までなら十分考えられる。

「▲」は穴馬11番オパールシャルムを推したい。

　前走は福島テレビオープン（OP）。番手を取って4コーナーから先頭に立ち、そのまま後続を断ち切って粘りきり勝利した。

　3勝クラスとオープン特別を連勝している上がり馬。ただ、ここまでのキャリアはとにかく勝ち味に遅く、未勝利脱出に8戦、1勝クラス脱出に6戦、3勝クラス脱出に7戦を要するなど勝てない競馬が続いていた。まさに前走、前々走で覚醒したと言えそうだ。

　血統面もあって短めのところを使われ続けてきたが、中でも1200m戦は14戦して【4-5-3-2】と高い適性を示している。1200m専用機とも呼べそうな偏った成績を持っているだけに、連勝で臨むここでも好走を期待できそうだ。ただし、繰り返しになるが前に行きたい馬がそろっただけに、展開次第のところはある。

「△」は人気サイドの9番ジュビリーヘッド、昨年2着の14番エイティーンガール、3歳馬16番トウシンマカオの3頭を挙げる。

　ジュビリーヘッドの前走は青函S（OP）で、中団から競馬を進め直線でもよく伸びてきたが前を捉えきれず2着に終わった。

　この前走はかなりハイレベルなレースで、重賞勝ち馬や好走馬がそろった中、それらを蹴散らしての2着は価値あるものと言える。また、近6戦ですべて馬券に絡む堅実な走りを見せており、函館SS2着もこれに含まれている。

　連勝するような勢いがあるわけではないが、この堅実さは今回のメンバーでも光るものがあり、間違いなく人気するだろうがここは押さえておきたい。

　エイティーンガールの前走は高松宮記念で、スタートに失敗して後方待機策を採り、直線でも上がり最速の脚で追い込んできたが8着に敗れている。ただ、着順こそ8着だが着差は0.3秒と僅差。レシステンシアと同タイムを記録するなど、敗れながらも強さは見せた。

　予想でもいくどか印を打って、そのたびに裏切られてきた感のある1頭だが、やはり後ろからの追い込み脚質と出遅れグセが成績に響いている。とは言え、ハマれば上がり32秒台の鬼脚があり、これまでもそれで好走してきたことがある。

　陣営も上がり調子であることと、上でも触れたがリピーター強しの傾向があることで、この馬も一昨年1着、昨年2着と相性がいいことで今回の好走を期待しているようだ。

　展開的にも前に行きたい馬が多い中で、流れ次第では追い込み有利の展開になる可能性がある。不安点を言えば、6歳馬の好走例が少ないので、これを乗り越えられるかどうかということか。

　トウシンマカオの前走はNHKマイルC。果敢に逃げてペースを作ったものの、直線で持ちこたえられず8着に敗れている。

　この馬は2歳時に京王杯2歳Sで2着があるもののまだ2勝しか挙げていないので、ここで最低でも連対を果たして賞金の上乗せをしなければ秋が厳しい。ただ、幸か不幸かここまでの6戦でマイル向きでないことははっきりしており、陣営もそこを認めた上で向いているだろうスプリント戦に期待をかけているようだ。

　斤量も53kgと前走から4kg減と恵まれ、前走こそ逃げているが今回は前に行かせて控える競馬で結果を出すこともできそうなだけに、ここは期待値込みで押さえてみたい。

　人気の中心になりそうな5番ウインマーベルは切り。

　前走は葵S（G3）で中団から直線抜け出して2馬身半差の快勝。2走前のリステッドも勝っており現在連勝中の1頭。

　勢いでいうなら買い要素であり、戦績を見てもスプリント向きなのは確実。ただ、札幌で2戦して勝ちを拾えなかったのが引っかかる。同じ洋芝の函館でも勝ち星がなく、洋芝向きではないと判断した。連勝はどちらも時計が出る中京で記録したものであり、軽い馬場の方がこの馬の真価を発揮できるのだろう。ここは黙って切りたい。

　ということで、今回は9番、10番、11番、14番、15番、16番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。

　人気が割れそうで組み合わせ次第ではトリガミすらありそうだが、ロードマックスやオパールシャルムの激走があれば、あるいは好配当にありつける可能性がある。