
武豊、横山典弘も憧れる「凱旋門賞最多勝男」が騎乗停止危機から復活…タイトルホルダーやドウデュースらに「5馬身違う男」の脅威

日本競馬の悲願ともいわれる凱旋門賞制覇を狙う日本勢にとって、最大の脅威となるのは、やはりこの男かもしれない。
かつて社台ファームの吉田照哉代表が、ある競馬番組に出演した際、「デットーリが乗ると、ほかの騎手よりも5馬身違う」と評したこともあるL.デットーリ騎手。日本馬が何度も苦杯をなめた凱旋門賞(仏G1)でさえ最多6勝を挙げている世界的名手は、競馬ファンにもすっかりおなじみの存在となっている。
そんな彼がビッグレースを制した後にウィナーズサークルで下馬する際、馬上で一瞬立ち上がり、大きくバンザイをしながら飛び降りるフライング・ディスマウント(デットーリジャンプ)は、世界的にも有名だ。
日本でもデットーリ騎手と仲のいい横山典弘騎手が、同様の所作を披露していることでも知られており、海外で騎乗する機会の多いレジェンド武豊騎手ともお互いにリスペクトしあう関係でもある。
そんなデットーリ騎手が“九死に一生を得ていた”ことを、『日刊スポーツ』が報じていたのだが、その内容が非常に興味深いものだったので紹介したい。詳細については本記事をご覧いただければ幸いだ。
「騎乗停止」の危機から不死身の男が復活…
今月4日には、昨年の凱旋門賞馬トルカータータッソとのコンビでバーデン大賞(独G1)を2着。連覇を狙う本番での巻き返しが急務だったが、レース中にデットーリ騎手がムチの使用制限である5回をオーバー(6回)したため、18日から10月1日まで14日間の騎乗停止処分を受ける想定外のアクシデントに見舞われた。
とはいえ、処分の最終日が10月1日ということもあり、2日の本番には何とか間に合うこととなったのだが、今度は11日に開催されたイギリスの牝馬クラシック三冠の最終戦・セントレジャーS(英G1)で2位に入線(4着に降着)したものの、直線で内に急激に切れ込み他馬の進路を妨害、不注意騎乗により5日間の騎乗停止処分を受けてしまったのだ。
前回と合わせて、本来なら騎乗停止期間も2日から6日となるはずだったものの、2000年に飛行機墜落事故に遭っても生還を遂げた不死身の男は、ここでも強運ぶりを見せつける。
なんと、2日に英国での競馬開催がないことから、制裁期間が10月3日から7日に変わったのだ。その関係で凱旋門賞当日の2日だけ処分の対象外となるため、トルカータータッソの継続騎乗が滑り込みセーフのような形で事なきを得たのだから、これはもう奇跡的な偶然というよりほかないだろう。
世界中の注目が集まる凱旋門賞で連覇の懸かるトルカータータッソは、主戦のR.ピーチュレク騎手がオーナーとの専属契約の関係でメンドシノへ乗り替わり。代わりに騎乗するデットーリ騎手としても、あわや参戦不可という絶体絶命のピンチを切り抜けて実現した大舞台での騎乗機会である。
持っている男がこのチャンスに燃えないはずがない。タイトルホルダーやドウデュースら日本勢には、凱旋門賞最多勝男の存在が最大の脅威として立ちはだかることとなる。
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