JRA今村聖奈「大ブレイク」の陰で悲痛な叫び。「何のために騎手になったのか」乗鞍激減、レース開催日に”お留守番”続出

今年の夏競馬を振り返って「最も話題になったジョッキー」といえば、やはりルーキーの今村聖奈騎手ではないだろうか。
重賞初挑戦となった7月のCBC賞(G3)でいきなり勝利を挙げて注目を集めると、そこから怒涛の快進撃が幕を開ける。現在39勝まで勝ち星を伸ばしG1騎乗の条件も軽くクリア。新人王争いをしていた角田大河騎手らライバルを大きく突き放し、タイトルをほぼ手中に収めている状況だ。この秋には、さらなる大舞台でその雄姿を見ることができるかもしれない。
そんな“今村人気”は秋競馬になっても留まるところを知らない。今週末は3日間開催となるが、今村騎手は3日間合計24鞍の騎乗を確保。チャンスのある馬も多く、今週も勝ち星の上乗せが十分に期待できそうだ。
その一方で、一部の若手騎手からは“悲鳴”が上がっているというから驚きだ。
今村聖奈騎手「大ブレイク」の陰で悲痛な叫び
「栗東に戻ってきたら、急に依頼が……」
そう悲痛な話を切り出したのは、関西所属の某若手騎手だ。夏は小倉や北海道に滞在してバリバリ乗っていたらしいが、夏競馬の終了と共に栗東に帰ってくると、急に騎乗依頼が激減したという。
「今村騎手ほどではないですが、○○騎手もこの騎手なりに充実していましたし、よく頑張っていたと思うんですけどね……。(関係者から)干されたなんて、まったくないですよ。夏の最終週もしっかり乗っていましたし」(競馬記者)
記者曰く、どうやら主な原因は現在の2場開催にあるようだ。ずっと3場開催だった夏競馬の間は、騎手も3つの競馬場へ分散し、この若手騎手もあまり苦労することもなく乗鞍を確保できていたという。
しかし、秋競馬が開幕して中山と中京の2場開催になったことで騎手が集中……。今週は3日間開催となりレース数は豊富だが、いずれも2場開催の中で行われるため「リーディング上位の先輩たちに鞍数が集まるだけで、僕らには何の恩恵もない」と嘆き節だ。
「仮に抽選で騎乗馬が決まるとしても3場開催だったものが2場になれば、競争率は単純計算で1.5倍。その上、実際は抽選ではなく、各陣営がジョッキーを選ぶわけですからね。当然、有力な騎手に馬が集まりますし、一枚落ちる若手騎手にとっては死活問題ですよ。普段はエージェント(騎乗仲介者)にほとんど任せているジョッキーも、自分で厩舎に行って交渉している姿もありました。
ちなみに今回の2場開催は5週も続きますし、この時期は夏ほど出走馬が多いわけでもありません。弱肉強食が常の業界ですが、この間は騎手によって明暗が大きく分かれることになるでしょう」(同)
実際に若手騎手の騎乗数に目をやると、今村騎手と同じルーキーの鷲頭虎太騎手は今週の3日間開催でわずか2鞍しか騎乗しない。秋競馬が開幕した先週に至っては土曜の1鞍に留まっている。この夏には地元の北海道で存在感を発揮したジョッキーで、夏の最終週も8鞍に騎乗。周囲の関係者の評判も上々だったはずだが……。
また、女性ジョッキーとして活躍する古川奈穂騎手も、今週は3日合計でわずか3鞍という寂しい状況。デビューイヤーだった昨年は早々に初勝利を挙げて、そこから4週連続で勝利を挙げるなど、左肩に違和感で離脱するまでは抜群の存在感だった。
「3年目の泉谷楓真騎手、4年目の亀田温心騎手といった辺りも騎乗馬が激減しているそうです。2人とも昨年重賞を勝ちましたし『乗れる若手』という印象なのですが。
ただ、『乗鞍があるだけいい』という声も……。
まったく乗鞍がなければ、当然その日に競馬場へ行く必要はなく、トレセンでお留守番ということになります。もちろん週末も調整や追い切りは行われているのですが、レースが行われている日に競馬場にいないというのは、騎手にとっては本当に辛いそうで。ある若手騎手も『何のために騎手になったのか』と寂しそうでした。
残念ながら競馬の世界ではそう珍しいことでもないですが、ここしばらくは“居残り組”の数が増えそうです」(別の記者)
今回の2場開催は10月の毎日王冠・京都大賞典(共にG2)の週まで続くが、この秋は久々に多くの外国人騎手が短期免許で参戦することがつい先日報じられたばかりだ。
トップジョッキーや勢いのある若手騎手がG1で華々しく共演する秋競馬。その一方、地道に乗ってきた中堅・若手騎手にとっては、これまで以上の苦難の季節になるかもしれない。
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