JRA菊花賞(G1)「史上最低」レベルの風評に異議あり!? ディープインパクトやオルフェーヴル超えの魅力、酷評されたあのレースから「希望の星」が登場
先週末の神戸新聞杯(G2)でトライアルも終了し、菊花賞(G1)に出走を予定するメンバーの顔触れも、徐々にハッキリとしてきた。
3着以内に入って優先出走権を獲得した6頭の内、セントライト記念(G2)で3着のローシャムパークはすでに回避を表明。収得賞金1500万円の馬までが、ほぼ本番の出走を確定している。
一方、皐月賞馬ジオグリフやダービー馬ドウデュース、いずれのG1でも2着に入ったイクイノックスといったトップクラスの馬が別路線を歩むため、今年の菊花賞が「史上最低」レベルとなるのではないかと危惧する声が後を絶たない。
例年であれば、クラシックで上位を争った馬が主力を形成する神戸新聞杯も、今年の場合はダービー5着のプラダリアが2番人気で8着に敗れ、無敗馬にC.ルメール騎手が騎乗することも人気に拍車の掛かった1番人気パラレルヴィジョンも7着と振るわなかった。
菊花賞「史上最低」レベルの風評に異議あり!?
このままいくと菊花賞も戦前の噂通りに期待できなさそうな雰囲気もあるのだが、予想を裏切る希望の星といえそうなのが、ジャスティンパレス(牡3、栗東・杉山晴紀厩舎)の存在だ。
春二冠でともに9着と敗れたこともあり、神戸新聞杯でも5番人気の伏兵扱い。2歳時にホープフルS(G1)で2着に入った実績があるとはいえ、そのホープフルS組が年明けに大敗続きだったのだから仕方なかったか。
低調なメンバーで勝っただけという声もあるだろうが、2着馬に3馬身半の差をつけたことついては一考の余地がある。
特筆すべきはタイム差にして0秒6はコントレイルをはじめ、オルフェーヴルやディープインパクトと比較をしても優勢だったことだ。少なくとも数字の上では歴史に残る三冠馬たちを上回るパフォーマンスだったといっても過言ではない。
近年の神戸新聞杯勝ち馬で0秒6の差をつけた馬は、2003年のゼンノロブロイと、それより先に遡った阪神芝2000m時代の1989年オサイチジョージくらい。あくまで数字のみに注目という条件は伴うものの、目を引くパフォーマンスだったことは間違いないだろう。
また、大仕事をしても不思議ではないと思えるのは、好騎乗で勝利へ導いた鮫島克駿騎手が残したレース後のコメントだ。
「強かったです。力のある馬だというのは分かっていましたし、直線で抜け出すときはいい加速力でした。これだけの馬に乗せてもらえてよかったです。次にもし継続して乗せてもらえるならまた全力で頑張りたいと思います」
言葉の節々からジャスティンパレスに対する評価の高さが伝わり、継続騎乗が叶うようなら善戦出来るのではないかと感じた手応えも伝わってくる。
元を正せば、本馬はルメール騎手を背にデビューから2連勝したディープインパクト産駒。ラスト一冠の大一番であっさり戴冠しても不思議ではないかもしれない。
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