
世界的名手の間でサリオス調教師に悩みの種、ビッグネーム来日が続々決定

11日、オーストラリアのD.レーン騎手が11月12日から短期免許で来日する予定であることが明らかとなった。物議を醸した「肘打ち」の一件で約2か月の騎乗停止処分を受けて来日の予定が白紙となったフランスのC.スミヨン騎手の代役として、レーン騎手に白羽の矢が立ったと報じられている。
レーン騎手は初来日となった19年には2か月間で38勝を挙げ、リスグラシューとのコンビで春秋グランプリ制覇を達成。翌20年にも3か月間で41勝を挙げる活躍で、ファンや関係者に鮮烈なインパクトを残していた。
2年ぶりの来日となった今春は2か月間で23勝、重賞戦線でもヴェルトライゼンデに騎乗した鳴尾記念(G3)の1勝に留まるなど、当初の期待感に比べればやや振るわなかった印象だ。それでもオークス(G1)では10番人気の伏兵・スタニングローズで2着に食い込み、帰国間際の宝塚記念(G1)でもヒシイグアスを2着に導くなど、大舞台では随所で存在感を放っていた。
このように来日の度に多大な活躍をみせているレーン騎手だが、同騎手の日本での活躍を支える存在として挙げられるのが堀宜行調教師である。師はレーン騎手の身元引受厩舎として手厚いバックアップを施しており、レースでも多くの有力馬を託している。
過去にレーン騎手は中央競馬において439鞍に騎乗しているが、その内のおよそ1/4にあたる100鞍は堀厩舎の管理馬が占めている。厩舎別の勝利数も堀厩舎が26勝と最も多く、2位の手塚貴久厩舎、木村哲也厩舎がそれぞれ6勝であることと比べても、突出した存在といえるだろう。堀厩舎とレーン騎手の強い結びつきが伺える。

世界的名手の間で悩みの種も…
堀厩舎サイドとしては、信頼するレーン騎手の来日は朗報だ。だがその一方で、今秋に限ってはレーン騎手の存在が思わぬ悩みの種となる可能性もある。その要因として挙げられるのが、同じく短期免許で来日を予定しているイギリスのR.ムーア騎手の存在だ。
ムーア騎手は先述のレーン騎手と同様に、過去の来日時には堀厩舎が身元引受厩舎としてサポートを行っている。騎乗馬の確保についても堀厩舎が一役買っており、ムーア騎手の騎乗数全体の約1/4を堀厩舎の馬が占めていることからも翻意の間柄であることが分かる。
このように堀厩舎と相思相愛の関係であるレーン騎手、ムーア騎手は共に11月12日からの騎乗を予定しているのだが、実はこの両名の日本での騎乗期間が重なるのは今回が初めてのことである。
堀厩舎としては、頼りになる2名の外国人騎手が同時に来日することで「板挟み」に近い状況に陥ってしまう。来年以降の来日も考えられるレーン騎手、ムーア騎手との関係性は堀厩舎としても大切にしたいはずだが、有力馬の数は流石の堀厩舎でも限られる。外国人騎手は日本人騎手と比べても結果にシビアといわれるだけに、2人の名手との間に亀裂が生じることがないよう、頭を悩ませているかもしれない。
秋のG1戦線においても、サリオス、ヒシイグアスといった鞍上が流動的な有力馬が揃っている堀厩舎。今後の騎手起用にも注目したい。
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